エルフェンリート 総括
キャノン先生とばしすぎを買った。
燃え泣きした。
いつかそっち系の漫画の感想も書いてやるんだから!
エルフェンリートの総括です。
この漫画は確かに萌えやSFやグロなどの面が第一印象に残りますが、やはり一番の魅力は伏線で絡みまくったシナリオでしょう。
読めば読むほど新たな伏線が出てきてそしてそれが解消されていく快感、全てが明らかになったときのなんともいえぬ切ない気持ち。それらが読者の心に見事に響いて、あの最終話のすばらしい感動が生まれたのではないでしょうか。
コウタと楓は何年も前に出会い、そのときにはお互いに衝撃的なことが起こって以降は会うことが出来なかった。だけど、何年も経った後にお互いがお互いのことを忘れて再会し、以前のように信頼関係を築いていった。
しかし運命は非情であり、彼らの元には多くの災いがやってくる。彼らはそれでも離れ離れになろうとはせずにいたが、その最中に記憶が蘇る。コウタは楓を恨んでいたことを。
楓は記憶が蘇ったコウタに謝る。彼女がずっと前からコウタに言いたかったことを。彼女は最後に命を懸けてコウタを救い、そして幼少の頃にコウタに頼んだ約束を果たしてもらい、彼女は息絶える。
楓は生まれてからずっと人間から迫害を受けてきました。角があるから様々な嫌がらせを受けてきました。そんなときに角がある自分を初めて人間らしく扱ってくれたのが、コウタなのです。彼女は彼を愛した、けれども運命は彼らを結ぶことをしませんでした。
楓の願いは、コウタに抱っこされたかっただけ。それなのに彼女は全人類を巻き込んでしまった。ほんのちょっとした願いを叶えることなく。
そんな彼女が最後にコウタに言ったのは、生まれ変わっていい子になったらコウタに会いに行くということ。それほど彼女の愛するたった一つのものはコウタであり、そして今の自分にはそんな資格はないと悟っていたのかもしれません。生まれ変わるなんていう、絶対そんなことはできないとわかっていることにでも望みをかけるほどに、楓の幸せの全てはコウタと一緒にいることであったのでしょう。
運命は彼らを引き離した。だけど彼らを再度出会わせたのも運命なのかもしれません。
コウタは、楓が待っているという場所に毎年出かけます。彼女はもう死んだと分かっているのに、彼は何年も待ち続けます。
そして何年か経った後に、コウタは楓の告白の手紙を見つけます。よくよく考えてみると、コウタはこれまでずっと楓に「好きだ」と言われることはありませんでした。だからこそコウタはあんなにも感動したのでしょう。初めて彼女の思いを知ったのですから。
そしてコウタは生まれ変わったカエデたちに出会います。おそらく一人は楓、そしてもう一人はにゅうの生まれ変わりだったのでしょう。
楓はコウタと結ばれることはありませんでしたが、いい子になって生まれ変わるという願いは叶えられました。これまで運命に翻弄されてきた彼女の幸せは、これからのことでしょう。
この物語は包括すると、人の愛を描いた物語だったのだと思います。差別というのは愛の無さから生まれるもの。そして人にもっと愛があれば、楓は角を持っていても幸せに暮らしたことでしょう。
全人類を巻き込んだ事件から、二人の男女の愛に集約したというこの美しくてはかない物語を描いた岡本倫先生に、私にこの物語に出会わせてくれたことを感謝します。
1~3巻 感想
4~6巻 感想
7~9巻 感想
10~12巻 感想