街角花だより 感想

街角花だより   作 こうの史代
 双葉社発行の、こうの史代さんのデビュー作や初期の短編が載っている単行本、「街角花だより」の感想を書きます。
 表題作の街角花だよりは、舞台となる花屋の店長が『日和』のものと『明石』のものがありますが、後者が古く、こうの史代さんのデビュー作のようです。

街角花だより (アクションコミックス) 街角花だより (アクションコミックス)
(2007/03/12)
こうの 史代

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 この単行本に載っているのは、街角花だより(日和版)、俺様!、願いのすべて、街角花だより(明石版)です。街角花だよりは1編6ページほどです。
 俺様!は俺様という名前のひ弱そうな本屋の店員が主人公です。ほのぼの小事件ですが、俺様なんていう名前が妙に違和感を感じさせて、変ですww
 願いのすべては飼い犬の人間になりたいという願いがかなって、飼い主と触れ合うような話です。これもやはりほんわかコメディですね。でもこのタイプのお話って個人的によく見ることあるんだよなあ、どこだっけ?ああそうだ、エロまんg
IMGP4638.jpg 街角花だよりは、両版ともに、会社をクビになった女性がある花屋にアルバイトとして働くお話です。作者のあとがきによると、「わたしの理想と挫折が詰まっている。恋する余り、肩に力が入りまくって空回りしてしまうのだ」そうです。
 2度もこの作品が描かれたあたり、こうのさんは花屋を題材としたほんわかコメディ漫画をものすごく描きたいのでしょう。が、描きたすぎるからこそその理想にかなうほど上手くは描けなかったのでしょうね。読者の私から見れば、普通に良い漫画でしたが。
 ちなみに店長とアルバイトのりんさんは、結構百合百合してます。いやそんなにあからさまに描いているわけではなくて、生々しさもないので、この二人の関係はまるで百合のように美しいですね!少し欲を言えば、店長の正体をもっと描いて欲しかったかな。
 この単行本には特にシリアスな物語はなく、緩いコメディ調ばかりなので安心してまったりほんわか読んでいけます。最近のこうのさんの作品同様、オチもちゃんとつけられているので、まったりだけが魅力ではない、良作でしたよ。

漫画

Posted by YU