htoL#NiQ ホタルノニッキの感想――かわいい幼女と退廃的な世界の中で

2022年12月27日

2014年に日本一ソフトウェアがPSVITA用に開発したアクションパズルゲーム、「htoL#NiQ ホタルノニッキ」をクリアしたので感想を書きます。

プレイしたのはもちろんやっぱりSteam版。
VITAとは違ってマウス操作が出来るので、他のレビューを読む限りはPCプレイが絶対おすすめ。
マウス操作でもかなり難しいからね!?

可愛い絵柄と絵本みたいな雰囲気ですが、CERO:D(17歳以上向け)
グロやエグさを前面に押し出しているわけではないし死亡シーンもあっさりはしているのですが、記憶のカケラでたまにそういうシーンが出てくるのです。

 

とりあえず、理不尽な初見殺しはミオンちゃんの可愛さで押し切ってゆけ、そういうゲームです。

やりこみ記録

実績制覇

ステージ数は少ないですが、どのステージにも実績取得項目があるのでなかなかやりがいがあります。

Steamのグローバル実績にあるように、取得割合が少ない順に3つ、2-3,3-1,4BOSSが鬼門でしょうし、でしたね。この辺はちょっと理不尽。
2-3はなぜか奇跡的に1発クリア出来ました。あれさあ……実績取得挑戦中くらいはリトライ箇所限定してほしかったよね。失敗するたびにあの歯車避けしないといけないの?倒伏ミオンちゃんの可愛さが無ければやれなかった。
3-1も全てのルートのタイミングをほぼ完璧に把握してノーミスクリアしないといけないので、リトライ回数多かったです。フワフワミオンちゃんの可愛さが無ければやれなかった。
4BOSSはポーズ戦法のおかげでノーミスでクリア出来たんですが、回数多すぎて時間がかかる!半分でも良かったよね?ミオンちゃんの可愛い立ち姿が無ければやれなかった。

ちなみに死亡100回の実績はチャプター2の間に取れました。
300回でも取れたかもしれない。

全体的な難易度としては、初回クリア<記憶のカケラ<実績、の順番くらい。
他のゲームと比較すると、ホタルノニッキ>ロゼ>夜廻シリーズ、って感じで日本一ソフトウェアのアクションパズルゲームの中ではホタルノニッキは難しいゲームでしたよ。
いやあ、まさかチャプター1で攻略サイト見そうになるとは。

アクションパズルについて

後継作の「ロゼと黄昏の古城」を先にプレイしたのですが、あちらはパズル要素の方が強かったです。
対して、ホタルノニッキはアクション要素の方が強い気がしました。

行けそうで行けない、って箇所は大抵別のルートやギミックがあるものですが、今作では「本当にただタイミングがシビアなだけだった」、なんてことが多くありました。
ただでさえホタルで誘導なんて間接的な移動(可愛い)なのに、それに加えて逆に行動するキノコ化(可愛い)もあるし。
3-2で100人以上のミオンちゃんを犠牲にしたような……?

所謂「イライラ棒」地帯は不評も多いのですが、マウス操作なのでめちゃくちゃな理不尽を感じるまでは至らなかったです。
全体的に、このゲームはセーブポイント多くてリトライしやすいですからね。
でもね、イライラ棒抜けた後の初見殺しギミックはやめて?

 

アクションとは直接関係ないのですが、ステージ数はもう少しあっても良かったかなあ、ってのも感想です。
そう思えるほどなかなか楽しいものでしたからね。
一応チャプターは4まであるのですが、個人的にはマリオブラザーズのようにチャプター8くらいまであって欲しかった!
この設定で広げられるものももう少しあったと思うんだ!
例えばホタルの位置で影の場所が変わりますが、そのことを最大限に活かすようなステージもあっても良かったかなあって。

ああやっぱり、もう少し長くプレイしたくなるくらい面白いゲームでした。

ストーリーについて

よくわからない地下で目覚めて、地上を目指しながらこの世界の謎を解いていくパターン。
最近ではむしろ王道になっているほどよく用いられている手法ですが、正直めっちゃ好き。
私がプレイしたゲーム中では、洞窟物語、E.、夜明けの口笛吹き、ドラゴンクォーター、(後継の)ロゼと黄昏の古城、Undertale……どれも良いゲームだよな!

記憶のカケラをほとんど見ずに見た初回クリア時のED感想は、もちろん「は!?え!?これで終わり!?」
記憶のカケラを全て集め、真EDを見て、Youtubeに公式が上げている朗読ムービーを見て、考えて、ようやくストーリーに納得できる程度のボカシ具合でした。こういうの……、めっちゃ好き。
でも影たちの存在理由は作中だけでは分かんないよ……

ストーリー考察については攻略wikiだったりSteamのレビュー(要翻訳)だったりでされていますし、概ね賛同。
私としては「9999年12月31日」は、タイマーカンスト説を推したい。
恐らく何千年、もしくは1万年以上もの間、あの世界の生物は植物とクローンミオンちゃんだけ……悲壮感あって良いよね!

チャプター4BOSSからEDまでの流れは初見では意味不明ですが、オリジナルミオンの代わり扱いされたクローンミオンが、両親の歪んだ愛(正答時の撫でが代表)を受け続けて精神がおかしくなる。
植物の力が暴走して4BOSSのように、実際の両親も殺してしまったことがある。
EDの自殺はそんな狂った精神(罪悪感?)を表しているような……?倒れた後はホタルの誘導効かないし、って解釈。

対してオリジナルミオンは記憶のカケラであるように、クローンミオンを自分とは別存在の、居場所を奪った化け物扱い。
チャプターXで肉体を奪おうとし、両親(ホタルとカゲホタル)もそれに協力する。
これ以上クローンを生み出さないように、クローンを生み出す原因の樹を破壊しようとする?
(でもあの時の影たちの意図って具体的に、何だったんだろう)
(結局種が無くなってミオンの肉体も消えてしまったけど、あれはクローンミオンの意図したところで良いの?)

最終的に自律した精神を持ったクローンミオンとオリジナルミオンが、崩壊した世界の中でデータとかで生きるのか、全ての人間が死滅した世界だけが残るのか、そんな感じで終わり。
そう考えたら、全然ハッピーエンドでも無いよね?

でもね、この雰囲気やっぱり好きですわ。
純粋な美しい心を持つ幼女と、それをいじめ倒すような寂しい孤独な世界。
私の好きなものが2つ重なっているんだから、そりゃもうこのゲームは名作です。
異論の存在は認めるしかし、異論は受け入れられない。

市販ゲーム

Posted by YU