四国遍路 20日目四万十市~大岐海岸

20日目
携帯電話で台風再接近の時間を調べてその時間警戒していましたが、テントと東屋をロープで繋げたのが功を奏したのか、被害は無しでした。たまにテントがたわむくらいです。
というわけで風が弱まってきたときに出発。テントの下に水から逃れようとしているミミズが数匹いて少し気持ち悪かった…。
しとしと雨の中出発。順調に進み、四万十川も無事に横断。足摺岬方面へ向けて歩いていると、少しずつ晴れてきました。
しとしと雨が止んで、どんどん青空が見えるようになって来ました。台風の後に晴れると、ただのアスファルトでさえ青く見え、濡れた草木が光を反射して輝く様子が見られます。
台風の中を歩くことも、台風が過ぎ去った後に町を歩くことも普通の生活の中でほとんど無いことでしょう。こういう偶然の美しさを見ることが出来、そして日常の中にある芸術に気づかせてくれたというのも遍路旅で得られたものの一つです。
台風後の美しい田舎道を歩いて、岬を目指します。
基本的にずっと田舎道。下ノ加江周辺にあるチェーン店はスリーエフくらいです。日本のどん詰まりっぽい高知県の中でもさらにどん詰まりっぽいな、足摺岬エリアって…。
しかし、自然の美しさは格別です。荒々しい海岸線、あまり高くない山並みなど…。寂しい場所かもしれない、だけどこれで十分なのかもしれない。
ギザギザの海岸線が続いていた中で急に現れるのが大岐の浜。白砂青松の美しい砂浜です。駐車場にもいくらか人がいてぼーっと佇んでいたりするほど、なかなか人気のあるスポットのようです。
野宿地は浜近くにあった空き地。この日の晩は中秋の名月だったらしく、そのためものすごく月の明るい夜でした。夜中でもヘッドライト無しで普通に歩けますからね。あまり明るくない街灯くらい明るかったかも?
歩行距離:約29km
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椿の咲く日まで―骨髄バンクと土佐清水の仲間たち (2002/05) 秦野 純一 |