デュープリズム 感想
デュープリズム 開発 スクウェア
1999年にスクウェアより発売されたPS1ゲーム、「デュープリズム」のプレイが終わったので感想を書いていきます。
このゲームはスクウェアにしては珍しくフルポリゴンでかつムービー無しですが、これはこのゲームのメインプログラマーが「全部リアルタイムで計算してみたい」という気持ちからこうなったようですね。
国内での売り上げ本数自体は少なめですが、多くの人から高評価を受けているゲームでもあります。
レジェンダリーヒッツ デュープリズム (2007/01/25) PlayStation |
デュープリズム オリジナル・サウンドトラック (2006/07/19) ゲーム・ミュージック |
グラフィック
コンセプト通りムービーは一切無く、オープニングからエンディングまで全てポリゴンです。と言ってももちろん最近のゲームよりかはポリゴンは粗めですし、顔の表情のバリエーションは少なめです。こういうのをローポリって言うんでしたっけ?
しかし何ででしょうか、キャラや敵が妙に愛らしく感じるんですよね。PS1は当時ではなかなかのスペックだったとしても、やはり容量などの制約は多く、無駄なものはガンガン切り捨てなければいけなかったと思います。そんな中だからこそ、各々のキャラの行動などが洗練されていったのかもしれません?
具体的にお気に入りなポリを言うと、やはりミントとウィーラーフですかね!ミントの「およよ…」のポーズや地団駄は最高です。ミントというキャラの傍若無人で体当たりな性格が上手く表現出来ていたと思いますよ!後、走っているときのひらひらするのも良い…。ウィーラーフのポリゴンは迫力満点、かっけーです。
アクション
キャラはいつでも軽やかに動き、スイスイと進めていけるのでストレスはほとんど感じません。敵の行動パターンなんかもちゃんとしており、見切ればほぼ無傷で勝てる、というのが良いですね。でも見切らずに無理やり攻撃しても、結構勝ててたよ…。でもボス戦は見切って倒すべし。
しかし少し不満点を言うならば、ステージ自体が短かったり、マりオばりのアクションを必要としないことが多いことでしょうか。まあこの辺は容量の関係上、仕方ないことかな!
キャラ
いつもはゲームの感想書くときに「キャラ」の項目は入れないのですが、このゲームでは入れざるを得ない。それほどキャラが立っていたというわけです。
このゲームでは町はひとつだけであり、登場人物の数も長編RPG等に比べれば少なめです。しかしだからこそ、全ての登場人物にそれぞれのストーリーが出来上がっており、プレイヤーは情報と接触しているのではなくてキャラと接触している感じを受けることを出来たのではないでしょうか。(つまり、『ここは~の町です』ということしか言わないような、情報源でしかない脇キャラがいないということ)
キャラが立っていなければ、エンディングで旅立つときに、あんなに感傷的になることなんて無かったよ…。あのときは本当に、「また来るよ、みんな~」って気持ちが湧き上がってきましたよ。
でまあ、最もキャラが立っていたのもやはり、ミントでしょうか!「なぬー!?」とか飛び蹴りとか地団駄とか「だって、遺産、欲しかったんだもーん」とか、ゲームヒロインの中でもトップの『欲望に忠実、ヨゴレ、傍若無人、自業自得、切り替わりの早さ』の要素を持つヒロインだったのではないかと思います。私もミント様に飛び蹴りをくらいたいれす!
あっ、そういえば、このゲームは恋愛要素が無かったな…。だがそれがいいのだ!
ストーリー
ルウ編は真っ当なストーリーな感じです。が、真っ当と言っても『王道』とか『ありきたりさ』はあまり感じられず、普通にシリアスでまとまりのある、良いストーリーでしたよ。
確かにルウには「クレアを救う」という意志を持っていましたが、それ以外に関しては他の意志、つまり「やりたいこと」が無かったと思います。そういう意味では、物語始めでは生きる目的が限られている『人形』に過ぎなかったでしょう。(『ドール』としての本来の目的とは別なだけで)
そんなルウが自分の本当の存在意義を知らされ、それでもなお、自分の意志を尊重し貫こうとするその様子、『人間になった』と、私は言いたい。そしてその私の思いは、真ENDでミントと共に遺産探しに旅立つシーンで、最も強く感じました。
ルウの宿敵として描かれるドールマスターも、彼は彼なりに堂々と意志を貫こうとしていた様子はかなりかっこいいし、最後にルウと同じような自分の意志を持ったところもかっこいいです。そしてその配下たちも。
みんなかっこいいやつらばかりのルウ編ですが、やっぱりミントだけはお笑い要素です。でもそれが良い清涼感になっていました。
ミント編はルウ編の後にやると、ルウ編のパロディのようで笑えますwww
堂々と「世界征服してやる!」と言っているのに、なんだかんだでみんなルウ編と同じように協力してくれるのは、ミントに無邪気さとかを感じている結果なのでしょうかね。ドールマスターみたいなやつが「俺の野望は世界征服だ!遺産はどこにある!?早く連れて行け!」なんてことを言ったらクラウスやメルたちも拒絶するでしょうが…。
ミントは単に『邪魔なものは弾き飛ばす!』ってだけで、それ以上に他者に対する悪意なんかは持っておらず、助けるべき人がいればちゃんと助けようとする、案外良いやつなんですよね。正直で欲望に忠実なだけで…。
ルウ編ではドールマスターの存在はかなり大きくてシリアスな要素そのものでしたが、ミント編では少々笑えることも言っていましたね。例えばミントが遺産に近づいている情報を得たときに、ものすごく意外そうに「何!?」と言ったり、聖域ではドールマスターの野望無しでミントが女王の座から更迭されていたことをばらしたり、聖域でやられたときには(いやいや、ストーリー上、こんなところで倒されるわけ無いだろ…)的な雰囲気醸し出しながら退場したり…、何だかルウ編に比べると普通にかわいそうだwww
というわけでまとめると、ルウ編では一貫してシリアスで重厚なストーリーを、ミント編では猪突猛進な主人公を楽しむことが出来、見事に対照的な構造になっていましたね。そしてルウは自分の意志を持つことになること、ミントは最初から強い意志を持っていたことも、対照的ですね。
実はこの二人主人公がいるシステムにはちゃんと意味があるようで、私の持っている攻略本によると制作者は、
「自分の願いをかなえるためには色々なやり方がある」
ということを表したかったようです。ルウのように迷いながら願いをかなえようしたって良い、ミントのように猪突猛進で願いをかなえようとしたって良い。そんな、人生において当たり前なことを、この短いながらもまとまったストーリーで言いたかったのでしょうね。
スタッフロールを見ると、このゲームはかなりの少数精鋭で作られていたことがわかります。全部3Dなのにプログラマーの数少なすぎじゃね?
当時のスクウェアにとってはこのデュープリズムはかなり小さなゲームだったのでしょうが、しかしそこにはちゃんと制作者たちの熱意が入っており、みんなが全力で作ったからこそ、今でも名前の残るゲームとなったのではないでしょうか。
最初から最後まで気兼ねなくプレイでき、終わった後は気持ちのよい後味が残る、最高にまとまったゲームである、と総括しましょうか。
やりこみ記録★
・全魔法入手
・全イベント経験
・全アイテム入手経験あり
・1週目各キャラでロッド4形態に5回ずつ勝利
・ロッドダークハリケーンに20回勝利(ミントで)
ストーリー上では難しくて詰まる箇所は無いのですが、各形態のロッド4,5戦目には苦労しまくりましたよ…。というわけで私なりの攻略方法をちょっとだけ書いておきます。
1形態目、シルバーブリーズ。これが一番苦労した…。回転切りは意外に移動速度があり逃げ切れないので、ジャンプ攻撃で強制終了させる。追ってきたらジャンプしながら逃げつつ、チャンスのときのみジャンプ攻撃。基本的に攻撃はスキが出来たときのみ。HPが低くなるとスキがほとんど無くなる為、回避中心。連続突き攻撃直後に攻撃が良いか?
2形態目、ゴールドゲイル。基本はシルバーブリーズと同じ対処。HPが低くなると追尾攻撃をしてきますが、そうなったら回避しきるのは難しいので、攻撃中心でさっさと倒します。
3形態目、ブラックトルネード。ロッドは自分の右手から武器を振り回すので、左手側からダッシュで接近すると、案外振り下ろしも横殴りも食らわなかったりする。肉薄したらジャンプ攻撃しまくり。ビッグサイクロンはジャンプすると巻き込まれて防御力半減するので、ジャンプ厳禁。終わりそうな一瞬で攻撃可能。防御力半減状態になるとダッシュしながらこちらを攻撃してきますが、時間が過ぎて防御力半減状態が終わると、歩いて向かってくるようになるため、こちらからの攻撃を再開すると良いでしょう。
4形態目、ダークハリケーン。基本的に水汲み中に攻撃。水攻撃は水の軌跡に対して垂直に移動+ジャンプで普通に回避できます。近距離では攻撃の回避が難しいので、間合いは中~遠にしておく。攻撃力が高くなってきたら攻撃を食らわないために、ロッドをステージ奥に導き自分は手前に位置して、ロッドの攻撃を見切っていくことが大事。ちなみにミント編では戦えるタイミングがかなり短いので注意。