2016年北関東旅行 6日目 富岡町
2016年のゴールデンウイーク、これは単なる旅行であり、物見遊山です。
不謹慎と言われてもしょうがない。
ただ、個人的に震災跡地を見たかったのです。
今までずっとテレビやネットを通じてしか情報が入ってきませんでした。
私はただその実感が欲しい、だからこの旅でこの地を目指したのです。
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6日目 富岡町
川内村から県道36号線を通って、富岡町に入りました。
県道35号線との交差点辺りから一気に「被災地感」が出てくるようになりました。
私は今、本当に原発事故の影響が残るかの地にいるんだと実感しました。
この日は午前中まで風雨が激しかったのですが、午後から天気は回復してきました。
しかしまだまだ天気は良いとは言えず、どんよりとした雲で覆われています。
どこを見ても住民はいません。
少しだけ車が通るのですが、パトカーや私のような県外民が多かったです。
海岸近くはまだまだ建物が少なく、草原が広がっています。
汚染物質なのか、震災で破壊された建造物のごみなのか知りませんが、大きな土嚢袋が立ち並んでいます。
震災前は使用されていた線路も、このありさま。
廃線の趣があります。
海岸近くには大きくて新しい廃棄物処理場があります。
まあ、あまり廃棄物を外には出せませんからね。極力現地で処理しようとしているのでしょう。
堤防は普通にあります。
この堤防は特に新しさを感じさせません。
おそらく震災前からあったのでしょう。
今は海が荒れています。
この沖から巨大津波がやってきたのか。
その様子を間近で見た人の気持ちは、どんなだったろう。その恐怖はどのくらいだったろう。
放射線のモニタリング装置もありました。
このときは毎時0.162μ㏜でした。
年間量に直したら、1.419m㏜です。
ちょっと南側の福島第二原発の様子も見ようかと思いましたが、検問中のため行けそうにありませんでした。
デモみたいなこともよくやられているのでしょうか…。
再度富岡町中心部に戻ります。
営業してる店はほとんどありません。
ただ、セブンイレブンが一件だけ営業していることを確認しました。
小学校は言わずもがな、使用されておらず。
グラウンドは草原になろうとしています。
驚くことに、5年以上経った今ですら、半破壊された建物がそのまま残っています。
あれから5年も経ったのに、まだこんな感じなのか。
復興は後何十年かけるつもり?
どうにかして福島第一原発に近づいてみたかったのですが、帰宅困難区域に入ろうとする道のほぼ全てがバリケードで封鎖されていました。
特にバイクは四輪よりも規制が厳しいらしく、県道35号線を用いて北上しようとしてもバイク、軽車両、歩行者は通行禁止となっていました。
四輪のみ通行可能な場所には警官が常駐しており、見張りが行われていました。
さて、ではそろそろ退散しようかと、少し電波の通じる場所でスマホをいじり倒していたら、「一時帰宅者の方は15時までに退出してください。戸締りはしっかり行ってください」というような放送が流れました。
私が気ままに見学していた富岡町も、まだまだ原発の影響が残る復興途上の町です。
中には立派な建物、古い建物もあって、昔からここに住んでいた人も多くいることでしょう。
津波で流されないような場所にちゃんと家を作っていた人もいたでしょう。
そんなの関係なく、原発の事故は全ての人々をここから立ち退かさせた。
この実感は、ここに来ないと湧かなかったでしょう。
もう、遠い場所の出来事ではない。
最終日、7日目 大滝根山、白河