未来日記 総括

2020年5月14日

雑記
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未来日記 コミック 全12巻 完結セット (角川コミックス・エース) 未来日記 コミック 全12巻 完結セット (角川コミックス・エース)
(2011/10/08)
えすの サカエ

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総括

 
 この漫画は、『未来日記』というくせモノを利用した殺人ゲームであり、未来の情報とリアルタイムの情報を駆使して戦うバトル推理もの、ってのが最初の印象でした。ある特殊なアイテムを利用した殺人ってのは、やはり連載当初では『デスノート』を思い起こさせましたが、色々な面で異なる作品だったように思います。
 第一に、この漫画はテンポが重視されていたようでした。作者コメントにも確かそういうのがあったと思います。テンポが良いので決着が着くのは案外早かったり、各話間の引きが良かったりしますので、一気に読み進めていくことが出来ました。
 後、アクションもかなり重視されていましたね。そもそも未来日記は予知が出来るだけで、人を直接殺せるようなアイテムではありませんから、やはり殺すときは自分の力が頼りになっていくようでした。所有者を殺すには直接殺す以外に、日記を破壊するという選択肢もあるので、殺し方は様々だったと思います。大抵の場合は由乃が刃物で殺していましたが…。
 所有者たちはどれも個性のあるやつらばかりでしたが、やはりこの漫画で一番光っていたのは由乃でしょう。人を殺すのに躊躇が無く、身体能力と知能がほぼ最強で、そしてヤンデレ。敵にすると恐ろしいことこの上無いですが、味方にしても恐ろしすぎますよ…。でも彼女の存在はこの漫画に絶対に欠かすことは出来ず、そして彼女がいなければこの漫画の魅力自体も大きく減っていたことでしょう。それほど彼女は魅力がありましたね。
 言を述べると、情報を駆使した殺人ゲームなのに、決着がしょぼすぎることがあったことですね…。特に御目方教の6th戦。味方が大勢いたのに、ダーツ投げられて終了だなんてあっけなさすぎじゃないですか。
 刃物や銃器での殺し合いのシーンも多いですが、そういうシーンでは日記を見て相手の挙動を予知するという行動は、普通出来ないんじゃないかと思います。日記の内容と自分の脳を同期させるくらいしないと、息もつかせぬ殺し合いの途中で日記を利用することなんてできないんじゃないかと。
 未来日記の特質に関しても、ストーリーの関係上設定を無理やり改変したり作ったりしたのではないかというような印象を受けるシーンも結構ありました。序盤に設定のほぼ全てを具体例を挙げながら明らかにして、それからゲームを始めてほしかったと思いましたよ。未来日記は無限にある未来の一つを示し、その未来が気に入らないなら改変すればよいが、改変点以降の未来はどうなるかはわからない、とか。つまり秋瀬の最後の選択のようなことを序盤に示してもらい、その設定をもっと活かして欲しかった…。未来を改変すべきかすべきでないかの葛藤がもっとあればなあ。
 DEADENDが何度も覆るってのも、DEADEND表示が絶望的なものであるという設定を活かしてなかったと感じました。それを覆す要因が、2週目世界の異質的存在である1週目由乃の存在、とかなら納得ですが。
 終盤では1週目世界と2週目世界が存在することが明らかにされますが、この設定はかなり面白かったです。そんな展開全く予想だにしなかったけど、「神」という何でもありの存在が許されるなら、確かにありうるものでしたから、すんなり受け入れられました。そして、今まで謎が多かった由乃がラストボスとなる。ストーリーの大筋自体はかなり燃えるものであり、こういうどんでん返しは大好きです。
 そういう面白い要素が登場しましたが、やはりその要素に尽力されすぎて、終盤では未来日記がただの小道具レベルになってしまったのは少し残念。ですが、1週目由乃に迷いを生じさせたのが日記に書いた自分の言葉だった、という演出は最高ですね。最初に巡ってくるものがあるストーリーっていうのは、奥深さが感じられて良かったです。
 ラストは大団円ですが、やはりちょっと強引すぎる印象を受けました。ていうか世界滅亡を防ぐ方法なんて他にも色々あったんじゃないかと思いますし、ファンタジー成分がいくら何でも多すぎたような…。
 というわけで総括すると、細かいところやラストのラストには不満点も色々ありますが、テンポ良くてどんでん返しのある終盤、由乃の存在などが大きな魅力となっていた漫画だったと思います。漫画らしい漫画、だったかな。
 

漫画

Posted by YU