ゆめにっき 感想

マジでキチガイじみてる


 ゆめにっきというフリーゲームの感想を書きます。
 おそらくゆめにっきは、フリーゲームに興味を持っている人はほとんどの人に知られていると思います。そしてそれから派生した二次創作物(主に絵)がネット上で大量に作られて公開されています。ここまで多くの人に影響を与えたのは、おそらくフリーゲームの中ではこのゲームが一番かもしれません。例えばこの非公式ゆめにっきというサイトでは、いろんな人が描いた絵が900枚近くもあります。
 ゆめにっきは夢の中を冒険するゲームです。しかしこれがまた奇妙で仕方が無いのなんの・・・
 「窓付き」と名前がついた少女の夢の中には、人が考えもつかないような、本当の夢でもこんなものたちは出てこないような、そんな人知を超えた奇妙なものが続々と出てきます。
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 それらを私が言葉に出して説明することは不可能です。実際にプレイして、その奇妙な夢を体験しなければゆめにっきの持つ不気味で奇妙で全くもって意味がわからない雰囲気を理解することは出来ないでしょう。
 そしてこの夢の中はかなり広大で、かなり多くの意味のわからないものが出てきます。プレイした当初ではそれらが際限なく出てきていると思われるでしょう。奇妙な世界を通っていくと、さらに奇妙な世界が待っている。プレイを続けていると、何がなんだかわからない、という感覚が薄れてきそうになる覚えがあります。
 そもそもこのゲームをプレイしていて、正常な精神を持ち続けることは可能なのでしょうか?
 数多くの無限回廊、広大で複雑で無限ループしている迷路、何の意味も無くただ存在している物体たち。そんな世界で正常な精神を養おうとするの絶対に無理です。この世界に流れている独特の狂気や悲哀やユーモアに触れることによって、このゲームをプレイしている人にもその感覚が流れ込んでしまうのではないか。
 だからこそゆめにっきは多くの人に影響を与え、数多くの二次創作物を残したのでしょう。こんなゲームはL.S.Dのほかに存在していないのですから。
ウボァ!! ゆめにっきは夢の中を冒険するゲーム、ですが、本来夢というのは現実の記憶を断片にして統合するために体感するのです。つまり、夢の中に出てくるものは全てその人が体験した記憶の範疇をでることは無いのです。
 ではゆめにっきはどうでしょう。このゲームには見たことも考えたことも無いものが次々に出てきます。異常です。窓付きのみる夢は。
 人が何か全く新しい何かを考え出すときは、何も理論的なことは考えずにただ色や形や性質を組み合わせて作るという、円や線や色で落書きを作るときと同じ手法をとるわけです。ということは、ゆめにっきの夢は窓付きの落書き帳かもしれません。しかしもし新しい奇妙なものを考え出したとしても、それがなんの意味も無ければさっさと忘れてしまうのが普通です。それなのに夢に出てくる。
 窓付きは自分の考え出した意味の無いものを記憶していったのかもしれません。それに一体何の理由があるかは想像もつきませんが、そのことによって彼女は狂気のあふれる世界を作っていったのでしょう。
 巷には「夢診断」なるものがあるので、軽くそれらのサイトを廻ってみました。しかし、結果はわかりきったことですが「ゆめにっき」を診断することは出来ませんでした。
おやすみなさい・・・ 全てのエフェクトを集め、そしてそれら全てを捨てて目覚めると、ベランダには外向きに台が置かれています。かなりぞっとする指定配置です。一体誰がこんなものを置いたのか。どうして窓付きが全てのエフェクトを捨てると台が現れるのか。
 台に上ると彼女はそこから飛び降りて死んでしまいます・・・
 一体、どうして彼女はそんなことをしたのでしょうか。そこに台があったから?そもそも最初から自分は死ぬ気でいた?夢の中の狂気によって現実の感覚を失ったから?
 理由は色々考えられますが、正解はわかりません。夢の中の複雑奇妙な世界は、同じく複雑で奇妙な人の心というものを表していたのかもしれません。それほどに人は理解しがたく、意味の無い存在なのでしょうか・・・
 このゲームはまだver0.1です。ということはこの先さらにグレードアップしたゆめにっきがでてくるかもしれません。もちろんそれがでてきたときは私はプレイします。私以外の多くの人もプレイするでしょう。
 このゲームには誰も共感することは出来ないかもしれませんが、このゲームが好きで好きでたまらない人が多くいます。人は誰でも内なる狂気を秘めていますが、そんな人たちにとってはこのゲームはその狂気を発露するのに最適な手段であるでしょう。そしてまた彼らは更なる狂気を蓄えていく・・・のかも。

フリーゲーム

Posted by YU