ひぐらしのなく頃に 宵越し編
雑記
最近このブログに「クロノクロス 考察」でやってきてくださる人が多いです。
すごいですね。未だにこんなにこのゲームに人気があるとは…
驚きですが、ゲームの出来を考えたら納得します。
ひぐらしのなく頃に 宵越し編
1巻
宵越し編の初出は漫画らしく、その後ゲームなどに入れられていたりします。ですので漫画版こそがオリジナルだ、と言えます。
作画担当はみもりさん。原作はもちろん竜騎士07です。
宵越し編は普通のひぐらしとは異なり、いつものメンバーはほとんど出番は無く、時代設定も雛見沢が滅んでから数十年後となっています。ですのでいつものような雰囲気はほとんど無く、幸せな光景が一気に惨劇へと変ってしまうストーリー進行もありません。
ストーリーは雛見沢にやってきた少年、記者、カップル、そして住人であった園崎魅音の5(4)人が一つの建物に集うところが主となっています。雨が降りしきる中、知り合いでもない人が一つ屋根の下で不気味な時間を過ごす…それは竜騎士さんが言っているように芥川龍之介が書いた「羅生門」のようなものとなっています。…正直羅生門は下人と婆さんの話しか知りませんが。
4人は雛見沢について話をしたり、自己紹介をしたりして夜明けまで時間を潰しています。そんな中起こった殺人事件、それはまるでよくあるミステリーのような進行です。「冬の山小屋殺人事件!」とか「無人島殺人事件!」みたいな、閉ざされた状況と限られた人間の中での殺人事件は恐怖と好奇心でゾクゾクします。
これまでとは全く違う「ひぐらし」の恐怖。ですがこれは従来のミステリーに良くある恐怖でありますが、今さらそのようなものを味わうのはかえって新鮮に感じます。
2巻
1巻にあった殺人事件はかなりあっさりと解決してしまいます。
そんな中で不可解な出来事が次々と起こってきます。それは死者からの声を聞くということです。借金を苦に自殺をしようとした少年が一緒に死のうとした人間からの声を聞き、そして殺した人間が殺された人間の声を聞く。それはかなり非現実的ですが、それが起こったのが死者の村である雛見沢であることを考えると、少しそんなことも起こったのも不思議でないという風な感じも受けてしまいます。
次に起こるのは魅音への刺客がやってくるという危機的状況。しかし魅音は華麗で圧倒的な力を見せ付けて黒服たちを切り伏せていきます。ようやく魅音がこんなところにやってきた理由が分かります。
その理由とは、一族を率いる証ともなる振鈴を見つけ出すこと。そのために魅音は危険を承知で村にやってきたということでした。
敵に騙されながら、そして知り合った人々に助けられながらようやく魅音は振鈴を手にすることが出来ました。しかしここでまたもや不可解な出来事が。
気を失った魅音が気が付いたとき、彼女は魅音の双子の妹である詩音になっていました。魅音が詩音に振鈴の在り処を知らせるために憑依していた、ということで一件落着になりました。
妹を残して死んだ姉の最後のケジメと言いましょうか、それともこれが最後の別れと言いましょうか。おそらくこの事件が始まる前は姉のことを引きずっていた詩音が、このときをきっかけにもっと未来志向な生き方が出来るようになったように思えます。
ひぐらしの作品全てを知っているわけではありませんが、おそらくこの宵越し編が最も時代が後の作品だと思います。最後に残ったものの後始末のような、この物語を読み終えた後はそんな感じがしました。
多くの人が死に、惨劇はとっくに終わった前提でのこのストーリーは、何か清々しさも感じて気持ちが良かったです。幸せの意味での清々しさではなく、全てが終わったような切なさという意味で。
ひぐらしのなく頃に 宵越し編 1 (ガンガンコミックス) (2007/01/27) 竜騎士07 |