白鳥山、大峠 登山

 2009年11月7~9日にかけて、奥三河の山を7つ登ってきました。
 もう秋が深まってきて寒くなってきたので、もうこれ以降の季節では百名山レベルの山が登れなくなってきます。ですのでまた「分県登山 愛知県の山」に沿って山を登っていくことにします。
 愛知県の中でも冬になると雪が積もるらしい地方があり、それは愛知県北東の方面にある奥三河地方です。愛知県の山にもあるようにここには山が集まっており、登山を愛する愛知県民達の憩いの場所となっているでしょう。どの山も標高1000m前後ですが、登山口からの標高差自体はあまり無い山がほとんどのハイキングレベルの山ばかりです。ですので一日に何座ものピークを踏むということができて、一気にいろんな山を楽しむことが出来ます。
 今回の登山では、土日月曜日で休みが取れたのでバイクにキャンプ道具積んで2泊3日の野宿も体験しました。やっぱりいったん家に帰ってまた奥三河にやってくるのは面倒くさいし、どこかの旅館や民宿に泊まるのは金かかるし…というわけで野宿に決定です。今まで何度も野宿はやったことあるのでもう何の心配もありませんでした。
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2日目 古町高山、碁盤石山、岩伏山
3日目 寧比曽岳、黍生


1日目
 白鳥山
siratoriyama.jpg登山口
 名古屋市から東に向かって白鳥山登山口へ。途中の道の駅「どんぐりの湯」ではかなり人が多かったです。ライダーもかなりいました。白鳥山近くの道は、山と山に挟まれた牧歌的な雰囲気の村があってかなり居心地が良いです。天気も最高だったしね。
振り返れば白鳥山頂
 白鳥山はガイドブックによると1時間40分で上り下り出来る、かなり簡単な山です。北アルプスで足を痛めた私にとっては、いいリハビリの場所です。「少し危険な箇所がある」と書いてありますが、私にとっては正直どこが危険なのかわからないほどでした。
 駐車場は、最も麓の鳥居の近くと少し車道を登っていったところにある花祭り舞台近くにあります。祭りのときならまだしも、登山で駐車場が一杯になることはおそらく無いので駐車場の心配はまず無いでしょう。登山口は赤い橋です。ここから少し階段を登っていくと神社があり、その脇から登山道が始まります。
 人はかなり少なそうですが登山道は結構整備されており歩きやすいです。里山ハイキングとして気楽な登山を楽しめるでしょう。少し歩くとすぐに稜線に出て木々の間から麓にある集落や稲刈りが終わった田んぼを見ることが出来ます。
 もう11月ですので紅葉も綺麗に見ることが出来ました。足助の香嵐渓と違って人が少ないので、この美しい風景を独り占めできてかなり気持ちが良いです。白鳥山は基本人がいなくて街の喧騒も聞こえてこないので、もう秋になって虫がほとんどいないこともあってかものすごく静かな登山を楽しめました。
愛知の高原水場というより…
白鳥山山頂(968m)は主に北の方角に視界が開けた、居心地の良い場所です。何と言うか、百名山レベルの山の山頂のような刺激的で興奮するような景色ではなく、どことなく自分の故郷にいるような安らぎがあるような景色でした。愛知県で最も高い茶臼山はそれだとわかることが出来ましたが、その他の山に関しては同じような高さの山が大量にあるので同定は出来ませんでした。これが山奥だと言うのに、「愛知の高原」だと言われる所以でしょうか。
 白鳥山西側から登って、東側から降ります。東側が危険な場所だと書かれていましたが、林業に使う林道が多いだけのように感じました。確かに道が多くて少し不安になりそうになりますが、低い山ですので基本的に下に下っていけば大丈夫です。一応ガイドブックに「水場あり」と書いてありましたが、飲まないほうが良いでしょう。沢の水路が赤茶けた色に染まっているので、鉄分やらいろんなものが混ざっていそうですから。
 これで白鳥山登頂完了。実山行時間は、1時間10分でした。足は全く痛くならなかったので、北アルプス登ってずっと痛かった足は完治したのかな?
 次は白鳥山に対峙するように存在する大峠へれっつごー。
 大峠
ootouge.jpg
大峠登山口
 大峠は、馬車も通るような広い生活道を見守ってきた山です。大峠頂上に行くまでには、実際に峠越えのために使われていた道を通っていきます。過去に思いを馳せながら…人々の生活を想像しながら登っていくのが楽しいかもしれません。
 大峠はあまり有名な山ではありませんが、愛知県の登山クラブみたいなところがきちんと道と頂上と登山口を設置してくれています。しかし登山口のすぐ近くに駐車場はなく、少しだけ離れた墓に車を置かなければなりません。それにその墓のある林道の行き方については看板などは一切無いので、ガイドブックをちゃんと読んでおかなければなりません。
 ガイドブックにある行き方によると、白鳥神社を西側から通り過ぎたすぐ後に右折し、川を渡ってT字路を左折し、直進していくと右の方向に奥に墓が見える道があるのでそこに入り、墓に駐車してから林道を少し歩いていくと「大峠登山口」の看板が見えてきます。
 墓に駐車して準備していると、1車線しかない林道をレーシングカーが次から次へと走っていました。北海道ナンバーもあったし、痛車もあったりと、一体何なんだ!?知っている人がいるのなら、出来れば教えてほしい…。何かのオフ会?それとも林道レースみたいなもの?
過去の道を歩く麓の町並み
 真弓峠までの道は、九十九折の少し広い道が続きます。昔はこの道も峠越えで栄えたのでしょうが、今はもうほとんど人が通っていないように感じるほど荒れているように思えました。登山道にしては普通なのですが、生活道にしては荒れています。くもの巣が多かったり藪が道を侵食して狭くなっていたりしていました。
 しかしそれでも端々には栄えた道としての名残が見えます。道がU字に削れていたり道祖神があったり。
 真弓峠から登山道っぽくなります。まずは電力会社の鉄塔を目指して登っていきます。鉄塔にたどり着くと、この山で最もいい景色が見えます。逆に言えばここ以外は木々に覆いかぶされて景色を見ることが出来ません…。
 鉄塔からは麓の津具の町並みが見えます。これぞ田舎!という感じでこの景色は好きです。自分の故郷もあまり家はありませんが、山の方ではなく海の近くですからこういう田舎は新鮮です。
植生のコントラスト大峠山頂
 また登っていくと稜線上に乗ったせいか、傾斜は緩やかになって木々の間から太陽の光が差し込んできます。登山時では右に針葉樹林(植林?)、左に照葉樹林が見えます。針葉樹林側は北側で照葉樹林側は南側となっているので、太陽の向きを考えるとこの植生は正しいのですが、ここまではっきりしているのは面白いです。
 稜線上ではこのような植生のコントラストがひたすら続きます。傾斜も緩やかですので、この不思議な風景を楽しみながら稜線散歩が出来るでしょう。
 大峠山頂(953,7m)は、残念ながら展望は開けていませんが、登る人はおそらく皆無なので風の音しか聞こえない静寂を楽しむことが出来るでしょう。この寂しい感じが最高にたまらん。ダウナー系のヤクをやっている感じだぜ。多分。
 下山時に稜線上を歩いていると、美しく紅葉している木に気づきました。やっぱりもう秋だなあ、どこの山肌を見ても赤色や黄色に染まって綺麗です。紅葉の名所行って人ごみに紛れてみるよりやっぱり静かに一人で山登りながら見るのがいいに決まってる。
山上の紅葉 次は古町高山を目指し登山口まで行きましたが、登山口のすぐそばで工事をやっていたのでかなり行きづらかったです。なのでこの山を登るのは次の日にしました。時間も微妙だったし。
 今日は野宿、というわけで古町高山のすぐそばを通っている広い道の脇に良い感じの平らで広い場所があったのでそこにテント張りました。交通量はそれなりにありましたが、国道よりはかなり少ないので余裕で耐えられます。北海道ツーリングのときの雄冬のキャンプ場に比べりゃ屁でもない。
二日目
三日目

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(2002/08)
横山 良哲

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登山

Posted by YU