ペルソナ4ゴールデンの感想――ボリュームたっぷりのスタイリッシュ学園RPG!

2008年にアトラスから発売されたペルソナ4、をリメイクした「ペルソナ4ゴールデン(P4G)」をクリアしたので感想を書きます。
プレイしたのは、2020年にSteamで発売されたもの。

プレイ時間は約140時間、ボリュームのあるRPGでした。

やりこみ記録

全実績制覇

2周しましたが、全実績制覇のためにはどうしても2周はしないといけません。
1周目は何も見ず、2周目は攻略サイト見ながら。という定番のプレイ。
初日から全パラメータMAXを前提にした攻略チャートも組まれていますから、ネット上でそれを見ながらやると全ての実績は取れていくはずです。

 

ただし、『熱心なリセファン』はやはり大変でした。
キャラを付け替えながら、各状態異常に陥りながら。
これも攻略情報がネット上で周知されています。

 

実は一番最後に取った実績が、この『鼻も筆の誤り』
2体の合体で1/64、3体の合体で1/32の確率で発生するようですが、ペルソナ辞典を100%にした段階でも取れず。
その後3,40回ほど3体合体を繰り返してようやく事故発生。

 

RPGでお馴染み、隠しボス撃破実績の『力を示せし者』
敵の行動パターンは分かりやすいものなので、対策は取りやすかったです。

・金が有り余っているなら、全体回復の「マカの葉」と蘇生薬を買っておく。
・主人公のペルソナは弱点克服スキルを持つもの。
・チャージ→八艘飛びが来るターンは主人公と完二で生き延びるか、直斗の正義の盾で防ぐか。
↑正直これだけ気を付ければ大丈夫なレベルか。
コツは細々とありますが、どうとでも勝てる!はず。

 

2周目はイベントをスキップすること多かったですが、それでもプレイ時間は長いものとなりました。
早送りではなくて、選択肢以外完全スキップもあっても良かったのよ?
ボス再戦時とかも長いイベントはだるいし。

 

OPと戦闘曲の雰囲気は抜きん出ている

スタイリッシュなRPG、という前評判もあってか、OPのアニメがすっげえvivid(鮮烈)。

色使いも小物もかなり良くて、予算の多い深夜アニメとかの凝ったOP・EDレベルですよ。
ゲームでこんなの見るのは非常に珍しい。
ゲームをダウンロードして初めてプレイしたときの第一印象と言ったら!
全クリ後でも見返したりしてましたよ。

これもゲーム業界に衝撃を与えたことでしょうが、通常戦闘曲にボーカル有り。
特にReach Out to the Truthは名曲で、ラスボス戦にも流れたのは最高だったぜ……
通常戦闘曲が一番よく聞く曲なんだから、普通に考えると一番拘るべき曲だよね。
そういう、プレイヤーの潜んだ需要を拾うのは凄く良いと思う。

(後で調べたら、ペルソナ3の時点でがっつりボーカルあったらしい。スタイリッシュだあ~)

 

戦闘・ダンジョンについて

ペルソナシリーズをプレイしたのは初めてなので、システムや技がどれも新鮮なのが良かったです。
どのペルソナもシステムはかなり似通っているらしいですが……!

基本的なターン制バトル、弱点を調べて突くのがメイン、能力アップ&ダウンは全ての敵に効く、のが特徴?
一度攻撃した敵の耐性や弱点が記録されていくのは、ユーザビリティ良いですね。最近のゲームのええところよ。

初見プレイで分かったコツは以下。

  • 全ての敵に効くタルンダ(攻撃力低下)とマハラクカジャ(全味方の防御力アップ)があれば、一撃で倒されることはない。
  • レベルが上がりやすいので、敵が倒せないならレベル上げすること。
  • 最終的にチャージ、コンセントレイト後の最強技ばかり使っていくので、味方のペルソナのスキルもそれを目指して取捨選択していくこと。

戦闘の迫力とかは非常にシンプル。
最強技のメギドラオンとか明けの明星とかでも長いエフェクトはなく、テンポ重視かな?
技使う時には毎回ペルソナが出てきますが、某召喚獣と違ってあっさりしてテンポは悪くなく。

205種類いるペルソナにはどれもCGがあり、それぞれに主人公の呼び声もあるのはなかなか凝ってますね。
まあペルソナ呼ぶ時の声で一番印象に残ったのは、陽介なんですけどね。
「ペルソナァ!!」

 

ダンジョンの数はあまり多くなく、どれも自動生成のシンプルなもの。
最初は良いけど、段々、飽きても来るような……
(自分は天国辺りで)

通常設定だと全滅しても階を跨げばリスポーン地点が更新されてはいきますが、セーブはされていません。
中断セーブもありますが、出来ればオートセーブしてくれたほうが嬉しかったかな。
全滅だけでなくて、PCゲームはクラッシュの危険もあるからさ……
結局、140時間のプレイで一度もクラッシュしませんでしたが。スゴイ!

 

1周目はNORMALの難易度でプレイしましたが、前半は苦戦しました。
最初の雪子城でも結構大変でしたしね。
火炎耐性のあるペルソナ育てて、ボス戦前にはSP回復のために帰宅して、ようやくボス撃破。

一番きつかったのは、ミツオです。
あいつ長すぎだよ。
レベルが足りないと攻撃力が足りず、何度も殻が復活して消耗してジリ貧になっちゃう!
順当にレベル上げしたら攻撃力も耐久力も上がって普通に倒せましたけれど!

ミツオ以降はだんだん味方側がインフレしてきて雑魚戦でもボス戦でも苦戦することはかなり減りました。
どの雑魚戦でも食いしばりが使えるようになること、リセが頻繁にしてくれる応援によって、妙に楽になりました。
ミツオ後の直斗戦は拍子抜けレベルだったぜ!

 

ストーリーと日常シーンについて

全体的には、通常のテレビアニメみたいな進行だったと思います。(攻殻機動隊やLainみたいな特殊なアニメは除く)
どのキャラもセリフが多く、本音を伝え合い、冗談を言い合い、絆を大事にする、というね。
挟まれるアニメも多く、展開とかもテレビアニメを意識しているような気がします。
(はい、おじさんがプレイするとエログロやいびつさが少なくて物足りない)

OPアニメは非常にスタイリッシュですが、メインストーリーとか学園シーン自体はスタイリッシュさはあまり感じられなかったかな?
高校生らしい、ノリと思いつきで気軽に色んな事をやっていく。
日本の高校生の1年を描写しているから日本人にはお約束だけど、海外の人には新鮮だから受けているらしい。ほへ~
シャッターで閉まった商店街とか、大手チェーンといがみ合っているところとか、リアルだけどちょっと心苦しいところもあるかなw

 

事件の真相を暴くべく少しずつその推理の材料が出てくるのは、定番だけど良い進行です。
ただ、2周目に真犯人の言動を注視しても、上手く伏線がばら撒かれているというと、う~ん、微妙だったかな?
1周目は消去法で当てたけどさあ。もっと日常会話に違和感を持たせるようなものがあるとより良かった?
そう言えばあの人、腐女子に妙に人気あるらしい。(何で?)

最終的にはイザナギとイザナミが登場しますが、名前だけ使っているだけで神話をモチーフにしているわけではないよう。
マリーが櫛を持っているところとかは「おっ!?」と思ったんだけどな。
もうちょいしっかりと神話を交えてくれたほうが、ストーリーに深みが出て良かったと思うかな。
おいイザナミ、イザナギとはもっと色々愛憎あっただろ!?

 

メインキャラについては非常に多く描写されていますから、否が応でも情は移る。
クソオタクのわしにはやはり釘宮りせが刺さる!
釘宮声のアイドルが好感度MAXやん!?なすすべもないでしょ!?🤓

……実はクマのノリは苦手な方だったけどね。
陽介は気軽な親友感があって良かったんだけど、クマのシーンは飛ばし気味だった、よ。

ゲームとしては正しいんだけど、親密度がMAXになったら急に昼にも夜にも付き合わなくなるって、酷ない!?と思いましたw
1周目は無事に千枝ちゃんと恋人になったのですが、プレゼントをもらって以降は他の女のケツばかり追っている!
おい番長、何やってんだよ、恋人の千枝ちゃんをほったらかして良いのかよ!
……全部、お前がやっているのだ

 

テレビ番組にユング心理学の講座があったので実績制覇後に全部見ましたが、思いのほかしっかりとペルソナやシャドウを調べているんだなと思いました。
ペルソナシリーズだけでなくメガテンシリーズも初めてでしたが、人間の集合無意識と神話の関係から、各種神々や精霊を使役して戦っていくシステムとしたってこと?
神話のごった煮で共通性が無いように見えて、実は集合無意識の「元型」の点で共通しているってこと?

無意識の大海の上にポツンと氷山の一角のように浮かぶものが「意識」であり、無意識が大きく影響している。
ペルソナ(仮面、personalityの語源)を使って社会と関わり、それが表出する自分となる。
しかし仮面は仮面、自我の全てではないし、ましてや無意識を含む自己の全てではまるでない。
完全無欠の1個の自分が存在することを諦め、様々な自分と向き合っていく、のがユング心理学だそうです。
そう考えると確かにメインストーリーは、そういうのを表現しようとしていますね。

まあでも、やっぱり今作の魅力はユング心理学より地方の高校生活だったような気がします。
どの人物の悩みもすっきりとしたようでよかよか。
悩みの種となる現象自体が無くなったわけではないのがポイントね、大事なのは受け入れるってことで。

何もなさそうな街が嫌いだった人々も、「何だかんだ良いところだ」と受け入れていくのも素敵です。
……高校生の間にこのくらい好きになったり出来るだなんて、羨ましい限りです。

 

総評すると、ペルソナ4は日本の高校生たちの一年と、悩みとその解決をじっくりと大ボリュームで描いた良作RPGでした!

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Posted by YU