九重山・大船山の登山―長者原から1泊2日で周遊

2020年9月9日から10日にかけて、大分県の九重山と大船山を、テント泊1泊2日で登ってきました。
それぞれ九重山(久住山)は100名山、大船山は300名山の1座です。

台風や秋雨などの合間だったので山頂からの景色は良かったし、火山性地形が大変面白い登山となりました。

登山ルート

長者原から歩き初め、坊がつるに荷物を置いて300名山の大船山を往復し、1日目は坊がつるテント泊。

2日目は久住山に登り、牧ノ戸峠を経由して長者原へ戻る。

健脚者なら1日で何とか踏破出来るコースです。
しかしゆっくりと九重山を楽しみこの2座を登るなら、山中で1泊したほうが良いでしょう。

なお、2020年9月時点、長者原からすがもり越(諏蛾守越)は通行止めでした。

1日目:長者原、大船山、坊がつる

早朝、長者原の駐車場に辿り着き、登山の準備をする。

長者原にはトイレや水場や温泉、ビジターセンター、食堂など色々と揃っており、九重山観光拠点でもあります。
登山者も多く、早朝だというのに車は多く停まっていました。

当初はすがもり越から登って、雨が池を抜けて長者原に戻ると考えていましたが、「土石流発生のため通行止め」
というわけで予定を変えて、牧ノ戸峠を経由して周遊することにしました。

まずは坊がツルを目指して、雨が池越向けて登っていきます。

雨が池まではほぼ全て樹林帯。
先日の台風10号による影響か、枝葉が道の上に落ちまくっていてちょっと奇妙な風景でした。

この日の前後は天気予報では晴れだったのに、急に変わって小雨になってきました。
雨が池の湿原もまあ美しいですが、小雨のためあまり楽しめず。
でも雲の切れ間は美しい。

雨が池越からは坊がツルなどの九重山中央部を望めます。
山に囲まれた平地、人里から離れた雲上の楽園、そんな感じがします。

この日の宿泊予定地、坊がツルに到着。
無料で、トイレと水場があり、電波も通じる、美しい山中のキャンプ場です。
人気の場所のようで、人は結構いましたよ。
広いのでテント張る場所が無くなることはないでしょうが。

坊がツルに到着時は雨だったので、早々にテントを張って雨宿り。
ネットで雨雲レーダーと予報を見るとすぐに止みそうだったので、2時間ほど休憩。
予報通り晴れてきたので、テント等の宿泊用装備を置いて、大船山へ出発。

坊がツルから大船山は稜線までは樹林帯。
若干ルートファインディングに迷うところがあったので、落ち着いて道しるべのテープを見付けながら進んだ方が良いでしょう。

稜線まで着くと山頂まであと少し。
山頂直下の岩場の急登を超えれば、300名山の一つ『大船山』に到着!

大船山は九重連峰の東側に位置しているので、特に東北~東南への展望は最高!
祖母山地、由布岳が美しいし、眼下の坊がツルと久住山の山腹もまた美麗である。

この日は大船山だけ登って終わる予定なので、山頂でゆっくりとしました。
下界はまだまだ暑いですが、九州の天井たるこの九重連峰では涼しくて心地よいです。

坊がツルに戻って、まだまだ時間があるので、法華院温泉に遊びに行きました。
片道10分ほどの散歩です。

法華院温泉は最近土石流があったようで、近くのバンガローが土石に流されていました。
バックホウも動いて巨石を取り除いているようで、復旧にはまだまだ時間がかかるようです。

なお法華院温泉には業務用の車が通えるようで、自販機や売店もありました。
値段もめちゃくちゃ高いわけでは無いので、ここでビールでも調達して坊がツルで飲む、ってのも良いでしょう…

直射日光は暑く、坊がツルには日陰が無いので、小川に足を浸して涼みました。
何をする必要も無く、ただただ時間を過ごすだけで良い時間。
日々の生活や旅行だと何かをしていないといけないから、こういう時間が久しぶりで、思うことは色々あった…

この日の晩御飯は、サバの水煮缶とナスのスパゲッティ。
ネットで「サラスパがキャンプに適してるよ」という書き込みがあったので試しました。
量やゆで時間や長さが確かにちょうど良いですね。

やることも無いので早めに就寝。
山上は風が無く快晴だったので、深々と冷えて、気温は12℃まで低下した…

2日目:久住山、牧ノ戸峠、長者原

2日目、早く寝すぎたことで早く起きすぎ、早朝4時に起床。
朝食はオニオンスープとバターロール。
結露でびしょびしょになったテントを片付け、4時30分に出発。
まだ真っ暗なのでヘッドライトを点けて歩いていきます。

法華院温泉から諏蛾守までは淡々とした登り。
…ですが、諏蛾守に近づくと土砂に埋まった谷の荒野になり、薄暗さも相まって、まるで別の惑星に来たかのよう。
火山ガスで植物が育たない場所も多く、日本の中でここまで緑に覆われてない自然の平地ってのは珍しいです。
歩きやすく周りを見渡しながら、奇妙なこの場所を楽しむことが出来ました。

稜線までは小川と岩場の登り。
危険な箇所は特になく、難しいところもありません。
稜線に出ると風もよく吹き、山頂が望めます。

100名山の一つ、「九重山(久住山)」に到着!
なおここは観光客が多いことで標高が減ったようで、現在では中岳が最高峰のようで。
でも歴史的にはここが山頂で良いでしょう。

山頂からは北側に遮るものが無く、久住高原と阿蘇山が非常に美しい。
久住高原と阿蘇盆地の間には崖があるのですが、その崖っぷりがここからだとよく分かって面白いです。
本当に綺麗に、高原があそこで落ち込んでいるんだよなあ。

朝日の斜光が九重連峰を照らし、影と光のコントラストもまた美しい。
いやまったく、登って良かった…

下山前に、せっかく来たんだから山頂部をいくらか散策。
岩で作られた古い避難小屋や火口池があります。
というか九重連峰、火口らしき窪み多すぎやしないか。
これ全部、噴火の跡なのか。

牧ノ戸峠へ下っていきます。
とは言え牧ノ戸峠はやまなみハイウェイの最高地点(標高1330m)なので、それほど下っていきません。
稜線をアップダウンしながらゆっくりと下っていく感じのようで。

この久住山と牧ノ戸峠の間の道、木々の樹高が低く、歩きやすくてなだらかなので、まさに天上の散歩ですよ。
どうしてああまで丸く枝葉が整った木があるのだろう?
まるで庭園のようです

小ピークの沓掛山からは長い遊歩道です。
でも下りで硬い道を踏むのは衝撃が強くて、ちょっと嫌だ…

牧ノ戸峠は駐車場などがある久住山登山拠点となってます。
やまなみハイウェイの最高地点なのでライダーもいました。

ここから長者原までは九州自然歩道が整備されていて、舗装歩道が通っています。
車道を歩く必要はありません。
距離は3.5km。約1時間の道のり。

そして長者原に到着し、九重山登山終了!
レストハウスでお土産を買い、やまなみハイウェイ沿いにある「べべんこ」で豚丼を食べ(思いのほか食べやすくて美味い!)、佐賀関からフェリーに乗って帰宅。

総評としては、九重山は非常に綺麗で楽しかったです。
でも今年は天気が悪く2泊3日で終わらせてしまったのは、ちょっと心残りです。
九州はそこそこ遠いから、旅費と時間がかかるから、もっと長く楽しみたかったな~。
まあ、天気が悪かったからしょうがないか。
ガスった山頂は、ただピークを踏んだだけ、にしか思えないからねえ。

YAMAPによるデータ

行動時間:1日目4時間20分、2日目4時間40分
距離:24.5km
標高差:登り1730m、下り1730m
消費カロリー:4300kcal

前日譚:くじゅうエイドステーションで素泊まり

家から九州までは遠いので、1日目は移動日として九重高原で前夜泊しました。
ちょっと時間あったので、九重山南麓の久住高原も走りました。

綺麗な道路ばかりで走っててめちゃくちゃ気持ち良いですね…
このエリアがライダーの聖地と呼ばれる理由もよくわかる。
また何度も来たいですね。

宿泊地は「くじゅうエイドステーション」です。
10年前にも泊ったことのある場所です。
10年以上もブログを続けているとは…

10年ぶりに来た印象としては、「懐かしい」というより「こんなんだったかな~」
やっぱ10年も経ったら色々忘れていましたよ…それにあの時はガスが濃かったし。

前回はキャンプだったので、今回は列車に泊まってみました。
Gotoトラベルクーポンも使えましたよ!

やっぱりこのキャンプ場は手作り感があり、受付とか水場とかにもそういう趣がありますね。
列車はまあ、何というか、布団のある避難小屋というか。
ビジネスホテルと同列に考えてはなりません。
クーラーは無いですが、やはり高原は涼しく、日中でも日陰にいれば寝れるくらいでした。
蚊を初めとする虫も少なく、窓が閉められないのに案外快適でした。

自炊道具は持っていたので、この日の晩御飯は自炊。
味付け済みの肉は常温でも腐りにくく、キャンプには持ってこいの商品!

登山

Posted by YU