ノエイン 総括
雑記
世間では夏休みが始まったようですね。
これからの週末はどこも人で賑わいそうです。
どうにかして人が少ないときに旅行したいですね。
ノエイン 総括
まずストーリー以外のことからいってみようか。
ノエインを事前知識無しで見るとまず驚かされるのは、2話で作画が大きく変わることですね!この作品は毎回作画担当が違っていて、総監督の赤根さんは作画担当に「自由にやってくれ」と頼んだので毎回作画が変わるそうです。どうしてそんなことをしたのかの理由はwikipediaに書いてあるのですがそれによると、それぞれの人の「認識」によって世界は変わる、ということを表したかったようです。
しかしこのことは作中では一切触れられておらず、DVDの特典英像なんかにも載っていないので、インターネットを見なければわからないかも。どうせなら作中で、「それぞれの人の認識によって世界は変わる」という言葉と共に各話の映像が流れたりする演出が欲しかったなあ~。
この作品は結構CGを多用していて、手書きでは出来ないような映像が作られているのがいいですね。シャングリラの遊撃艇とか時空を表すモデルとかはかなり迫力があり細かいところまで描かれているのは個人的に高評価です。でも、シャングリラの遊撃艇のデザインは一体何を意味しているのかがよくわからないのが残念…。苦しみから解脱した人間を描いているとか?
人物の作画に関しては、たまに適当な感じの描き方になるけどそれも「認識」の演出?まあハルカの鎖骨とか肩甲骨が妙にエロスを感じさせるからいいか!最初のほうはよくハルカの風呂シーンがあったのが良かったのですよ、ヒヒヒヒww
さてストーリーですが、この作品は量子力学的な考え方をバックグラウンドにして物語が進んでいきます。現在では量子力学はまだまだ発展途上の学問ですが、それでも一般人の知識からはかけ離れるほど高度な研究がなされているようです。
しかしこのアニメでは具体的で複雑で相対性理論以上のような量子力学ではなく、量子力学の観念的なものしか出ていないので普通についていけると思います。量子力学をあまりよく知らない人でも作中で何回も説明されるので大丈夫ですね。たまに「デコヒーレンス化」とかわかりにくい言葉が出てきますが、作中では現実の言葉の意味通りにはあまり使われていないので雰囲気で理解すればいいです。
ちょっとこの作品は、宇宙において人間が力を持ちすぎではなかろうかと感じさせる場面がありますが、まあアニメですからそこんとこは目を瞑るようにしたほうがいいかも。人って言っても、所詮はただの量子ですしね…。
最初から気になっていたことは、どうしてハルカが龍のトルクを持っているのか?ということなのですが、作中では明確には説明されていなかったような…。その設定こそがラストで明かされる最大の伏線かと思っていたのですがね。
というわけで勝手に考察してみます。
ハルカが父に会ったとき、「まだ幽霊を見ることがあるのか」というようなことを言われていたのですが、ということはハルカは昔から龍のトルクを持っていたという可能性が高いです。時空の意志が言うには、「ハルカは選ばれた」だそうなんですが、時空はどうしてそんなことをしたのでしょうか?「観測者」が欲しかったのでしょうか?
不幸な目に会った時空のユウはノエインとなって時空を掌握することになりますが、ノエインの望んでいる龍のトルクを愛するハルカが持つことになったこととは関係があるのでしょうか?つまり、ノエインがシャングリラを作ったからこそ、その原因であるハルカに龍のトルクが託されたのか?ということです。卵が先か、鶏が先か。
龍のトルクとは高密度の最小の素粒子だそうです。使われ方は時空に関係する全て、というか何でも出来る魔法のアイテムのように使われていますね。こんなものがあれば時空の収束も可能になるかも。
え~…ハルカが龍のトルクを持っていたのは…、つまりどういうことだってばよ?やっぱりよくわからん!ありえねぇ!
「ノエイン」のサブタイトルは「もうひとりの君へ」であり、主題となるのは未来もしくは過去の自分や誰かということでしょう。未来の自分を見て何を思うか…、過去の自分に対してなんと言ってあげられるだろうか?未来と過去の自分が強く描かれているのはカラスとユウですが、もっといろんな人の過去と未来の自分の掛け合いが欲しかったなあ~、と思います。後、もっと多くの未来の自分も見たかった。色んな未来を見せて、未来は無限に広がっているというようなことも描写して欲しかったかも。
次回予告では毎回ハルカが「あの夏の日の夢…」と言っているので、ハルカの未来や未来のハルカが過去を顧みているというシーンとかも描かれると思ったんですけど、残念ながらありませんでした…。う~ん、1話を見たときは絶対こういうシーンがあると思ったんだけどなあ。
最後にハルカとカラスとユウの関係についてちょっと。
カラスは未来のハルカが犠牲になったことがトラウマのようになって、ハルカを守ることに固執するようになるのですが、カラスのハルカへの想いってどんな感じなんでしょうか?ハルカを抱こうとして(決して卑猥な意味ではない)途中で止めるシーンがあったのですが、やっぱりこの時空のハルカを守ろうとするだけでハルカは普通に生きていって欲しいと思ったのでしょうか。こんな変な未来人に感情移入しすぎないように、気を配って。
ユウはしょっちゅうカラスに対して嫉妬心をあらわにしているようですが、やっぱり未来の自分だからといって愛する人を取られたくは無いのでしょうね。しかしその嫉妬心こそが、カラスに負けずにハルカを守ろうとする強さに結びついていったのかもしれません。ユウはあまりカラスのことを好きではなかったようですが、カラスはハルカを守ってユウを成長させた恩人なんだよな~と改めて思います。未来の自分が過去の自分に大切なことを教えることが出来たと思うと、このカラスとユウの関係性こそが監督の表現したかったことを表しているのでしょうね。
1~4話 感想
5~8話 感想
9~12話 感想
13~16話 感想
17~20話 感想
21~24話 感想
ノエイン もうひとりの君へ DVD-BOX (2008/10/24) 工藤晴香 |