『ゼノギアス(PS1)』を2021年にプレイした感想―SFらしさはゲーム史上でも1級品

1998年にスクウェアからプレイステーション1用ソフトとして発売されたRPG、『ゼノギアス』を2021年2,3月頃にプレイして完全クリアしました。
今もなお根強い知名度や人気のあるゲームですが、リメイクはされておらずこのPS1版が最古であり最新。
ゲームアーカイブスで配信されてはいるので新しい機種でもプレイできますが。

ストーリーが非常に難解で、予備知識無し1周目で理解できればスゴイとされています。
今回の2021年のプレイは、私の人生で2回目のプレイ。
1回目は15年くらい前だったかな?
一応2週目ということで、予備知識有りでストーリーを楽しんでみようと思ってプレイしてみたわけです。

ゲームとしては…どうかな?

ところどころで90年代風のアニメが挿入されますが、基本的にはポリゴンの背景を2Dキャラ達が立ちまわる演出。
イベントが非常に多い、というかプレイの1/2~2/3はイベントシーンで、その間プレイヤーは〇ボタンで会話を読み進めていくだけ。
「PS1でここまで多くのシーンを表現するか~」
といった感嘆はあるのですが、しかし会話が冗長でテンポは悪い気がしました。
こういうストーリーならこういうセリフ、と簡単に予想できるものを延々と。

会話やイベントが冗長ってことはそれだけ丁寧なのかとも思うけれど、Disk2になるとほぼダイジェスト。
ソラリス戦後の人々がアレに変わりつつある悲壮感溢れる世界を冒険したり、最初期の宇宙船であるエルドリッジ号内を歴史の解明をしながら探索したりとかが省略されてしまったのは、惜しいなと思いました。
(チュチュとリコとその関連消したら?)

さてバトルですが、ターン制でコマンド入力で必殺技が放てる仕組み。
とは言えやはりこのゲームはストーリーがメインだからか、バトルはちょいとおざなりなところがありました。
ギア戦はとりあえず金で最強の装備にすれば良いし、キャラ戦では必殺技食らわしとけば良いし。
戦闘そのものより、雑魚戦が挟まれないシーンが多いから金のやりくりに気を使うほうが多し。
ギア戦は個人のレベルがあまり関係しないので育成のしがいはありません。

というわけで小結論としては、ゼノギアスはスクウェアのRPGにしてはゲーム性が2級。
あまり期待してはいけないと思います。

SFストーリーとしては非常に歯応えがある

スクウェアのゲームだからあえて前の項では酷評しましたが、ストーリー(というか設定)は現代でも際立つものがあります。
(脇キャラ関連イベントはフツーだが)

このゲームは10000年以上前、10000年前(アベル)、4000年前(キム)、500年前(ラカン)、現代(フェイ)のそれぞれの時代にストーリーや設定が秘められています。
現代以外の時代は断片的にしか情報を与えられず、しかしその設定を知っていること前提で暗躍するキャラがいたりするので、何となく分かってくるまでは理解が非常に難しいでしょう。
元老院の会話なんて1回目だったら「こいつら本当に日本語話してんの?」と思うこと間違いなし。
全体像が分かるのは本当に最終戦の直前くらい、フェイが再接触したくらいなんじゃないかな。

別のゲームなら、過去が今に関わるのなんて主人公の子供時代くらいですよ。
それがゼノギアスだと、子供時代はもちろんのこと、前世、前々世、(キミの)前前前世、更にその前まで出てくるんだから。
これだけで、ゼノギアスが特異だということが分かります。

また、デウスとゾハルの機能、それらの目的も結構難しいもの。
Disk1では存在すらほとんど認識出来ませんが、暗躍する奴らの中で更に暗躍する奴らの真の目的でようやく登場。
高次元のよく分からんものをエネルギー源にして兵器作ろー、までは分かりますがそれ以降のデウスの機能は自分でも完璧に理解したわけではなく。
要は、神に作られた生物が神から離れるストーリーですか。

思えば、ゼノギアスの世界って段数の多い階層構造です。

地上人→教会→ソラリス→ソラリス元老院→カイン&カレルレン&フェイ&デウス&ミァン→地球人(?)→波動存在(ゾハル)
(右の存在は左の存在の『上位階級』や『神』レベル)

設定が非常に難解でゲーム内用語も多いですが、しかしDisk2からその謎をドンドン解消していくカタルシスもあって、それは良かった。
謎や伏線の多いストーリーって、全てが明らかになった時が堪らないんですよね!
それが欲しいから、いくら難解とされるストーリーでも挑戦したいと思える。

特殊なゲームだと見えるんですが、風呂敷を拡げて終盤に畳み、世界の命運を主人公に託し、世界と女を救って巨大ロボと共に帰還するめっちゃ王道なラストは安心して大丈夫!

やりこみ記録

  • 全アイテム入手
  • 全キャラレベル99(最終キャラ達)
  • 全必殺技取得(最終キャラ達)
  • 全ギア強化

ゼノギアスは自由度の少ないRPGなので、二度と取れなくなるアイテムが非常に多いです。
一番最初のラハンの村でさえいくつもあるほど。
しかし昔のゲームなので攻略情報も豊富なので、攻略サイトに従ってプレイしていけば全アイテム入手は簡単。
ありがてえ。
一番面倒だったのは「殺戮の黒衣」…ではなくカードで5連勝しないといけない「SDえりい人形」

レベル99はラスボス前のセーブポイント前の通路、力のアイオーンなどが出てくるところで達成しました。
天使攻撃が痛いので、敵の攻撃受けてしまう編成なら「対天使システム」を装備し、他は攻撃力UPの「GNRS50」など。
キャラは「スピードシューズ」と「ヘラクレスリング(フェイ以外2人)」などを。
エーテル強化したエメラダが一番殲滅力高いし安定しますが、経験値が偏るのでたまには別の編成で。
ギアの最終強化には大量の金が必要ですが、レベル上げのほうが手間かかるので経験値優先で。
なお、ラスボスはギア戦だしキャラ戦最強のドラゴソはそこまで強くないので、レベル99にする意味は、無いです…。

総プレイ時間は、50時間ほどでした。

市販ゲーム

Posted by YU