漫画版 ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編 感想

 漫画版の「ひぐらしのなく頃に」の感想を書いていきます。
 もはや説明不要な人気を誇る同人ゲーム、ひぐらしのなく頃に。その人気は爆発的なものでした。ただの同人ゲームから、漫画、アニメ、市販ゲーム、映画、そして多くのファンが作る数々の同人作品。
 しかし私は漫画版の「ひぐらし」しか持っていません。やはりひぐらしの世界を堪能するには、同人ゲームのひぐらしをプレイしたほうがいいのかなあと思いますが、現状では漫画版に大満足しているので買う予定は今のところはありません。
 漫画版はどの作者でも絵が大迫力で、狂気に満ちているのでパラパラっと読むだけでもそれなりに楽しめるものになっていると思います。


1巻
幸せな日常 ひぐらしのなく頃にの特徴と言えば、やはり序盤のほのぼのとして幸せそうな状況が一気に変化していくということでしょう。
 序盤では部活や雛見沢の美しい景色を通じて、都会で育った圭一の心が解きほぐれていくような感じで、かなりほほえましくて日常的ほのぼの萌え漫画のような印象を受けます。
 しかし中盤ごろからは雛見沢で起こった連続怪死事件を知ってしまうことにより、序盤の空気ほのぼのとした空気から少し怪しげな雰囲気が漂ってくるようになります。
 透明な水の中に黒い液体を入れることによりわずかに濁っていくような、そんな危うさと恐ろしさを感じてしまいます。
嘘だっ!! 以前に感じた不安は的中します。
 圭一の孤独感と懐疑心により、竜宮レナは豹変、「嘘だっ!」と超弩級大迫力で彼女は圭一に怒鳴ります。ここの「嘘だっ!」というシーンは原作でも有名なのですが、このシーンのためにカラーページにして鬼のような形相で描いた漫画のほうが迫力があるでしょう。そしてカラーページにしたということは、それほどこのシーンが重要な場面なのでしょう。
 このシーンから雰囲気は変ってきます。序盤ではほのぼのとして、その後はミステリー、そしてこれから先はホラーに、そうジャンル分けが出来るほどに「ひぐらし」の中の空気は澱んできてしまいます。
 
 2巻
あははははは 狂気は最早矯正不可能なまでに。
 ところどころ釈然といかないところもありますが、圭一はかなり身体的にも精神的にも追い詰められていきます。迫り来る恐怖、狂気、そして圭一の孤独感が上手く描かれています。漫画の作者は可愛らしい絵もよく描けているのに、迫力のある絵や、得体の知れない恐怖を描くことも出来ていて大変素晴らしいと思います。まあ、他のひぐらしの作者も同じなんですがね。
 左のコマは圭一がレナに追われるところ。まさにこのシーンで狂気が爆発した感じを受けます。このシーンまでは徐々に追い詰められていく、という感じだったのでこのような状況が起こるのは予想できたと思いますがやはりそれでも、絵の恐ろしさもあってか、かなり驚きました。
 
最期 この物語の事件の「犯人」については、よくこう書かれています。
「人か、祟りか、偶然か――」
 この物語を体験した方は、まず人間の犯人を探そうとするでしょう。しかし考えていけばいくほどに、どこか辻褄が合わなくなってきます。薬物なんて検出されなかったのに、首を掻き毟って死んだ、富竹と圭一。彼らの異常な死に方を見ると、本当は人間だけの仕業じゃないのかと、思わず逃げ腰になってしまいます。
 この物語の中には、かなり多くの伏線や謎が残っています。それらは「ひぐらしのなく頃に解」で解き明かされることになるのでしょうが、本当に納得のいくことができるのか。楽しみです。
鬼隠し編 
綿流し編
祟殺し編
暇潰し編
鬼曝し編
罪滅し編
目明し編
皆殺し編
祭囃し編
賽殺し編

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Posted by YU