年末年始に小豆島、野宿自炊の歩き遍路旅

年末年始、5泊6日の小豆島歩き遍路旅 / YK1989さんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

2022年~2023年の年末年始にかけて、5泊6日で小豆島歩き遍路旅を行いました。
野宿・自炊型の荷物多めな旅。
でもザックは40Lのものでギリギリ大丈夫でした。

旅の準備

基本的な装備は四国遍路と同じで大丈夫。

納経帳はやはり専用のものを買う必要があります。
ネット通販でも購入できるので、検索したらすぐ出るかと思います。(2022年12月現在において、1社ほど出品有り)
現地でも買えますが、売ってないお寺もあるのでやはり行く前に買っておくと失敗が無いです。

 

地図も専用のものがあります。
縮尺や方位をバラバラにすることでページ数を減らしているので、荷物を少なくしたい歩き旅なら是非活用すべきものです。
入り組んだ迷路みたいな住宅地を通ることもあるので、こういう地図があると助かります。
でも、一応グーグルマップ等で調べられるようにスマホ等も持っていった方が確実です。
実際、スマホ+GPSで何とか道迷いから脱したことも有りました。

 

今回は四国歩き遍路のように心身的にガチなものではないので、白衣は着ませんでした。
杖だけは現地で購入しました。今回の旅でのお遍路らしい格好は、この杖のみ。

靴は新調し、モンベルのトレールウォーカーを購入しました。
小豆島は山岳霊場が多く登山道もほどほどにあるので、完全に舗装路用の靴だと滑りすぎて危ないかも。
ということで登山靴寄りのウォーキングシューズを購入。
結果的に、足裏が痺れることはありましたが歩けなくなるほどのことはないし、登山道でのスリップも少なめで済みました。
小豆島遍路では1日に巡る霊場が多い分、1日で歩ける距離も四国遍路より少なくなるので、長距離の舗装路歩きに重点を置かなくても何とかなります。

ザックは、モンベルのチャチャパック40L。
持参食料は米10合(1日2食で2合消費)、乾燥野菜や高野豆腐、調味料。
ガス缶は250ml新品1個、トイレペットペーパー1.5個(0.5個で十分だった)。
シュラフは快適温度3℃程度のダウン製、テントはアライテントのエアライズ2。
防寒着としてダウンジャケット、行動中の服はインナー、ミドル、アウターフリースの3枚。
マットはザック外に取り付け、巡礼用品をザック内にしまったらザック容量はギリギリ程度。
スマホの電力問題ですが、ほとんどYAMAPのログのみ取るようにすると、10000mAhのモバイルバッテリー1個でも保ちました。

天気予報の現地気温は10~0℃程度。
天気は晴れ時々曇り。

 

旅の途中

出発点は1番札所としました
小豆島遍路は霊場の番号と位置がバラバラな時があり、そのため自由度は高めです。
というか自由度が高くならざるを得ない。
現代の多くの人は土庄から出発しているらしいですが、自分は88番札所をわかりやすい最後にしたかったので、坂手(小豆島を牛に見立てると後ろ足)の山の上にある1番を最初としました。

始発のフェリーで、高松から土庄へ。
土庄から坂手東へバスで行き、出発。
舗装路を遍路地図片手に登り1番札所へ。

その後はYAMAPの写真のとおりです……


山岳霊場が多いと言えど町中を歩くことが多いので、野宿旅では野宿するところを考えねばなりません。
自分の場合は、人の気配の少ない山中部分で野宿するようにしました。
また、大抵の堂庵にはトイレ等が併設されており、水の確保もできます。
飲水程度の容量なら、まあ良いんじゃないでしょうか。

納経(朱印の押印)は、30数カ所の有人の寺でのみ行います。
堂庵の分は寺でまとめて行えます。
納経代は、寺院300円、堂庵100円、合計15,400円
納経時間は基本的に8時~17時ですが、時間を明記していないお寺もあります。
たまに有人の寺でも不在となる時がありますが、その場合はセルフサービスとなります。

食事は、朝晩は自炊。
昼は道中で購入した食料や、飲食店で食べたりしました。
北側は店はかなり少ないですが、南側は店もそこそこあるので食料確保にはあまり困らないかと思います。

入浴については、土庄の「オリーブ温泉 満天の湯」で1回行いました。
汗をほとんどかかない冬なので、特に風呂に入らずとも不快感は少なかったですね。
他にもホテルとかで日帰り入浴できるよう。

参拝では、1日で廻る数が多いので、堂庵では「御本尊真言、光明真言、大師宝号、回向文」のみ唱え、寺では「堂庵分+開経偈、懺悔文、般若心経」を唱えるようにしました。
小豆島遍路は四国遍路より人が少ないからか雰囲気も異なるのか、参拝者と住職の距離が近いのか、お経を一緒に唱えてくれたり木魚やりんで音頭(?)を取ってくれたりすることがありました。
これは本当に初めての経験だったので読経している時緊張したし、般若心経の区切りも完璧に自己流なのでそこの不安もありましたが、終わった後は清々しい気分でしたよ……!
やっぱ、読経ちゃんと学びたいな。


最終日、橘で88番札所を参拝して、旅は終わりました。
1日歩いた距離は、20~25km程度。

橘でバスを待ち、池田港で高松行きフェリーに飛び乗り、夕日を見ながら今回の旅を思い返しておりました……

 

旅で思ったこと

各霊場には御詠歌が張られていたりしてましたが、「御詠歌って良いな」と今回の旅で思いました。
単語の意味が分からないときもありますが、5・7・5・7・7の美しい旋律と情景が浮かぶようなものが多く、しかもそれが各霊場にあるようで。
御詠歌集めたいな……。
自分も俳句とか始めようかな、とも思っちゃう。

堂庵は大抵無人ですが、地元住民や寺の住職などが綺麗に整備しております。
地元の集会所や墓地管理用の小屋を兼ねたものが多く、たまに地元の方が集会しているときもありました。
そういう場所って普通は部外者に開かれてはいませんが、小豆島では霊場であるため部外者に開かれているのが良いですね~。
おかげで地元の安らぎも感じられました。
また、堂庵にはかつては人が住んでいた時もあったのでしょうか?風呂や洗濯場や就寝場所が整えられているものもありました。
こういうさあ……小さな庵で墓地や境内を清潔に管理して、老後を過ごしてみたいな、って思ったよ……。
老後は小豆島かあ!
ええなあ!

小豆島遍路で特徴のあるものとして、山岳霊場があります。
こういう場所に行くのは初めてだったので、新鮮味があって面白かったですよ~。
単に洞窟の中に仏像を鎮座しているだけでなくて、人の手で掘り進めて必要十分な広さがあり、電気やガラス窓を備えて少し現代的に整備されているものもあり。
「えっ、ここ本当に洞窟の中?」と思えるようなものも多くて、生活様式そのものが面白かったです。
特に81番札所、恵門の瀧の護摩壇のある部屋の雰囲気は凄い。ここで儀式を行われちゃうとトリップしそう。

 

ああ、他にも本当に色々と思いましたが、全部書くと膨大過ぎるのでもうよしにしましょう。
寺の始まりと終わり、信仰とは上位存在の存在を認めることなのか、無縁仏が多いように見えたこと、海の光を見ながら生きるということとは、無意識から想起される安らぎとか、想うことはありました。

最後に、御詠歌に影響を受けて歩いている間に考えた短歌を載せておきます。

 

美しや 水面輝く 小豆島
遍く路を 歩めば想ふ

長距離歩行

Posted by YU