NEEDY GIRL OVERDOSEの感想――アングラは最低な最高の真実
2022年にSteamで配信され後にSwitchでも配信された、育成系アドベンチャーゲームのNEEDY GIRL OVERDOSE(ニーディーガールオーバードーズ、略してニディガ)の感想を書きます。
プレイ時間は12時間ほど。
小粒ながら独自性とインパクトは非常に強かった作品です。
似たようなゲームは、う~ん、あるのか?
やりこみ記録
全実績制覇
マルチエンドなので攻略サイトも見ながら全エンド制覇していけば実績は集まっていきます。
慣れると1周にかける時間も短くなるし好きな日からやり直せるのも周回プレイを容易にしてます。
やみ度100のまま進めると1%の確率で発生する「Megaten」は難しいので意識しておく。
ちなみにまとも?にたどり着いた初めてのENDは、フォロワーカンストの「THE INTERNET ANGEL Be INVOKED」でした。
毎日配信+要所で刺激的な配信すれば結構簡単。
マイピクチャのコンプリートは、出来ませんでした……
バグ?バージョン違い?でどうしても出ないJINEとか行けないおでかけ場所とかがあって集まらず。
とりあえず集められるだけのものは集めたので良しとする。
感想
ストレス溜めたり好感度溜まりすぎたり薬飲んでハイテンションになったり色んなことになるのは、まあいい。
マルチバッドエンドはなんなんすか!?
承認欲求強めのメンヘラヤンデレ女子は、成功しなくたって成功したって、それが平穏な幸福にはならない。
いや、平穏を幸福としない刺激大好きな人間だから、待つのは破滅のみ?
ゲームシステムは特異さと単純さの混じる奇妙なバランス、なかなかの完成度です。
初見ではストレスを下げ、好感度を上げ、やみ度を下げるのが良い、と思うだろう。思っていたのだ。
好感度上げすぎないよう注意するゲームはこれが初めてでしたね。
いやはやまさか好感度調整のために「出会い系」やったり「えっちな配信」したりするとは思わなんだよ……まさかこれが最適解の一つだなんて!?
メインの配信、そのほかのコマンドによるステータスの上げ下げとその幅はプレイしていくと身についてくるので、調整したいステータスは簡単に調整できるようになっていく。
やみ度を上げたきゃ掲示板で執拗に他人を叩こう!う~ん、やみ。
各種配信は面白いものが多いですね。特にPR系が笑えて好き。
短めでテンポ良く、視聴者のコメントも非常に現実にありそうなノリの良かったり腹立つものだったり。
男性向け女性配信者にありがちなものが詰め込まれており「よく研究したな!」と感心。
健全で刺激の少ない清楚な配信ばかりじゃあフォロワーは増えないんだよ!(無慈悲)
1周が短くマルチエンドなので、このゲームのボリュームに対するエンディングの割合は多い。
なのでエンディングに思うことは色々あるけど、基本的に、悪趣味な気もする……
こういう女には破滅しかないのだ、ってのは分かるがおかげで達成感を感じることが少なくなってしまったのが弊害かな?
どうしたってプレイヤー的にはハッピーエンドを望んでしまうのさ。
というわけで裏事情を一切考えないという条件で、「Do you love me?」がお気に入り。
この作品は配信だけでなくアンダーグラウンドなコンテンツ(尖ったアダルトゲーム、インディーズゲーム、風邪薬OD等)からの影響も多くあり真っ当な作品なんて絶対してやるもんかという強い意志すら感じられるほど。
いや、あめちゃんが言っていたように、(かつての)インターネットという見せかけはちゃんとしている大人たちが清濁両面の本音を吐き出す場などをむしろ『本物』であるとし、アングラに偏ることで真実さを演出しようとしたのだろうか。
全てのエンドを見れば今作のメタ構造に気づきます。
この『メタ』もまた、アングラコンテンツではよく用いられている手法ですね。
第四の壁を越えて作品に『本物さ』を感じさせること。
……イマジナリーのピを考えれば、むしろこのゲームは、メタのメタだったということだろうか?
神様とはプレイヤーですか、それとも……?
非常に尖ったゲームでした。
しかしプレイは普通にしやすい方のゲームで、とっつきはしやすい。
このゲームに、『The Underground』の称号をくれてやろう!