月夜に響くノクターンRebirth 感想

月夜に響くノクターンRebirth   制作者 ショウ
 2002年6月のインターネットコンテストパークで銀賞を得たツクール2000製のRPG「月夜に響くノクターン」を、ツクールXPにリメイクした「月夜に響くノクターンRebirth」の感想を書いていきます。
 公式サイトとwikipediaのリンクを貼っておきますが、wikipediaではストーリーが最後まで書かれているけどいいのかこれ!?
 


ノクターンⅡ
まず一番最初に言っておきたい。戦闘の出来は神。いや、これマジヤベエ、マジパネエとしか言いようが無いですよ。少なくとも、PSレベルの商業作品にタイマン張れるレベルです。
 というわけで、この作品の戦闘システムについての賞賛をつらつらと述べていきますが、えーまず、戦闘システムの基本はサイドビューでATBとなっています。ツクール2000の戦闘システムのようなものよりかは、基本的にサイドビューでATBなほうが個人的には好きですので、まずここだけでプラスポイント。
 そしてやってみれば十二分にわかるのですが、スピード感がマジで凄すぎです。特に、戦闘モードをウェイトではなくアクティブにすればかなり凄いことになります。ちなみにアクティブと言ってもFFのようなものではなくて、ちゃんと行動選択時は周りのATBも止まるのでゆっくりと決めることが出来ます。味方や敵の行動や位置が入り乱れながら、他のキャラの行動に被せてくるかのような、アクションゲームくらいの流れる戦闘を行うことが出来ます。それによって、迫力や臨場感がすごくてですね、戦闘のたびに「うお、すげー戦闘だああ!!」とか思っていましたよ。
 戦闘時のキャラクター達はドット絵で表されますが、キャラ一体一体が独自の行動アニメーションを豊富に持っており、それらを観察するだけでもかなり楽しいし、よく出来たゲームだと思えますよ。いや、すごいな、一体どれだけの労力を…。
 戦闘自体の面白さもものすごいのですが、それをさらに引き立てる難易度も素晴らしい物でした。キャラに付けることが出来るのは装備だけじゃなくて、いろんな技などもあるのでいろんな選択肢が存在します。その中で最も相手に打ち勝つのに適しているかを考えたりして、もしその作業を怠ればあっさりと負けてしまったりしますからね。
 特に良い難易度が、ブレイブレベルで挑むボスですね。初見ではあっさりと相手の奥義で負けてしまったりすることがかなりあったのですが、技を見直したり弱点を見つけようと試行錯誤すると案外あっさり勝てたりしますからね。こういう、レベルだけで強さ弱さが決定されてしまうのではなくて、プレイヤーの戦う能力によって戦況が大きく左右されるゲームは大好きです。むしろこういう試行錯誤をすることが楽しいから、ゲームがゲームとして成り立つんですよね。
 育成システムも独自性あってとっつきやすく、なおかつプレイヤーにたっぷり悩ませるようなものでかなり良かったですよ。経験値を消費して新しい技を覚えて、消費した分でレベルが上がる。さらに、すでに覚えている技のレベルを上げることも出来れば、技レベルを上げることで能力も上がりますからね。しかも、弱い技ほどレベル上げるときに能力が上がりやすいという、ね。
 どれが使いやすい技かとか、どうやって育成していこうかというような悩ませ方をプレイヤーにここまでやらせてくれるっていうのは、つまりこのシステムがものすごく丁寧に作られているからだと私は思いますね!
 以上、戦闘の出来やその周りのシステムの出来がものすごくて、ストーリー進行中は「早く戦闘させてくれ!」と思ってしまうほど、プレイしていて純粋に気持ちが良かったものでした。
 さてストーリーについての感想に移ります。
ノクターン1 
 まず最初に思ったのが、「正直言ってこれ典型的な中二病ストーリーじゃね?」ということでしたね。主人公は世界を変えることが出来るほど強力で、人間を殺すことに対して抵抗なんて一切無いほど残酷なダークヒーロー。しかしそんな主人公が、純粋で優しい人間の女によって変わっていく…というような流れ自体はよく見かけるものなので、そこだけはあまりオリジナリティは感じられなかったかな…。
 しかし、レヴィエルが永劫の時を生きる強力すぎる存在だからこそ想ってしまう、虚無感の描写は個人的にかなり好きなものでした。世界を恐怖に陥れ、どんなものでも手に入れたり破壊することが出来る魔王だからこそ想う、生きる意味や希望が全く感じられないこの世界。戦争時に兵器として作られた生命だから、戦うことがその意義となるのでしょうが、だんだんレヴィエルが戦う意義に疑問を感じてくるというのは、興味引かれるものでした。自分が無意味だと切り捨ててきた脆弱な人間たちと自分は、根本的に一体何が異なり、異なっているのならどうあるべきだったのだろうか?
 でもまあ本当、このゲームは戦闘やシステム、ストーリーなど、あらゆるゲームの要素に対して丁寧さがそこかしこに感じられて、フリゲによく感じられる「不安定感」が一切感じられず、純粋にゲームとしての良さというものが感じられた、フリゲの教科書と言ってもいいかもしれないほどの出来でした。
 総プレイ時間は約30時間、たっぷり楽しませてもらいました。


やりこみ記録★
・全アイテム入手
・レヴィエルとレナのレベルMAX
・全ボスブレイブ撃破(1週目で)
・隠しボス2戦目撃破→攻略記事

フリーゲーム

Posted by YU