アニメ版四畳半神話体系9~11話 感想&総括

雑記
 冬山登山を始めてみます。
 普通の娯楽とは、ちょっと違うのだよ。

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(2010/11/26)
浅沼晋太郎、坂本真綾 他

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9話 秘密期間「福猫飯店」
 今までのパラレルワールドとは異なってきた9話、「私」が率先して悪事を働き金を儲け、薔薇色のキャンパスライフを手に入れようとする話です。
 しっかし…図書の返却のために個人の情報を収集しまくり、それが秘密組織として成長していくってすごい設定だなあ、と思いま。京都大学はみんなこんな雰囲気なのかね?
 今回は師匠が中々良いことを言いましたね。「この世は薔薇色ではない、雑多な色をしている」、これは何かわかりやすい幸福が存在することを信じている「私」への忠告なんですが、その言葉を思えば今までの話、今回の話も含めて、「私」はそれなりにキャンパスライフを楽しんでいたようにも思えます。
 つーか小津に彼女がいて、今までの話で行われていた悪事なども全て行っていたとは…彼の不毛なエネルギーは一体どこから来るのやら…でも、本気で楽しんでいる、ということは確かなのでしょう。
10話 四畳半主義者
 四畳半の中で生きる!と決めた「私」がどこまでも続く四畳半に閉じ込められる話です。EDのキャスト欄、正真正銘浅沼さんだけじゃないですか!声優がたった一人のアニメって…。
 冒頭に1畳部屋とか2畳部屋が存在することを「私」が紹介していましたが、スタッフ(原作者?)はなぜそんなことを知っているのか!?ピー音とかも鳴らしているので現実にありそうだし…つーか本当にあるんだろうか、もしあるなら見てみたいです。暮らしたくは無いけど。
 毎回登場していた占いばあさんから、初めて「私」が否定されていました。やっぱり引きこもるのは、ね。確かにこの世に薔薇色なんてものは無いけど、そういうことを望んで行動しなければ何も起こることは無い、かも。
 四畳半を移動し続ける姿は、OPのようです。OPでずっと続いていく部屋と多くの人たちと姿を見せていたのは、こんなにも多くの可能性が存在していたということを表したかったのか、と推測します。2,3話くらいで大体予想は出来ていましたが!
 4話のリュックの中の金とか5話ラストで登場した不気味なおっさんの伏線も、この10話で一応回収されます。人とずっと話していなくてまともな声が出ない「私」…そりゃドン引かれるのもわかります。
 責任者はどこかとか、可能なら時間を戻したいと思えた今までのパラレルワールドでも、10話の「私」には充実しているように思えます。これは「私」の新しい人生に対する心意気への布石となるでしょう。最終話である11話で、この四畳半は終わります。
11話 四畳半紀の終わり
 最終話です。OPとEDが入れ替わっていますが、OPでしつこく「この後本編です」という言葉が登場していたのには笑えましたwwわかってるって!
 10話で色々な「私」のパラレルワールドが登場して気づきます。「人間は多面的であり、一面だけでその人をわかることはできない」ということ。私の序盤で抱いた予想では、この人生には色々な可能性があるけどどれも素晴らしいものだ、という結論にたどり着くのかと思いましたが、ちょっと違っていました。いやまあ、そういう結論にも行き着いたのかもしれませんが。
 「人間は多面的」というのでは、小津こそがその最良のサンプルだったでしょう。というか最終話は明石さんではなくて小津がメインヒロインだったよ!うんまあ、確かに彼の存在はこの作品に欠かせないものでしたけれども!
 明石さんとは結ばれましたが、「成就した恋は見ててもつまらない」みたいな理由で、特にイチャラブなシーンは無く。やっぱりちょっと見てみたいな!しかし、明石さんがあるパンツがぴったりの男を捜していただなんて、それってパンツのシンデレラやないか!すげーパロディです…。
 11話では小津の顔がいつもの妖怪じみたものではなく、普通の顔になっていました。今までわけのわからんことをしていた小津も、今の「私」にとってはわけのわかる男なのでしょう。対して、小津には「私」の顔が妖怪じみて見えるようになりますが、これは立場が逆転したってことでしょう。「これが俺なりの愛だ」っていう台詞も。
 普通、「私」のように多くのパラレルワールドを体験し、人々の多面的な性質を全て把握することは出来ないでしょう。1回きりの人生です。だから、自分の捉えかたで自分や相手なんて如何様にも変わるのでしょうかね。
 
総括
 原作は1冊の小説だったため、そのまま1クールのアニメにするのは少々尺が足りなかったのでしょう。というわけで、この作品にはアニメオリジナルな部分も多かったですが、色んな可能性を見せるという演出にちゃんとかなったものなので、満足のいくアニメ化だったと思います。wikipedia見ると原作は少々波乱万丈すぎるんじゃないかとちょっと思ったり。いや、読んでみないとわからんけども。
 OPはアジカンの迷子犬と雨のビートですが、曲だけで聞いた時とこのアニメのOPとして聞いた時では、歌詞の印象が少し違って聞こえるってのは中々面白い体験でした。曲だけで聞いても良いものなので、オススメですよ!
 各エピソードはどれも大学生ならではのものばかりで、「私」は不満そうでもやっぱり端から見れば面白そうに見えます。私にだってキャンパスライフはあったのですが、もっと燻っていたようにも思えます。が、他人から見れば私の大学生活もかなり充実しているようにも見えるのかもしれません。
 この世には多くの可能性の世界があり、100%信じられる幸せとか不幸とか、人間の性質とかは無いのでしょう。ものすごく雑多な世界です。だから自分の捉え方で如何様にも変えられたり出来るのかなあと思ったりします。
 1冊の小説をアニメ化しただけあって、ものすごく綺麗にまとまったアニメだったと思います。今でも面白いアニメとして語り継がれているのもよくわかります。
 何だかこのアニメを見ると大学生活をやり直したくもなりますが、今の生活だって将来にはもう一回やりたいと思えるものなのかもしれませんね。
1~4話
5~8話

アニメ

Posted by YU