国土交通省キャンプ砂防体験記 前編

 2012年9月頃に、国土交通省の制度を利用して、キャンプ砂防に参加してきました
 キャンプ砂防とは、「砂防の意義と中山間地域及びそこに生活する人々に対して果たす砂防の役割を、地元の人々との共同作業や生活を通じて体験的に学ぶことにより、砂防に対する認識を深め、今後の土砂災害防止の推進に役立てる」ということを目的としたものですが、国交省地方整備局のインターンシップみたいなものです。
 
 参加中は職員の方に写真を撮っていただいて、その写真を後にくれるというので、自前で写真を撮らなかったのですが、映っていたのが「参加者とその様子」ばかりだったので、プライバシー保護のため、今回の記事は写真がありません


申し込み
確か申し込みはキャンプ砂防のウェブサイトからだったかな?このとき参加したい事務所を第3希望くらいまで書き、その理由も書きます。日程は事務所ごとに違います。
 申し込みを行い、しばらくすると参加事務所決定のメールが来ます。さらに後に、参加する事務所からキャンプ生代表、会計責任者通知とか日程などが添付されたメールが送られます。そのとき返信として、アンケートに答えたり現地への交通手段を伝えたりします。
 上記が終わると、申し込みは完了。開始日・時刻に遅刻しないように事務所へ行きます。
1日目
 14時からスタート。オリエンテーション、開校式をそつなくこなしました。特筆することはなく。
 その後、参加した事務所の管轄地域の特徴などを説明してくれました。断層が通っている場所なので地すべりなどの土砂災害が多く、この地域ではそれらと上手く付き合いながら生活していかなくてはならない、ということでした。
 基本的に土砂災害は田舎のほうに多い災害です。ですので、砂防分野を扱う公務員は田舎での生活などもちゃんと考慮していかないといけないわけです。
 という風な基本的な話を聞くだけで1日目は終了。この後ホテルに行っていったん荷物を置いて、職員の皆さんと飲み屋で飲み会をしました。悪酔いする人とかはいなかったから楽しい雰囲気でしたが、みんなお酌し合いまくりだ…。参加者には無理に酒を勧めるようなことはなかったですが、やっぱり飲み会の基本的なことはありましたよ。
 酒を飲むのは故意に抑えたので、ほろ酔い気分で済みました。ホテルに帰って風呂入ってさっさと寝ました。
2日目
 2日目からは本格的にキャンプ砂防開始。まずは事務所内で、ある大学から来た教員の方に砂防、特に地すべりの基本的なことを教わりました。この辺りは普通の講義っぽい。
 その後、事務所から地すべり工事を請け負っている業者の人と合流して、事務所職員、教員、業者、キャンプ砂防参加者の4グループ一体となって、地すべり工事現場に行きました。そこで業者の方から説明を受けました。
 地すべり地形は傾斜が緩やかになる場合が多いので、そこに家を建てたりする人もいます。しかしその地すべりが再開してしまう恐れも十分あるようで、そのため地すべり対策工事を進めたり、監視をしていたりするようです。監視では事務所からカメラの向きをコントロール出来たり、衛星観測で微妙な地面の動きを感知したりするのが面白かったです。それ以外はすでに大学で勉強したことばかりかな…。
 
 昼ごはんを食べて、次は横ボーリングの穴に入ってみました。横ボーリングは地すべり地形の中の地下水を排除したりする目的を持つ工法です。外はかなり暑かったのに、中はかなり涼しくて気持ちが良かったです。気温差がありすぎて眼鏡が曇りましたがね…。
 横ボーリングの中ではあちこちから出てくる地下水の簡易な水質調査をしました。この結果と他の場所で取った地下水の水質を比べることで、どことどこの地下水が似ていてどういう流れをしているのかを調べたりするようです。本当に調べられるのか…?
 その後深さ30mくらいの縦穴に水検知器を入れて地下水位測ってみたり、ボーリングで採取した岩盤の様子を見てみたりもしました。一つの地すべり地域にここまで調査する必要あるのか…?とも思いましたよ。一応「調査点数はこんなもんが妥当?」と聞くと、「妥当」と返ってきました。うむむ、そんなものなのか。
 最後に、集水井に入りましたよ。集水井は直径5mくらいの深さ30mくらい?の井戸で、地下水をここに集めたりするのが目的です。地下水があると地すべりが再開してしまったりしますしね。この集水井に入るのは結構覚悟がいりましたよ…。高所恐怖症の人ならちょっと難しいかも。階段や手すりは一応ついていますが最低限のものですし、濡れて滑りやすくなっていますし…。でも楽しかったです♪
 こんな感じで2日目終了。ちなみにキャンプ砂防では宿泊費や飲食費は、上限決まっていますが支給されます。ですので晩御飯はホテル近くの飯屋で腹いっぱい+ビールの食事をしました。こんな贅沢は久しぶりだな…。でも、こういうお金って、後の時代にはなくなるんじゃないのかな?
 
中編
後編

雑記

Posted by YU