ファイナルファンタジー10-2の感想――若手を育てるために作った作品……?

ファイナルファンタジー10-2は2003年にPS2で発売されたRPGで、ファイナルファンタジー10の続編にあたる作品です。
ファイナルファンタジーシリーズでは初となる直接的な続編となります。

FF10-2はFF10同様様々な媒体で発売されていますが、今回プレイしたのはSteamで購入したFF10とセットのHD版。
インターナショナル版のオマケ等も全て入った全部入りです。

2021年11月~2022年1月にかけてFF10をプレイしていたので、そのままFF10-2もプレイしていきました。

感想

FF10-2を最初にプレイしたのは、私が高校生くらいの頃だったでしょうか。
その時はミニゲームの多さとかやりこみの多さとかが面白くて普通に150時間ほどプレイしていた記憶があります。

で、今になってプレイしてみると、ストーリーや演出があかんわこれ!

前作のFF10は多少作り込まれてない面はあってもそれを無視できるほどのストーリーや演出の良さがあったのですが、今回はそれが無い。
作りこまれてなさが多く目に付き、演出も微妙だし、雰囲気は寒い。
平和な時代を冒険すること自体は別に良いんだけど、どうせならもっと笑えるようにしようよ!
笑えたシーンの記憶が、無いんだが……!

例えばメインストーリーに出てくるシューインですが、ティーダとの関連性が全く説明されておらず。
どうしてティーダとよく似た容姿で、同じ技を使うんですか?
祈り子たちの夢のモデルがシューインで、そこからティーダが生まれたってことにはしないんですか?
シューインはどうしてヴェグナガンを起動させようとできたんですか?
ていうかヴェグナガンってどうして敵意察知すると逃げるんだったっけ?
ユリパが異界でヴェグナガンに近づけたのはなんでだったっけ?

更に言わせてもらうと、異界の存在が便利過ぎる。
簡単に死者と接することが出来るんだったら、前作のシーモアが言ってたように全員死者になれば良いんじゃないのか。
異界と幻光虫は前作から妙な設定だったしあんまり活かしきれてなかったけど、単に便利な舞台装置だったのか?

新キャラもいくらか登場しているけど、名言や名シーンは無し。
前作ではジェクトやシーモア、アーロンなどは魅力的だったが、今回は……。
まあ前作のパロディみたいな雰囲気で作ったから、ってのもあるんだろうけど、真剣味やそこから生まれる高揚が、10-2には無かった。

FF8は「今度のFFは学園モノだ!」というコンセプトから、あれだけの時間と青春に関するストーリーに昇華したのは非常に素晴らしかったです。
だから10-2も「今度のFFはアイドルものだ!」というコンセプトから大きく発展させるストーリーを作っていただければ良いものを……
アイドルものとしても、いただけないものだった。
もっとさ、「偶像」をテーマにしたストーリーにしちゃっても良いんじゃないか?

演出を強化する一つに音楽がありますが、10-2本編中での印象に残る音楽はありませんでした。
どれも微妙なものばかり。
タイトル画面の「久遠」だけはまあ良かったですが、前作と比べると数段落ちる。

10-2は各地のイベントをクリアしていくお使い的なゲームでもありますが、どのイベントも単調にしないのはまあ良いでしょう。
ミニゲームも非常に豊富で、10-2が発売された当初ではFFシリーズでは最もミニゲームに拘っている作品だったのではないでしょうか。
ただ、あまりおもしろくないミニゲームも多いので、それらをプレイするのは時間や体力の浪費と感じる面もあり。

RPGのメインのゲーム性はやはり戦闘ですが、戦闘システム自体は良かったです。
リザルトプレート・アビリティ・ドレスを自在に組み合わせることで戦略性の自由度は高かったと思います。
また、通常攻撃が敵の攻撃に割り込む事ができ、スピーディーで白兵戦のような臨場感があったのは良かった。
ただ、このような戦略性がメインストーリーで活かされることはほとんど無く、通常攻撃連打で終わってしまうことが大多数なのは不満です。
戦闘や装備のセットを最大限テンポ良くし、各敵にステータス異常の弱点を付与し、無駄に難易度と戦略性を高めたほうが面白かった気がする。
使えるバフ・デバフが少なかったから、結局攻撃力上げて殴るだけの戦闘になるんだよね。

ラストミッションもクリアしましたが、雰囲気が微妙なままでストーリー終わりましたね。
過ぎ去りし日々をテーマにしたかったのかもしれないけど、もう少し別の演出やストーリーがあってもいいんじゃなかったのか……?
ノスタルジアは私の弱点であり、もっとFF10シリーズを終わらせる気概のあるものだったら少し泣けそうだったんだけどねえ!

FF10-2を全体的に見て、この寒い雰囲気と微妙で浅いストーリー、でもオタク的にやりこみ度が高いことを鑑みて、若手を育てるために若手に作らせたゲーム、な気がする。
名作ゲームに時折見られる『神性』はこの10-2には見られず、終始オタク的・同人的なものであったと私は総評することにします。

やりこみ記録

・全実績制覇
・全アイテム入手
・全アクセサリ入手
・全リザルトプレート入手
・全ドレスとアビリティ会得
・クリーチャークリエイト100%達成
・外界からの使者を撃破

ストーリーや演出はアレですがその分システム面、やりこみ面に振っている印象ありです。
特にリザルトプレート全入手やクリーチャークリエイト100%は攻略情報無しでは達成できないでしょう。
まあこういうのはどのゲームにも言えますが……

攻略情報見ながらプレイしていると作業感が非常に強い。
どの要素も取り返しのつくものばかりだったら、攻略情報逐一見ながらプレイする必要なかったのに、とも思います。

やはり時間がかかるのはクリーチャークリエイト。
律儀に全てのストーリーを飛ばさずに見ましたが、正直、ハジケが足りない
こういうところはもっと若手が各所から怒られるレベルのストーリーを提出するのが良いと思うけど、それが出来てなかった気がします。
コメディとかちょっと良い話みたいなのが多いけど、う~ん、どこかで見たようなものばかり。
2000年代前半のセンスって、こんなもんだったっけ?
今から見ると本編同様、寒いな!

AP稼ぎはコロシアムのシヴァを、「グロウエッグ」と「成長の秘訣」セットを装備して撃破。
金稼ぎはクリーチャー3体にリザルトプレート「長者のしるし」をつけて、コロシアムの「ノー・マーシー」を倒すと1戦で80,000G。
経験値稼ぎは成長の秘訣かギャンブラーでコロシアムのサボテンや「混沌の器」倒すなど。

FF10-2最強のボスは外界からの使者。
最終的には様々なアビリティ付与とステータス育成の出来るクリーチャーが最も強くなるので、ユリパではなくクリーチャーで倒しました。
使ったのは、「最強シンラ君」と「アヤメタケ」
うわ~、ありきたり!
アヤメのいらいらパウダーで全ての敵を弱体化し、最強シンラ君のクリオネをダメージソースにして難なく撃破。
マキナとかサノーとかを強化したほうが手っ取り早く倒せるようになるらしいけど、そこまでやる気は無し。

ヤドノキの塔は調教師ユウナの「穴ほり」で各階で約3個ずつアイテム入手、「だんだんMP回復」のオートアビリティがあれば余裕です。
最終的には調教師・白魔道士・黒魔道士レベル99、魔銃士・ダークナイトレベル約20でクリア。
穴掘りのおかげでコピー本が大量に手に入ったのでこんなレベルに。
なお、このラストミッションはテンポが非常に悪いので、ほぼ常時倍速でプレイ。
結界解除やトンベリの間への行き方がノーヒントなのもいただけない。
こういうのがあるから初見プレイでも攻略情報見ちゃうんだよ!

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Posted by YU