『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』の感想―明るくも静かで寂しい雰囲気が最高のアニメ

2010年に放映されたテレビアニメ、「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト(ソラノオト、ソラノヲト)」を視聴しました。

「女の子×ミリタリー」でもあり、崩壊後の世界(ポストアポカリプス)でもあり、謎多き世界でもあり。
世界遺産を題材とした町並みが美しい、全12話のオリジナルアニメ。


惜しい!けど、良い!

てな感じで諸手を挙げて傑作とまでは言えないんですが、しかし描こうとしたものは良いんですよ。
ゆっくりと世界の設定を描いていくことで謎が解消されていくあの快感は、創作物でしか得られないものです。
静かだけど少し寂しい世界の雰囲気も相まって、まるで一人で本を読んでいるかのように、視聴を続けられました。

全体的に、目まぐるしく動く物語ではないのに色々と詰め込んでしまって、少々消化不良になってしまった気がします。
「女の子×ミリタリー×ポストアポカリプス」だなんて、オタクが好きそうなもの特盛じゃないか!好きですが。
1クール12話で、住民の物語や伝説も交えながら表現しきるには、流石に短すぎる。
断片的に表現することで視聴者に想像の余地を与えて楽しんでもらう意図もあったのでしょうが、やはりその匙加減は難しい。
「設定なんて考えてないけど、とりあえず入れたれ」みたいなことも感じてしまった…

でもやっぱり、私は好きなんですよこのアニメ。
女子5人組は良いバランスで楽しく見られるし、軍隊の生活みたいなのも好き。
ワキワキ動く多脚戦車だってカッコいいし、スペインのクエンカを題材とした街並みも美しい。
あのOPっぽい明るいED曲も好き。
「けいおんちゃん」なんて揶揄されたキャラデザインですが、へにょへにょとよく動くから飽きない。

物語の最後は主人公たちが戦争を止める、という大それたことを成し遂げますが、多分あの世界では全てを変えるような革命的なものではなかったと思う。
結局は小競り合いの一つが無くなったくらいの出来事ではないでしょうか。
だからこそ、小さな生活をしていた主人公たちの物語を締めるにはちょうどよい大きさの出来事だったのでは。

女の子たちの和気あいあいとした雰囲気と、前時代的な平和な街、静かで寂しい世界観。
雰囲気の良いアニメを見たい方には是非おススメ。
灰羽連盟に近いかな。

アニメ

Posted by YU