タオルケットをもう一度6 感想

タオルケットをもう一度6 悪魔と悪魔と悪夢と悪魔
 作 かなしみホッチキス
 タオルケットをもう一度シリーズの9作目となる、「タオルケットをもう一度6」の感想を書いていきます。6は4番目に発表された「裏」のリメイク版のようで、裏に少し改良を加えたもののようです。


 今回出てくる主要人物3人は、1,2,3には全く登場しなかった新キャラです。一応この次の作品の「4」にも少し登場しますが、本当に少しだけ。
 後、これまで出てきたあごちゅ博士の他に、「裏ぷっち」も登場します。裏ぷっちは今までのぷっちと違って、喋ることが出来、デザインも少しゴシック調になっています。
 システム面としては、基本的には標準的なツクール2000タイプ。しかし、それぞれのマップ上にキャラがおり、キャラとの会話やキャラ同士の会話がかなり多くなっています。(ちょっと多すぎるんじゃないか)
 今までのタオルシリーズ同様、ストーリーとキャラを楽しめば良いですね。
 では、ストーリー感想に移ります。6は元は「裏」という名前でしたが、やはり「裏」という言葉通り、これまでのタオルシリーズとは異なった設定・雰囲気があったように思えました。
1_20120312220121.png まず、ポンが悪役だったこと。これまでは魚帽子や宇宙人やロボットに虐げられてきたポンを、主人公たちが助けたり協力したりしていましたが、今回はポンに立ち向かうという話でした。
 3の敵役、魚帽子も少し登場しますが、3の裏側というような話ではなく、独立した話のように思えました。しかし、ある程度のキャラと設定に関しては共通点があり、「もしかしたら3で完全な悪役のように思えた魚帽子にも何かしらの事情があったんだろうか?」と少し疑問に思いましたよ。
 シリーズ共通キャラのあごちゅ博士ですが、彼女がどうして「ぷっち」を作ったのかの理由がわかりました。それは、「亡き母親を作ろうとしたから」
 ぷっちの外見はあごちゅ博士の母と全く同じでありますが、言葉遣いや精神までは完璧にすることは出来なかったようです。目指すものとは違ってしまった自分の製作物に対する思いってどんなものだろう?もしかしたら、母に似ないぷっちを「ゴミ」だとしてしまう可能性もあったんじゃないかと思います。しかしそれでも、あごちゅ博士はぷっちと一緒に暮らしています。ぷっちに辛くあたりながらも捨てずにおくのって、やっぱりそこにはどうしようも出来ない愛があったのかもしれません。
2_20120312220119.png さて、この作品で最もサイコパスなわらわぅについてです。彼女の狂気は序盤と終盤で特に顕著であり、この作品の根幹となるキャラだったと思います。
 同性のみんぽぅに対しては偏執的な性欲と独占欲を持っている、ガチレズのヤンデレ。小動物を虐殺する衝動にさいなまれており、しかもそんな自分をあまり抑え込もうともしないという、ね。
 彼女の狂気の原因は、幼い頃に受けた性的虐待と、「自分は母親の代わり」というアイデンティの喪失にあるようです。今は孤児院に住んでいますが、父親はどうしたんだろうか…?まあ、やったんだろうな…。
 ラストは何とも救いようの無いものでした…。ぽんが悪役でしたが、そんなもんどうでも良いわと思えるほど、わらわぅの狂気が恐ろしすぎる。地球が破壊されてもわらわぅの心にはほとんど変化の無いのもまたいろんな意味で恐ろしく、彼女にとって世界なんて「自分と相手」くらいしかなかったんだろうな…。
 他者の生死に対して何の感慨なども持っていなかったのは、それは逆に自分の生死に対しても何の執着も持っていないという裏返しなのではないだろうか?と私は推測しますが、どうでしょう。
 6はラストで「4に続く」という感じで終わりましたが、6(裏)の問題は4で回収されたっけ?巨視的に見れば回収されたように見えなくもないけど、う~ん…


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Posted by YU