B.B.ライダー 感想

 B.B.ライダーをクリアしたので感想書きます。もちろんネタバレ有り。
 最初にやったのは一年ほど前なのですが、二回目やっても感動しました。それほどにこのゲームのシナリオは完成度が高いと言えましょう。
 あと、この作者は当時10代だったそうです。まあ学生時代は時間が有り余っているからゲーム製作も出来るのでしょうが、でもやっぱりすごい。おかげで私の創作意欲を刺激しまくりです。
 私も何かしようかな・・・


 シナリオが良すぎる
 もうこのシナリオのおかげでこのゲームの他のところが見えなくなってしまうほどに。
 いや、もちろんグラフィックや音楽も素晴らしいと思います。ですがやはりシナリオの完成度がずば抜けています。フリゲ内ではトップを争うほどかも?
 基本的にこのゲームは一本道です。街は一つで、ダンジョンは修行のためのような感じでそれなりにあります。街では人と会話したりサブイベントを発生させたりします。このゲームの基本的な流れは
 話を進める→街に行ったりダンジョン行ったり→話を進める
といった感じです。RPGとしてはものすごく単純ですが、街の会話などが楽しいので全く苦にはなりません。
 サブイベントも本編もそうですが、全体的に会話にはシリアスなのとお笑いな部分がたくさん含まれています。というか、どんなシリアスなときでもジョークを忘れないその心は尊敬できます。
 マシンガンのように笑いの掛け合いもあれば、急にアホみたいなこと言ったりと、顔の筋肉がリラックスできるときが少ないです!ハイテンションギャグが好きな方はプレイ中、笑って奇声を上げないように注意しましょう。
 
 さて、ではこれからストーリーの感想を書きます。
 主人公はニトス・ジークフリード。過去の英雄としてロウリィ・ゴースに現代に呼び出されました。
 この「B.B.ライダー」の主人公はやはりこいつだといえるほど、彼は物語の根幹となっています。ちょっと彼の年表を書いておきます。
1200年前
 ニトスは魔物への恨みから、たった一人で魔物たちに立ち向かう。魔王城でマギスンやサラドなどの魔王たちや真なる魔王たちに出会う。マギスンを好きになるが、サラドとマギスンが真なる魔王に覚醒し、マギスンを殺してしまう。
 その後、ロウリィに1200年後に呼び出される。
 戻ってきたときから千年間魔物と戦い続ける。
200年前
 ニトス、シルバと出会う。人間に処刑されて真なる魔王へと覚醒する。
 森でロウリィが生まれるまで待ち、彼女を守り続ける。名はヴァジュラとなる。
現在
 ニトス、ロウリィに呼び出される。ヴァジュラを倒した後、1200年前に戻る。
やりたいこと、出来ること ニトスの一生とはなんだったのでしょうか。彼は魔物に殺された家族の仇のため、魔物を殲滅することを決意します。しかしその途中でまたもや出来てしまった自分の大切な人。彼は必死に彼女を守ろうとしますが、運命は非情にも彼が自分の大切な人を直接殺させるように仕向けます。大切な人を自分で手にかける、一体彼にはどの程度の悲しみが襲ったのでしょうか。私には知る由もありません。
 その後ニトスは1200年後に呼び出されることになりますが、そこでも戦いを要求されます。本来彼は戦うことが嫌いだったのですが、戦い続けてきたのは他人のためと自分の心を紛らわせるためでした。
 しかしそれでも彼は新しく出来た守りたい人のために戦い続けます。自分の命が呪われたものとなっても。 彼は最後に、世界に仇なすものとなった自分自身を倒します。これまでずっと頑張ってきた自分の末路。それは自分に殺されることでした。
対比 一体彼の幸せとはどこにあったのでしょうか?彼は心から「他人がよければそれでいい」なんて思うような人間ではありません。ただ、大切な人を守りたかっただけです。それなのに現実は、大切な人を自らの手で殺し、そして最後には大切な人の手で殺されるというようなことになってしまいました。
 しかし彼が自分に倒される間際、過去の自分が必死に起き上がって何度も何度も立ち向かってくる姿を見て、遂に自分つまり過去の自分を英雄だと認めることが出来ました。ずっと夢見た英雄の姿、だけど自分はそうにはなれないと思っていたのが、最後の最後にそう思うことが出来たのです。
 ヴァジュラでいたときは、このような人生を送ることになったのに心底後悔したでしょう。ですが、最後の最後に自分を英雄だと思えて、そしてロウリィが自分のために泣いてくれるのを見て、その後悔の念もなくなったのかもしれません。
 でもやっぱり大切な人と一緒に過ごして生きたかった。争いの無い世界で仲良く暮らしていきたかった。その願いは叶えられることも無く、彼は1200年の人生に幕を下ろします。
英雄
 エンディング、そこには幸せそうな登場キャラクターの生活が流れていきます。ですがその裏でニトスは1200年前の時代で孤独に魔物と戦い続けます。そして以前戦ったヴァジュラと同じように、人間に処刑されてヴァジュラとなります。
 最高に悲しくて熱いストーリーでした。ニトスが立ち上がるシーン、全てを知ったときのシーン、愛する人を殺すシーン、など魅力あるシーンがありすぎて感想を書ききることは出来ません。
 どのシーンも、どの登場人物も全てが一つの物語として欠かせない存在となっていく。笑える場面で愛着が湧いてくる人々。愛し、愛された人々。これら全てがB.B.ライダーというドラマを作り上げ、私たちに深い感動を与えてくれた。
 あえて何度も言います。
これは最高の物語であると

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Posted by YU