ロボトミーコーポレーションのプレイ後感想―独自性と中毒性のある死に覚えRTS

Steamで購入してプレイしていた、韓国製シミュレーション(もしくはRTS)ゲームの「ロボトミーコーポレーション」をクリアしたので、その感想を書きます。

もちろんネタバレありです。

…一言で言えば、めっちゃ面白かった!!

ゲーム性感想

SCP財団という、共同創作怪異Wikiサイトを元にしたゲームらしい。
SCP財団ってのはこのゲームをきっかけに調べてから初めて知ったことです。
こんなのもあったんですね。
ハンターハンターの暗黒大陸危険生物もこれを元にしているんだろうか?と思ったり。

チュートリアルをやるだけでは全てを学ぶことも出来ないしわかることも出来ませんでしたが、やればやるほどシステムが分かってきて面白くなりました。
他のゲームには無い新しいゲーム性で、非常に新鮮な気持ちでプレイ出来ましたよ。
何も起こらなければシミュレーションなのですが、鎮圧時は擬似RTS(リアルタイムストラテジー)ですねこりゃ。

このゲームは「知ること」「知ってやり直すこと」がゲーム的にもストーリー的にも前提となっているほど重視されていますから、未知のアブノーマリティへの恐怖と、理解していくことの好奇心の両方を存分に味わえました。
初回プレイではあらゆるアブノーマリティがよく分からない状態から始まるので、職員を多く死なせながら管理方法を学び、鎮圧でも犠牲を出し、ようやく安定するかな?と思ったらまた面倒なアブノーマリティがやってくる…
何度も一日をやり直し、エネルギーを精製して、乗り越えていく。
にっちもさっちもいかなくなったら、チェックポイントに戻ったり1日目に戻ったり。

結局、1日目からプレイしたのは4回。
初回は何も分からないまま育成方法も分からないまま進め、職員が死んでもあまりやり直さずLOBポイント消費して新規雇用し、24日目くらいで「何もない」を収容して何度も脱走全滅を繰り返しまくったので、今度は残業と育成をちゃんとしようと思ってやり直し。
2回目は職員の育成に尽力し、夕暮れの試練直前辺りまでは残業しまくりました。上層+ティファレトのセフィラコア抑制もその仕組みを理解するまで何度もやり直して突破。46日目までは行ったのですが、ALEFHの収容数が少なすぎてケブラー以降のセフィラコア抑制が出来ていなかったのでやり直し。(最終戦とエンディング条件は調べてしまった)
3回目はケブラー、ケセドを必死に抑制し、ビナー戦で何度も何度もやり直し生存職員数3名でクリア。これで存分にEGOの収集が出来るようになったので、最終戦に備えてやり直し。
運命を決める4回目、21~25日目を繰り返してエンサイクロペディア100%+EGO全収集を達成。職員をほぼ死なせずに育成をし続け日を進めていき、ホクマーは1回で突破。46日目以降は精鋭職員を数名犠牲に出しながら、感動の50日目!

総プレイ時間はアイキャッチ画像にあるように、104時間。
このゲームは経験である程度は安定しますが、運要素もかなりあって注意していたつもりなのに手塩にかけていた職員が死んでしまうこともよくあります。
そういう時はそのまま日を進めるかまた1日をやり直すかはプレイヤーで決められますが、やり直すと時間がかかります。
この、プレイ時間と理想の1日を贈れるかという天秤にかけるバランスも、非常に上手いところです。
妥協してプレイ時間を短くするか、後々のことを考えればもう少し粘ったほうが良いのか、そういう戦略の取り方を考えるのも面白かった…!

ストーリー感想

ゲームシステムとストーリーの関わりが非常に巧緻で、素晴らしい。

当初はやり直しなんて特殊なことだから甘えのようなもったいないような気がしたのですが、しかし初見殺しがほとんどのこのゲームにおいてはそうするのはむしろストーリーを楽しむ前提です。
最初のストーリーは未知の怪物の管理をして残虐な真似もしながら、「X」という管理人の立場を全うすること。
そしてやり直しを何度もしながら日を進めていく段階で「A」の正体が分かるこの、ゲームとリアルがリンクした感じ!イイ!
また、終盤ではゲームシステムとして何気なく採用されていたポーズや早送りの存在に対しても示唆と制限もあり、没入感を更に醸し出してくれるでしょう。

日常から離れるセフィラコア抑制も、ゲームのマンネリも防ぐ良いシステムでしたよ。
マルクトちゃんやホドちゃんの姿が変わってしまうのは惜しいですが、彼らの悲惨な出自と逃れられない非業の輪廻を乗り越えてやるぞという気概をプレイヤー自身が持てるようになることでしょう。

ストーリー全体を把握するにはあまりにも示唆や比喩が多くて理解は難しいですが、感情移入できる要所要所はちゃんと説明してくれている感じですね。
何度も何度もやり直してでも達成しようとする「A」の光の種計画だけでも理解できれば、あの50日目の感動も味わえるものです。
(攻略Wikiの用語集と歴史を見れば一発ですが…)

外国のゲームだから日本のゲームよりもシナリオはあまり重視していないのかなと思いきや、邪魔にならない範囲で深みもあって、これは良かった。
見直したぞ、韓国!

攻略メモ

育成について

どれだけの犠牲を払ってでも、まずは赤い霧と調律者の撃破を目指す。
EGOの増加と死亡時の消失が無くなれば戦力は一気に強化できる。

上記が終われば最初からやり直して、21~25日目を何度も周回してEGO全収集とエンサイクロペディア100%を目指す。
21~25日目は1日で2回アブノ―マリティを選択できるし必要エネルギーも少ないので、比較的短時間で収集が出来る。(ただし6回中ツール系アブノ―マリティが2回)
白夜と終末鳥も撃破しておこう。

エンサイクロペディアが100%になるころにはプレイヤーも各アブノーマリティがどんな奴らなのか分かって来るので、危険度が低い奴や高い奴も分かる。
クリアを目指すならアブノーマリティも厳選していこう。
基本的にはHE以下ならクリフォトカウンター0で職員が死亡する恐れが無いもの。脱走する奴らの方が対処は楽。(肉の灯篭は除く)
WAW以上なら脱走されても壊滅的にはならないもの。管理が楽、脱走しにくいもの。
憎しみの女王(面倒)、赤ずきんの傭兵(邪魔かつ強い)、貪欲の王(事故る)、地中の天国(事故る)、陰(強い)、寄生樹(うざい)、何もない(強い)、黒の兵隊(邪魔&育成に使えない)、白夜(脱走=リセット)、蒼星(脱走時無視できない)、溶ける愛(管理最難)辺りは要注意か。
しかしステータス110以上を目指したいなら、ALEFHも積極的に受け入れないといけない。

赤い霧戦

超遠距離武器+Black耐性防具の特別鎮圧班がいると安定。

第1形態はポーズを活用したヒットアンドアウェイで倒せるが、第2,3形態での地中の天国攻撃が厄介。
移動で即座に射線から離れられる部屋なら良いが、それ以外なら回避は困難。
Black耐性のWAW以上の防具が必要。

第3形態のジャスティティアのPale攻撃は普通の射程武器だと避けづらい。
当たると即死に近い。
そこで、超遠距離射程の武器で敵の射程外から攻撃する。
そうすると地中の天国か特別攻撃しか当たらなくなるので安定する。

第4形態は行動パターンが分かれば速攻で倒すことが可能。
主力チームから遠い場所で疲労していたら、ウサギチームでとどめを刺すことも選択肢に。

調律者戦

各種暴走の対処はもちろんのこと、調律者自身の攻撃が非常に痛いのも注目。
敵の攻撃には一度も当たらないようにしたい。

鎮圧班は懲戒チームと中央本部チームのみで十分。
それ以外は暴走の対処に専念。

第1,第2形態では各種暴走が発生するので全て対処しておく。
波の暴走は対処しないと第3形態になってもなかなか消えないので消しておく。

忘れがちなのは暴走発生時にランダムな職員にBlackダメージを与えること。
エレベーターなど一か所に集めておくと重複して攻撃を受けるので、全滅することもある。(あった)

第3形態になるとポーズが使えなくなり暴走の対処もしづらい。
正直、第3形態では暴走の対処はしなくても短期決戦を挑めば大丈夫。
8方向に柱が飛ぶが、射線上に入らなければ無傷で回避できる。
クリフォト暴走が多く発生するが無視して柱攻撃の後に調律者へ集中攻撃すればかなり削れる。
調律者への攻撃中は調律者自身の攻撃の回避に集中。
柱攻撃の後にウサギチームを呼ぶのもあり。

49日目

調律者撃破と無視してエネルギー精製の2択があり。
自分は調律者撃破で。
犠牲が数名確実に出るので、職員数は新米も含めて最多配置しておく。
懲戒・抽出チームは精鋭の職員を用意。

まず、便利屋は黄昏装備職員1人で倒すのが最も安定する。
ポーズ無しでレーザー全て回避するなどは結構難しいから。

調律者戦では1,2形態最初の暴走発生時は犠牲覚悟でポーズ。
職員に作業を割り振り、パニックになった職員がいればWhite武器を持つ暇職員で鎮圧指示をしておく。
第3形態では上記の戦術と同じく、柱の暴走は無視して調律者への攻撃に集中。

自分は10名ほど犠牲が出たが、3回目で乗り越えられた。

市販ゲーム

Posted by YU