CARRIONの感想――こんななりしてユーザーフレンドリーなグチョグチョゲーム

2020年にポーランドのPhobia Studioによって開発されたアクションアドベンチャーゲーム、「CARRION(キャリオン)」をクリアしたので感想を書きます。

映画にせよゲームにせよ、人間が異形の生物に襲われるが倒すストーリーが普通ですが、今作は怪物側となって人間を蹂躙するという設定。
メトロイドヴァニアですが、アクションも能力も独特。
雰囲気的にも操作キャラ的にもとっつきにくいかと思いきや、ゲームデザインは非常に丁寧で、実はアクション初心者向けの良ゲーでした。

ちなみに、CARRIONの意味は、「腐肉」「死肉」。

やりこみ記録

・全実績制覇
・Greatest Time of Yearをクリア

実績制覇は、ゲームクリアと、ストーリーを進めるにつれて会得する能力を使って序盤のステージを巡ると点在する能力向上ポッドを取得していくと出来ます。
タイムアタックとか制限プレイが必要になるとかはないので、非常に簡単。
この辺りも初心者向けですね。

Greatest Time of Yearは無料でプレイできるダウンロードコンテンツのようで、このゲームをダウンロードする時には既に入っている模様。
本編より多少難しくなっていますが、全ての能力と強化が既に会得しているので、操作が慣れた本編クリア後ではさほど難しくもなかったです。
兵士が集まっていても、大形態で硬化しながらの突撃を繰り返していればいつの間にか勝利していました。

感想

人間からかけ離れた姿の化け物となって、惨たらしく人間を殺していく。
非常にダークでグロテスクなストーリーです。
一体この化け物が何なのかの詳しい説明はありません。
書かれた文字(ゲーム性に関するヒント)以外の言語もほぼ無し。
しかし、それを示唆する断片的な記憶はありますが。

当初は人間が実験によって姿を変えられてしまった、と思っていたのですが記憶を見ていると違うっぽい。
イトミミズの変異型か、その妙なものをイトミミズらしきものと呼んだか。
何が先にせよ後にせよ、管理不十分で人間界に化け物が放たれてしまったバイオハザードなのは間違いないでしょうか。


こういうアクションゲームは最後にボスがいるのが基本ですが、いなかったのはちょっと拍子抜けでしたね。
実質ラストステージはそれなりに難しいからまあ良いんですが。
最後の最後は強大な怪物らしく、無抵抗な人間たちを蹂躙しながら地上へ駆けていくステージ構成は良いですね~。
人間的にはバッドなエンディングも、プレイヤーの背中をゾワリとさせて、やられた感じですわ。
「管理人……管理人……」「おい!また何もないが収容違反しているぞ!」

普通の人間に対しては通りすがりの一瞬で何人も殺して食べることが出来るほど強いですが、銃火器には非常に弱い!
HPゲージはあるものの、攻撃を受けた後の無敵時間が無いに等しいので、連射されると一瞬でお陀仏。
兵士に対しては基本的に不意打ち以外で勝つのは結構難しいという。

というわけで不意打ちばっかりするのですが、自分で操作していながら「酷えなあ!」と思ってしまうのが面白いw
ダクトに潜んで、別の方を向いた一瞬に出てきて蹴散らす。
こっそりと触手を伸ばして体を乗っ取り、別の人間を不意打ちで殺して。
爆弾系トラップで人間たちを粉々にしたり。
水中に引き込んでゆっくりと食事したりして……。
怪物系映画やゲームのお約束みたいな演出でしょうが、まさかプレイヤーが自分で考えた結果そんな行動とるなんて、
という怪物への共感みたいなものも生まれてしまって、「俺は、人間で良いのか……?」と疑問を持ってしまうほどw


怪物側を主人公にしたゲームとして非常にユニークな設定で、しかもゲームデザインも丁寧。
真っ当に良作でした。

市販ゲーム

Posted by YU