漫画版 ひぐらしのなく頃に 罪滅し編 4巻感想&総括 

雑記
 下ネタ漫画には、童貞臭いものと生々しいものの2種類があることを悟った。
 童貞臭いのは男が描いて、生々しいのは女が描いているような気がする。
 ただそんな気がしただけ。特に意味は無い。


4巻
未来で過去を取り戻す レナを何としてでも救うことを決めた圭一。鬼隠し編のときのレナのように自分を信じてもらうように必死に彼女を説得した結果、全面的ではないにしろ信じられるようになりました。
 レナはいろんなものに疑心暗鬼になっていますが、ただ彼女は幸せな時間を取り戻したいだけなのです。みんなを救い、みんなが幸せに生きていけるように、彼女は起死回生逆転最後の一手をすることを決めます。それは、学校に篭城して生徒達を人質にし、寄生虫事件の陰謀を暴いて欲しいと警察に交渉することでした
 これの少し前に圭一を信頼しようとしていたレナとは打って変わって、強烈な意志と脅迫によって子供達の支配を行います。鬼隠し編の圭一の末期状態のように、レナは残虐さと猜疑心を持つようになっています。学校中にガソリンを撒いて、時間が来れば爆発させようとするなんて、本当に交渉する気があるのかもっと冷静になれと言いたくなります。もうここまで来れば言葉での説得は不可能。圭一はどうにかしてレナを止めようとします。
 沙都子や梨花の助けを借りて、圭一はギリギリで時限発火装置を止めることが出来ました。これで事件は一件落着、と思いきやまだ最後の戦いが残っています。罪滅し編冒頭の部活のように、圭一はレナと命がけの戦いを始めます。
 このシーンはなんというか、RPGのラストボスを倒したと思ってダンジョンを脱出しようとするときに襲い掛かってくる最後の最後の敵のような雰囲気があって最高に燃えますね。しかも男と女の戦いだというのに実力はほぼ互角。拮抗する力でのラストバトルは燃えないわけがありません。
 結果は圭一の負け。しかし、戦闘途中でレナの狂気は変化し、圭一がレナに殺されるという惨劇を防ぐことが出来ました。予定調和を意志の力でぶち壊し、全てを解決させた。もうこれでレナも圭一も本当の仲間として信頼することをやめることは無いでしょう。鬼隠し編のラストと比べれば最高にハッピーエンドな終わり方です。
 …と、思いきや、その次の日に火山性ガスによって雛見沢村民は全員死亡。確かに鬼隠し編の惨劇は防げた。しかし雛見沢の暗部を取り除かなければ、本当のハッピーエンドは訪れないのでしょう。
総括
幸せなレナ この物語は罪滅し編です。その名の通り、主人公達の罪滅しが描かれています。
 まずは、レナが死体を処理しようとしていたときの、仲間達が仲間を救うことが出来なかった罪を滅ぼしたこと。次に、圭一の別世界の自分の罪に気づき、この世界で罪滅ぼしをしようとしたこと。そして最後に、レナが狂気から目が覚めたときに、みんなを救うために酷いことをしてしまったと罪に気づいたことでしょうか。最後は罪を完全に滅ぼすところまではさすがに描かれていませんが、罪に気づいたことが罪滅ぼしの始まりのようなものでしょうね。
 罪に気づき、罪を滅ぼそうとする。それは単純に見えて難しいことなのかもしれません。鬼隠し編では圭一は自分の罪に気づくことが出来ず、一人で死んでいきました。自分は正しい、周りがおかしいんだ、という考えは確かに正解のときもありますが、もしそれが間違いなら大惨事を引き起こすことになります。そういう意味で、この物語では罪に気づくことそのものが自分の改善と惨劇の回避に繋がるということを示しているように思えます。
 後、この物語で表されていたのは仲間達の信頼でしょうか。自分一人で全てを抱え込まないで信頼できるみんなに相談すれば、独りよがりの考えに陥ることも無く、もっと良い解決方法を生み出すことが出来たのかもしれません。一人でいればどんどん考えが嫌な方向にいってしまう、そういうのは現実でもいくらか経験があります。物事にはやはり主観と客観の両方で見なければ、正しく理解することは出来ないのかもしれません。何か悩み事があれば、いったん信頼できる人に相談を。
 「ひぐらし」をあまり知らない人は、「ひぐらしは殺人を助長させる危険な物語だ」として非難することがありますが、「ひぐらし」が本当に伝えたいことは全く違うものです。「ひぐらし」には物語にあったような人間の狂気を抑えて惨劇をいかに回避するかという方法が描かれています。つまり、「ひぐらし」は殺人を助長させるのではなく、そこまでいく過程を回避することについて描かれているのだと思います。鬼隠し編では圭一は狂気に憑かれて惨劇を引き起こしましたが、罪滅し編ではそれの回避方法が明示されていました。この物語のように、レナや圭一のように、仲間達を信頼して自分の罪に気づくことが出来れば、狂気に憑かれて殺人してしまうことは無くなるのかもしれませんね。
 まだこの罪滅し編は「ひぐらし解」の序盤で、ひぐらしにはまだまだ謎が残っていますが、この物語で得られたものはきっと「ひぐらし」の鍵の一つになるだろうと思います。
1~3巻 感想

ひぐらしのなく頃に解 罪滅し編 4 (ガンガンコミックス) ひぐらしのなく頃に解 罪滅し編 4 (ガンガンコミックス)
(2008/06/21)
竜騎士07

商品詳細を見る

漫画

Posted by YU