2025.6.27 徳島県の静かな離島、出羽島

2025年6月27日、徳島県牟岐町の出羽島へ一泊二日で行ってきました。
小さな島だし船に乗っている時間も15分なので、十分日帰りできますが、やっぱりどっぷりと島の雰囲気に浸かるなら泊まりだろう、
ということで。
宿泊は、ゲストハウスの「シャンティシャンティ」さん。
今回のタイミングではゲストハウスというより、古民家漁家に貸し切りで宿泊、という最高の贅沢をさせてもらいました。
蹄形の島であり、北側に良港があるので漁業の島として発展。
現在は島の漁師も少なくなり、過疎化が進んでいます。
しかし島という特異的な地理が功をなしたのか、古い家々が残り、全国的にも珍しい漁村集落として国から重要伝統的建造物群保存地区に指定。
漁村のため港が生活の中心であり、それが地図としても生活の実感としても現れているようです。
1日目
出羽島へは、牟岐漁港から15分、船賃は220円(!?)、1日に数便程度で頻繁に船があるわけでもない。
この日は蒸し暑く、ついでに牟岐町中心部を歩いて観光していたら汗もだくだく。
出羽島だけでなく町内もかなり静かでレトロな雰囲気あり。
徳島県内、だなんて近すぎて全然旅行の気分じゃない、
そう思っていたけど島に上陸したときは、異世界感のような、新鮮さを味わった。
「初めてくる場所だ……」
ゲストハウスへ行く途上に集落をゆっくりと歩きながら、歴史を伝統を感じる。
ほかの有数の観光地に比べれば綺麗に整備されているわけではなくて、普通に暮らしていたり空き家になっていたりと、雰囲気は良いが過疎の町として目に映る。
車やバイクは全くなく、船のエンジンが時折かかる以外は、騒音なんて全くない。
トンビの声が聞こえるだけ……
歩いていると自転車で走っている人に呼び止められた。
「ゲストハウスにお泊りの方ですか?」
予約時、乗ってくる船の時間を伝えたら、何と出迎えてくれた。
出迎えてくれた方は、島で唯一の飲食店である「海賊茶屋」運営の方。
現在はゲストハウスの運営も任されているようだ。
それぞれオーナーは別にいるようだが。
「ゲストハウス」というイメージから、部屋の一室に寝る場所だけ構えてくれるかと思っていたら、何と1棟丸々貸してくれた!
築約120年の古民家を改装したもので、ところどころにオーナー手作りの生活様式が見られて面白い。
それに古民家らしさとエキゾチックさが混在し、それがこの静かな島の雰囲気に非常に合致している。
部屋の隅にギターがあったからちょっと触ってみると、まあなんとも、その音色がそのまま島のBGMになっていくような。
荷物を置いて、島を一周してみることに。
本土や瀬戸内の島と違って、鹿や猪がいないから、畑には獣対策が一切ない。
草に埋もれそうなその境界の無さが、昨今では見られない神秘的な風景にも感じた。
南側に大池という海岸に面した汽水の池があり、ここにシラタマモという珍しい藻が生育しているらしい。
「淡水なのか?海水なのか?」
と疑問に思って舐めてみると、しょっぱい。
何でこんなところに池が?
海から石が打ちつけられて溜まって、潟湖になった?石で?
南国の木々が生い茂る遊歩道を歩いていくと、灯台に出る。
ここが島の最高点。
特に何があるわけでもない。
でも、住み始めた島民は、たまにここに来ていたのだろう。ここで何をしていたのだろう。
灯台から下っていくと集落に帰ってこれる。
遊歩道を歩いていると時折水の流れを聞くことが出来、小さいながらも淡水に恵まれていたのも集落が形成された要因の一つだろう。
だけど綺麗な地下水が湧き出てくるわけではないので、そのまま飲むのはおススメしない。
最近は放棄された段畑を整備して、様々な果樹を植えて食べられる森を作ろう、としている人がいるみたい。
少し歩いてみると、この時期(6月下旬)はブルーベリーとヤマモモが実っていた。
特にヤマモモは大量にあって地面に落ちているほどだったので、いくらかいただきました。
野生種より実が大きくて美味しい!😋
こういう果実も、冷やして提供したら立派な収入源になりそうな気もする。
今回の旅行はたっぷりと時間がある。
ありすぎて余るだろうから、本を持っていっぱい読もう。
と思って海の近くで読書をする。
……でも、この風景と今までの私の人生が、本だけの時間にしてくれない。
時折本を閉じて、今の自分の不足感や欠乏感の正体を探ろうとする。
海にいると、この島に帰ってきたという散歩中の人がやってきた。
何でも、50年ほど埼玉にいて、引退後に生まれ故郷に移住したようだ。
50年の歳月は、あちらがわを故郷だと思わせるのに十分の年数だろう。
しかし、幼少期のほんの数年の思い出が、帰らせることとなったのだ。
もちろんそのまま帰ってこない人もいるのは当然だろう。
でもこの人は帰ってきた。その時の心情、いかなるものだったろうか。
……そうこうしていると夕方になり、晩御飯の時間になる。
片付けして、海賊茶屋でご飯をいただく。
本当、この御時世で一泊二食6000円で提供してもらえる食事じゃなかった。
良いの?本当に?持続可能性も感じられる値段設定しないと心配になっちゃう。
御飯をいただいたら、日が沈むまでまた海岸へ。
この夕暮れを見るために、宿泊するのだ。
牟岐の山々へ、西の日が落ちる。
山はまるですぐそこに思えるけれど、やはり海の隔てがある。
島や山に遁世したいと思う人はいるだろう。
第一に私がそうなのだが。
今とは違う別世界があって、今に不満を抱いていたら理想郷に思うのだろう。
「あっちの世界こそが、私の本当の世界だ」
でも、もし、私がこの島で生まれ育ったのならば、
「あの海の向こう、あの広い土地に私の自由があるのだ」
と思っていたのかもしれない。
向こう側を夢想することで希望を抱く。
向こう側にも、現実はある。
テレビの音も車の音も全くないこの古民家で寝そべりながら、色々思った。
本も読んだ。
何もないがゆえの集中と癒し。
2日目
朝4時頃に起きて朝日を見に行く。
昼は蒸し暑いが朝晩はクーラー無しがちょうどよい気温で、半袖でも全く暑くも寒くない最高の環境。
日がまた昇る。
美しい日の出と日の入りは毎日、この島で行われている。
人生で初めて来たこの島にも。
海賊茶屋で朝ごはんをいただき、部屋を片付け。
その時、この島で古民家の復活活動を行っているイギリス人のニックさんが御挨拶に来ていただいた。
「古い家が朽ち果てていくのは、非常にもったいない」
というのが彼の活動原理だそうだ。
イギリス人は古い家が大好きらしく、新しい家より古い家のほうが価値あるものと映るらしい。
本拠は兵庫県にあるようで、たまに住み込みで島にやってきて修繕活動等行っているとのこと。
宿泊施設も増やすということで、何だか島おこしのプロデューサーのようだ。
瀬戸内国際芸術祭くらい目が離せない
出羽島は小さな島、漁業以外の産業はない。
漁業も魚が大量に取れるわけでもなく、結局販売のために牟岐に運ぶなら、島に住む利点はない?
基幹産業が無い?島の地理的利点の無さは、将来性や希望を無くさせる?
これを寂しいと思うだろうか。
しかしもし、島全体をデザインできるのなら?
島は隔絶されている。だから、パッケージ化して保存が出来る。
時間が止まったかのような過疎の村、ではなくて止めてみせようじゃないか。
あなたが感じた異世界を、ここで体現すればよい。
島ではそれが出来そうな気もするんだ。
私も、島のデザインをしたいな。
ニックさんも、ゲストハウスを作った西さんも、小さな社会だからこそ社会に対しての効用を感じて活動できるんだろうか。
また別の季節にこの島に来ます。











































