宇連山・御殿山 登山

こ、これが最後の「愛知県の山」や…
雪が降る前に、最後の山を登りました。最後は、宇連山と御殿山です。

ふるさとの人と知恵 愛知 (江戸時代 人づくり風土記) ふるさとの人と知恵 愛知 (江戸時代 人づくり風土記)
(1995/11)
石川 松太郎

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宇連山
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 宇連山は新城市と設楽町の境にある山で、奥三河では三ツ瀬明神山と並ぶ人気があり、「東海自然歩道」や「県民の森」としてよく整備されています。
 山頂に至るには、南側からの県民の森コースと、北側からの仏坂峠コースと、北西側の棚山コースがあるのですが、今回は棚山コースを用いました。
 棚山林道に入るには、県道32号線沿いにある海老地区から行くことになります。県道32号線が直角に曲がる分岐点があるのですが、そこで県道ではない道に進みましょう。県道32号線沿いには「棚山へ」という標識は無いので注意が必要です。
 ガイドブックには棚山林道終点まで舗装路が続いている、と書いてありましたが、私が来たとき(2011年11月26日)には崩落箇所があり、終点まで車では行けませんでした。ですので、崩落箇所近くの路肩から歩いていくことになります。
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 林道は基本的に舗装路で歩きやすいのですが、たまに石や岩などが斜面から崩れている箇所があり、舗装路と言っても不安定な道かと思われます。最初に出会った崩落箇所以上に酷い崩落箇所はありませんが、ものすごくでこぼこな道などはありました。ちなみに、林道脇に水場がありました。
 舗装路を歩いて少し傾斜が緩くなってきたと思ったら、棚山林道終点ゲートです。ここから左にある登山道を通って棚山高原を目指します。
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 登山道は基本的に整備されていて、歩きにくい箇所はありません。人工林やササを脇に見ながら緩やかな傾斜を登っていきます。
 登っていくとバンガロー村跡地に到着です。バンガローがササの中にいくつも建っていますが、今はもう寂れています。少々作りがちゃちいようですが、おそらく結構昔のバンガローなのでしょうね。
 ここに「宇連山へ、鳳来寺山へ」と書いた東海自然歩道の標識があるのですが、鳳来寺山方面に展望の良い瀬戸岩というのがあるようなので言ってみることにしました。
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 瀬戸岩からの景色はかなり良く、近くに山里が見えるだけでなく、さらに奥には平野部を望むことができます。
 次は棚山の稜線上を進みたかったのですが、ガイドブックの説明がわかりにくくて行くことが出来なかった…。「東海自然歩道に合流する。いったん鳳来寺山方向へ行き瀬戸岩へ往復しよう。そして分岐に戻って~」と書いてありましたが、このガイドブックの説明での「分岐」とは、瀬戸岩へと鳳来寺山への道の分岐点だったようです。
 とりあえず、東海自然歩道の標識に従って宇連山へ登ることにしました。いったん林道に出るのですが、景色はなかなか良かったです。たぶん宇連山山頂を見えたかも?
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 林道と登山道を交互に歩いていくのですが、途中には緩やかな高原を流れる清廉な沢があったりして、美しいです。河床が岩盤状なので、ちょっと変わっていて面白くもあります。
 林道から山の斜面に取り付き、トラバースしながら登山道を登っていきます。登りきると仏坂峠への分岐となり、ここから宇連山山頂を目指します。分岐点にはベンチが多く、多人数でも休憩可能となっています。
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 分岐から登りきると、宇連山山頂(929.4m)です。東方面が開かれていて、近くには三ツ瀬明神山、遠くには南アルプスの山々が見えます。少々見にくいですが、太平洋も見えなくはないです。
 ここが、最後の奥三河の展望地か…、と思ったら感慨深くなって、ちょっとしんみりしました。何度も南アルプスを見てきましたが、やっぱり最後だけあって、ここで見た南アルプスは何か違うような気がしました。ただの、個人的な思いに過ぎないんですがね…。
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 下山はいったん南側へ下って、棚山方面への道を利用しました。棚山稜線上を下っていき、林道がかなり近くなった箇所で稜線から林道へ少々強引に移り、そこから林道を下っていきました。
 この林道も舗装路が多く歩きやすくなっています。沢には巨岩が多かったり、道の脇にも巨岩があったりして、ちょっと面白い。この林道も小規模な崩落が起こっているような箇所があって、いつかここも通れなくなってしまうんじゃなかろうか。
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 ゲートまで戻り、駐車場所まで戻ります。林道は断崖につけられていたので景色がよく、紅葉した山肌を望んで楽しみながら歩きました。
登り2時間30分、下り1時間5分。
累積標高差は、500mくらい

 この後、御殿山を目指しましたが、その途中に鞍掛山をバックにした千枚田を見ることができたので、記念に撮っておきました。
御殿山
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 これが「愛知県の山」の最後です。御殿山は東栄町の月地区にある里山で、この山の麓でも奥三河の伝統祭事である「花祭り」が行われています。
 国道473号線沿いにある月地区から「御殿山登山口」の標識に従って、登山口である槻神社を目指します。斜面上が開かれて集落が作られているので、景色が良いです。
 槻神社の左手から登ります。人工林が広がっている、典型的な奥三河の山のようですね。
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 人工林の中を淡々と登っていきます。これまで多くの奥三河の山を登ってきたけど、どれも人工林が多かったなあ…、というように、今までの山々を思い返しながら登りましたよ。
 途中には紅葉の美しい箇所もあり、静かな雰囲気の中でしみじみと楽しむことが出来ます。
 稜線に取り付き、山頂を目指します。
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IMGP3119.jpg 稜線上は緩やかな傾斜なのであまり疲れませんが、ほとんど展望はありません。1箇所だけ、三ツ瀬明神山を望むことが出来る所がありましたが。
 登っていくと、廃小屋や狛犬、神社があり、神社の後ろに三角点があります。ここが御殿山山頂(789.3m)です。山頂には展望は無く、人工林が広がっている平凡な場所です。
 だけど、この静かで人気の無い山こそが、愛知県の山々を思い返すのにちょうどよかったと思います。計画を立てて、登って、反省して、また次の山を目指して…。その繰り返しから、一体自分は何を得たんだろう?得られるものはたくさんありましたが、その全てを言葉にすることは出来ない。だから、自分はただ「山に登った」としか言えないのでしょうね。
登り35分、下り25分。
累積標高差は350mでした。

登山

Posted by YU