漫画版ひぐらしのなく頃に解皆殺し編4~6巻 感想&総括

雑記
 ずっと使っていたプリンタ・スキャナ複合機が遂にぶっ壊れた…。
 でも、試しにデジカメでマンガを撮影してみたら、工夫すれば大丈夫ぽかった。
 プリンタ機能は使ってなかったからしばらくはこのままでいいか。

ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編 4 (Gファンタジーコミックス) ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編 4 (Gファンタジーコミックス)
(2009/12/22)
竜騎士07

商品詳細を見る

ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編 5 (Gファンタジーコミックス) ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編 5 (Gファンタジーコミックス)
(2010/04/22)
竜騎士07

商品詳細を見る

ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編 6 (Gファンタジーコミックス) ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編 6 (Gファンタジーコミックス)
(2010/08/21)
竜騎士07

商品詳細を見る


4巻
IMGP4072.jpg 沙都子への扱いがひどいという風潮を変えるために、圭一たちは園崎家へ乗り込みます。圭一とお魎の、緩急ある啖呵は見ていて面白いですね。まあ、圭一たちがものすごく頑張ってもその結果は、児童相談所が強気で哲平に尋問なりをしたことくらいですか…。
 確かに圭一たちが社会的ルールに則った上でやれることはやりきりましたが、それで全てが解決されるというのではないのです。虐待されている本人が虐待を認めることがやっぱり必要で、そういう回りくどさはルール上仕方がないことのようです。お役所仕事しかり。
 しかしこの結果こそが、他の編のような短絡的で暴力的な方法にはよらない、正攻法による正当で禍根の無い最良の結果のようです。「沙都子を救う」ということを第一に置いても、誰かが哲平を殺して精神を病むよりかは、沙都子の友達みんなが健康であることは、沙都子を救うことに繋がりますしね。
 後、漫画の哲平の顔が超こえーです。振り返ると悪魔が!沙都子頑張ったな…。
 
5巻
IMGP4070.jpg 誰も発狂しない世界、つまりルールXを回避したこの世界にたどり着けたからこそ、梨花が殺されるという運命も変えられるのかもしれない。そんな感じで5巻の梨花は奮闘することになります。
 今までの編ではうさんくさい感じだった刑事の大石ですが、今回はかなり頼もしいです。情報を上手くまとめて推理してくれたり、私服警官を寄こしてくれたり。圭一たちも梨花を守ろうとしてくれたりしたあたり、やはり自分一人でどうしようもなさそうなら他人に助けを求めてみるのも良いもんですね。でも、現実の私は喋るの面倒くさいから困っても他人に助けを求めなかったりします。いや、他人に助けを求めるほどの困りごとが無い?もしくはそう思い込んでいるだけ?
 
 毎巻竜騎士07のあとがきがあるのですが、4、5巻ではかなり長いものとなっています。4巻では「いろんな人が集まるといろんな力を持ってくる」ということ、5巻では「雛身沢症候群は現実の犯罪者の犯罪原因となる『環境や生い立ち』を具現化したようなもの」ということが書かれていました。
 本編で雛身沢症候群のこととそれを取り巻く組織についての説明が全てなされましたが、確かにその症候群は作者の言いたいことを別の形で伝えるには効果的なようです。が、「雛身沢にしかない風土病」とか「女王が死ぬとL5のパンデミック発生」とかの設定は、作者の伝えたいことをはき違い無く読者に伝える効果はあるのだろうか…。それらの存在は単に、物語として面白くするため?
 蛇足ですが、20話扉絵の梨花ちゃん好きだわ。おお…ロリロリしい…
6巻
IMGP4071.jpgIMGP4073.jpg 梨花ちゃんを殺そうとする犯人が鷹野と分かり、直接的な戦いが始まるこの6巻。皆殺し編最終巻です。
 実際に何かしらの組織、つまり狂気に苛まれて前後不覚になっている人間以外と戦うことになるのは、これが初めてでしょうかね。皆殺し編1話で言われていたような、「殺そうとする強い意志を持った敵」が相手となります。
 結局部活メンバーと鷹野の勝負は鷹野の勝ちとなり、彼女の計画と野望は見事遂行されることになりました。雛身沢の住民は、雛身沢症候群の暴発を防ぐため、全滅させられることになります。
 部活メンバーと山狗の勝負は、「勝てそう?」と思ったところで急に負けてしまいます。やっぱり素人とプロじゃあ勝負にならないのかな…。梨花ちゃんが必死で運命の打破を行おうとしていたのに、敵が手ごわすぎる。犯人がわかっただけじゃあ、梨花ちゃんたちだけでは敵いそうもありませんよ。基本的にミステリとかは謎さえ解ければ問題を解決出来ますが、ひぐらしはそうもいかんね。
 祟殺し編で全くの謎だった、毒ガスによる雛身沢全滅が、皆殺し編でその真相がほぼわかりましたね。そういやあ、祟殺し編で圭一は一応生き残りましたが、どうして殺されなかったのでしょうか?
 これで「ひぐらし」のほとんどの謎は解決されました。ファンタジーな部分も多いですが、これら全ての情報を得られても、梨花ちゃんは生存することが出来るのか?皆殺し編に残された謎は、その一つのみでしょう。
 運命の打破の結果は、解・最終編の祭囃し編で判明することになります。
 
総括
 まずは漫画版作画のことから。作画は桃山ひなせさんという人で私にとっては始めて見る人です。私としては、シナリオの効果もあると思いますが、この皆殺し編では梨花ちゃんと羽入が好きになりましたね。羽入の登場はこれが始めてなのですが、一発で気に入りましたよ。特におっぱい!
 他の編ではミステリアスで、後ろで微笑んでいる印象のある梨花ちゃんですが、この編では感情が露わになることが多く、絶望したり泣いたり笑ったりかっこよかったり可愛かったりで、見ていて楽しかったです。そこらへんの作画にちゃんと拘っていてくれていましたよ。
 他は沙都子も良かったです、笑顔が雲る箇所も多いですが。だがそれがいい。鷹野の、狂気すら覚える意志のある顔とか描写も凄かったです。「彼女をどうにかすることが、ひぐらし世界の最後の課題だ!」と読者に感じさせるような効果があると思いますよ。
 では、皆殺し編全般の感想に移ります。
 目明し編、罪滅し編とひぐらし解が続いており、それぞれの編で狂気を防ぐ手がかりを示唆していましたが、今回の皆殺し編ではそういう根本の解決法だけでなく、ひぐらし世界の設定などの謎もほとんど明かしてくれましたね。最初は罪滅し編の「住民は寄生虫に操られている」というようなシーンでは、「この情報はミスリードではないのか?」と思っていましたが、本当にそれが公式設定でしたね…。そこらへんはやはり、ひぐらしに真っ当なミステリを望んでいた場合は、少し失望してしまうと思いますが、作者の伝えたいことと設定がちゃんとリンクしているという点では、好印象です。
 作者の伝えたいことは、漫画版4,5巻のあとがきであったように、「一人で問題を抱え込みすぎるな」ということでしょう。出題編3編では、その行動を怠ったためにあのような悲劇が起こったのでしょう。まあ、それだけで悲劇全てが解決されることはならないのですが…。
 しかし、今回の梨花ちゃんは「他人に悩みを打ち明ける」という点ではかなり頑張ったほうだと思います。それでも作者が救いを与えなかったのは、一体何が足りないとしたのでしょうか?
 全ての謎が判明したけど、困難の打ち破り方はまだ判明していない。そういう意味では、この皆殺し編は、解答編でもあり出題編でもあるように思えましたよ。
1~3巻

漫画

Posted by YU