夜明けの口笛吹き 感想&考察

雑記
 うあーなんか最近暇だ。何か新しいこと始めようか?
 例えば絵とか園芸とか資格の勉強とかバイクいじりとか
 飽き性の自分は何をすればいいんだろうかねぇ
 ちょっとデザイン変えてみました。


 そもそもこの「夜明けの口笛吹き」というゲームは、2chのラウンジ板で作られたらしいですがゲーム内容に2chらしいものは出てきません。しいて言うなら、「個人は陥没!」あたりのシーンでしょうか。
 ですからRPGが好きな人なら誰でもできるようなゲームに仕上がっていると言えるでしょう。
 ゲームバランスは、少しヌルイ~普通ぐらい。自慢でもなんでもないですが、私はこのゲームで全滅したことは一度もありません。ですが多少苦労した戦闘はいくらかありました。
 このゲームの敵には弱点があるものが多く、ボス戦闘ではまず相手の弱点を探ることが重要となってきます。それに、状態異常系の魔法などもよく効きます。物理攻撃ばっかりやってくるボスに、暗闇状態にさせる魔法を使えば効いたりしますからね。
 音楽はほぼ自作らしく、どの曲も魅力的な出来となっています。おまけから判断するに、作者は相当な洋楽好きでいくつかの曲は洋楽からインスピレーションを受けているようです。
 ちなみに私のお気に入りの曲はというと、夜明けの玄関verの羊水の海、Mapleleaf Rag – Scott、暗い暗い思い出の淵、盗賊の巣窟など。フリーゲームなのにこんなに気に入ったものがあるとは・・・自分でも驚きです。 
 戦闘、音楽両方とも素晴らしいできですが、やはりこのゲームをここまで有名にさせたのは強烈に個性的なストーリーでしょう。
 最初はなぜ羊水の海なんていう所にいたのか分からなかったことから始まり、世界を進むにつれて自分を含めた全てが変化してゆく・・・
 後半になるにつれてストーリーが一見分からなくなってきます。ですのでこれから私なりに考察してみます。
 超ネタバレ注意
 夜明けの世界は物語中で言われていたように、人の記憶などが蓄積した虚構の世界です。多分。ですが現実に行かなくとも、現実と同じようにトト達はあの世界で愛や憎しみ、痛み、苦しみ、喜びなどの感情を味わうことができます。ではなぜ、トトは現実世界があることを信じてENDまでたどり着くことができたのでしょうか?
 アシカが旅をしてきたのは、現実からの逃避で、虚構の世界を旅をし続けること自体が目的でした。そして最後はまた最低の地に戻ることになりました。
 エリナーは、多分、何かをやり遂げるという行為を嫌うけれども、何かをし続けなければならないといった性分なのでしょう。ですから最後には永遠に続くような場所に行き、探求をし続けることにしたのでしょうね。まあ本人がそれを好きなので私が異議を唱えることなんて無駄なわけです。
 ではトトはどうなのでしょうか?トトは最後、どうなったのでしょうか?
 結論から言いますと、
 トトが夜明けの世界の終わりにたどり着いたこと、それはすなわちこのゲームのプレイヤーがゲームを終えることです。
 つまり、終わりの瞬間にトト=プレイヤーとなることによりトトは現実にたどり着いたというわけです。
 なぜそんな結論に行き着いたのかは、順を追って説明します。
 まず、あなたがこのゲームをプレイします。そうするとゲーム内のトトは存在するようになります。その後、あなたはゲーム内のトトを操作します。ですがまだこの時点ではトト=プレイヤーとはなりません。
 黒服の男はゲーム内で説明されていたように、トトの認識そのものです。つまり黒服の男が言った台詞は、トトの台詞でもあるのです。というかトトの深層意識であると言えるでしょう。トトが黒服の男に話しかけそれに黒服の男が答えるというのは、ただのトトの自問自答です。
 ですので黒服の男が言ったことをトトは全て理解できます。しかしプレイヤーの全ての方が全てを理解できるとは限りません。ですからまだトト=プレイヤーではないのです。
 じゃあ自分の深層意識を具現化できるトトは、この世界の神もしくは創造主なのではないかという考えにも行き着くかもしれませんが、多分それは違います。夜明けの世界は、作者が作った紛れも無い虚構の世界であり、トトのために作った世界でしょう。
 作者は、現実の世界へたどり着くことが目的というゲームを作成し、その中でプレイヤーに操作されるキャラクターをトトにしました。もしあの世界がトトの創作物ならトトが「現実世界に戻りたい!」と願えば即座に戻れるでしょう。
 
 トトの冒険には最初から最後までプレイヤーが操作することになります。そして冒険するにつれて、プレイヤーはこの世界を認識していきます。記憶していくと言ったほうが良いかもしれませんが。
 最後にこのゲームを終えたとき、トトはこのゲームの世界で人生(?)を終えます。トトというキャラクターは虚構の世界の作られた存在ですので、虚構の世界が終わればトトの存在目的は無くなり、消え去ります。しかし、トトが認識してきたあの世界はプレイヤーも一緒に認識してきたものなので、プレイヤーがトトの認識を最初から最後まで共有したということは、プレイヤーの記憶の中にトトの記憶が丸々入ったということにはならないでしょうか?
 トトがプレイヤーの記憶の中に入ることにより、トトはプレイヤーと同一化され、無事にプレイヤーと一緒に現実へ来ることができた、というのが私の考えた結論です。
 つまり、このゲーム内で言われた「現実」とは、紛れも無く言葉通りの現実を指しているのです。そうすれば夜明けの世界が口あるごとに、虚構であると言われてきた理由も分かります。
 ちなみにニコニコ動画で夜明けのエンディング動画を見たとき、最後に出てくる花がトトだ、というコメントがあり、それに賛同するコメントがありましたが、それは違うと思います。
 なぜなら花は考えることができないので、花の虚構の世界は一切存在しないからです。
 総括すると、夜明けの口笛吹きというゲームは、物語に必要な虚構と認識そのものに焦点を当てたゲームなのでしょう。


やりこみ記録
・チロルチョコ入手(全EDコンプリート)
・取れるだけのアイテム入手(敵が落とすしか入手方法が無いアイテムは全部入手してないかも。例;黒い盾)

フリーゲーム

Posted by YU