神々の呪文 感想

雑記
 電車の中でチャラい男が「ニコニコ動画おもしれーwww俺やっぱニコ厨だわwww」なんてことを言っていたのを聞いた。
 最近のやつらは公共の場で話すべきことの選別を誤っているように思える。そういう話題は少人数でこそこそ話せと思う。個人的に。


オープニング
 「神々の呪文」というのはエジプト大好きな作者さんが作った、エジプトRPGです。もちろんフリーゲームです。これはエジプト三部作のうちの最初のゲームとなります。
 戦闘はRPGツクールのデフォルト戦闘ですので別に言及することは無いのですが、このゲームの魅力はなんと言っても作者さんのエジプトに対する愛とそれによって作られたストーリー!
 このゲームの特徴とは、古代エジプトの人々がどのように生活し、どのような考えで生きてきたかを綿密に描写できているところでしょう。おかげでエジプトについて少し勉強になったし、興味を持ちました。
 古代エジプトの宗教というのは、このゲームから判断するに、日本に似ているところがそれなりにあります。いろんなものに神が宿る多神教ですし、神にも人間的なものがあったり、命はめぐり続けるという輪廻転生に近い思想などがあります。
 ですから、日本人がこのゲームをやればエジプトの宗教について大いに共感できるでしょう。それゆえにこのようなゲームが日本で作られたのかもしれませんね。
神の住まう地
 ストーリーを進めるとしょっちゅう町の人々の台詞が変わります。面倒くさいですけど全部聞いたほうがいいと思います。なぜならそこで話されることが、とても考えさせられたり古代エジプトの人々の思想などが良く理解できるからです。
 そしてストーリーが進み時が過ぎてゆくと、町の状況も少しだけ変わります。いた人がいなくなったり、新しい人が増えたりします。まさに本当の町の姿を映していると思いませんか?同じ町に住んでいても出会いもあれば別れもあって、町はずっと同じ姿と思いきや少しずつ少しずつ変わっていく様子・・・ただそれだけなのに、感動があります。
 ゲームを始めた当初は、パピルスの収穫時期で市場もにぎわっていましたが、物語が進むと、パピルスの収穫時期は過ぎ去り、市場にいた商人は帰っていきます。少しだけ寂しい感じがしますが、そのような人間的で不思議な感情をひきだすのがとても上手だと思います。
パピルス工場
 主人公は見習い書記なのでストーリー上には言葉が関わるものがたくさんあります。私たちは何気なく言葉を使っていますが、このゲームをすると言葉そのものの重要性、神秘性に気づくことができるでしょう。言葉はただ使うのでは意味を成さず、理解した上で使うのであれば、言葉を自在に操り言葉自体が持つ力を使うことができるのです。このゲーム内では。
 もちろん私たちが言葉を操っても魔法は使えませんが、やはりこの現代社会でも言葉というのは絶大な力を持っています。言葉しだいで人を死に追いやったり、喜ばせることができるというのは一種の魔法のように思えませんか?
 エジプトは文字が発達した土地であるので、文字についての考えもエジプト宗教の一端を担っているのだと思います。
 
 人生について考えさせることは多々ありますが、それが不思議な感じを生み出すこのゲーム。
 やり終えた後は、ほんわかとした感動が心に残ると思います。


やりこみ記録
・exダンジョンクリア
・全アイテム入手

フリーゲーム

Posted by YU