東京ゴッドファーザーズ 感想

雑記
 今週末は絶対登山に行こうと思っていたのに、こんなときに限って天気が悪い。
 9,10月の週末なんてほとんど快晴だったのにね!
 というわけでまたアニメ映画の感想。これがメインじゃないんだが…。


東京ゴッドファーザーズ 感想
 これで今敏さん監督のアニメ映画4本すべて視聴完了ですね。パプリカ、パーフェクトブルー、千年女優ときて、最後に東京ゴッドファーザーズ。
 他3本では現実と空想を題材にしていましたが、今回はそのようなものではなかったですね。偶然と奇跡が立て続けに起こるという点では、若干空想チック?しかしこの作品は現実を舞台にして、空想の世界なんて行くこともなく、現実で何とか起こりうる事件なんかを描いていっています。
 ウィキペディアを見ると、この作品はアメリカ映画の「3人の名付け親」から着想を得ているそうですね。しかもその映画にも原作があったりします。社会のはみ出し者が、純粋で清らかな赤ん坊の世話をすることになるというシナリオは結構人気があるのでしょうか。
 
 あらすじはというと、ゴミ捨て場で赤ん坊を拾ったホームレス3人組が捨てた親を探すために珍道する物語。
 こんなこと一生に一度あるかないかだろ、みたいな偶然と奇跡がホームレス達に起こりながら物語が進んでいくので、舞台が現実にもかかわらずどこか寓話のような雰囲気があったように思えます。
 作画方面を言及すると、このアニメは背景はかなり綺麗で緻密に描かれていますが人間の顔などはかなりアニメっぽく描かれていると思います。主役ホームレス3人組はよく口論したりするのですが、そのときに顔が動く動く。表情豊かってレベルじゃねーぞ!
 特にハナっていうオカマの顔はかなり動くので、赤ちゃんをあやすシーンなんて最早ホラー。っていうかあの歳でオカマということ自体ホラーだし。
 物語はクリスマスから始まります。クリスマスに赤ちゃんを授かるなんてまさにキリストです。しかし題材となった作品はかなり宗教色が強いらしいですが、この作品はあまり宗教色が強いものではなく日本的に描かれています。物語が初日の出で終わるのは、クリスマスよりも正月を重視する日本人らしいと思います。
 まず言っておくと、この作品はあまり深く考えずに気楽にかつ素直に見ることをオススメします。
 感動作品というのでもないし、アクションでもないし、どれかといったらコメディ作品なのですが、「あ~、面白かった、さあ寝るか」というような感じでもなく、なんというか「明日があるさ」と少し元気が出るような作品だと思います。一体ジャンルは何になるのかわかりませんが、言ってみれば「人生」かな…?
 ホームレスって孤独で悲哀の人生を送っているのだと思っていましたが、この作品では明るくたくましく生きています。しかし現実はどうなんだろうか?たまに見るホームレスはいつも一人で空き缶集めていたり寝ていたりして、将来に希望なんて一切無いように見えます。しかし映画でも、もし3人組が赤ん坊なんて拾わなかったら現実にいるホームレスのように無気力で絶望的な人生を送っているように見えるのだろうか?
 なんというか、この映画の中の赤ん坊というのは、薄汚れて希望のないホームレスに生きる活力を与える神の使いのようなものですね。人生を変えたのは、ただ一つの偶然からだった、っていうのがなかなか素敵だったと思います。
 

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江守徹梅垣義明

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Posted by YU