2024年秋 東北登山旅行

2024年10月18日~26日にかけて、東北へ登山旅行しました。

飛行機で岩手花巻空港に行き、レンタカーを借りて、車中泊と自炊しながらの自由気ままな旅。

 

1日目 移動日

神戸空港15:45→(FDA)→17:15花巻空港

レンタカーは、「日産ノート e-POWER」
ガソリン発電型電気自動車に乗るのは初めてだったので、最初は違和感半端ない。
変なところでエンジン音するし、回生ブレーキめっちゃ強いし、バックミラーはモニターだし、何でもかんでもスイッチ式なのでモード変えるのも自然に出来ず。
けど最終的には「ワンペダル走行」にも慣れ、燃費の良さに感心しましたとさ。

車中泊は遠野の道の駅で。
フルフラットには出来ないので、後部座席を倒して身体を斜めにして何とか寝る。

寝るときは服1枚と、スリーシーズンダウンシュラフで。
まだまだ夏のような気温。
天気予報 21~3℃(盛岡)

2日目 五葉山・遠野

ガスの五葉山、遠野方面から / YK1989さんの五葉山の活動データ | YAMAP / ヤマップ

天気予報ではがっつり雨。
山頂ではガスっただけで雨は降らなかったので、儲けものとしよう!
山頂から太平洋見たかったけど、他の人の写真で我慢我慢。
山深い遠野を抜けた先の山深い山……と思ったら海に出る感動、を味わいたかったけどしゃあなしです。

東北の広葉樹林は、何だか林床も爽やかで歩きやすいね。
今回歩いた黒岩ルートは踏み跡薄いけど、低標高なら歩きやすい。
けど、稜線は違う。岩がゴロゴロして、灌木が生い茂り、ルートファインディングも必要。
結構時間かかった。

下山は桧山ルート。
踏み跡はさらに見当たらないが、植生的に薄いので歩きやすく、すぐに林道にたどり着く。
国有林の林道を通って、下山。


民俗学好きの自分にとっては、遠野観光は外せない!

ということで遠野観光。

まずは道の駅でお食事。
ガスと風で冷えた身体には、辛めのラーメンが染み渡る……

 

麓は雨が降っていたので屋内で観光出来るところのみ(時間も少なかった)
というわけで、「遠野市立博物館」と「とおの物語の館へ」

やっぱり「遠野物語」がめっちゃ大きいね。
遠野の様々な民話や柳田国男の歴史もあり。
遠野は閉ざされた村だから特殊な民話が多い、なんて勝手に思ってたけど、海と内陸を繋ぐ交通の要衝として発展した場所だったんだね。

もっともっと「民話の郷」を堪能したかったけど、時間ないので次へ!また来たい……

この日は盛岡の西、雫石の道の駅で車中泊。
寒気が来ていて標高も高かったので、流石に寒い。
服3枚+シュラフをすっぽり被る。

3日目 秋田駒ケ岳

強風無ければ山上の楽園、秋田駒ヶ岳 / YK1989さんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

前回の東北旅行で行けなかった山、秋田駒ケ岳。
今回は岩手側からの日帰りでリベンジです。

2021年GW秋田 ガスと強風で予定を変えた乳頭山(烏帽子岳)

登山口は国見温泉。
地形図見ると広い駐車場造成できるような地形か?と心配していたけど、普通に無料の駐車場があって良かった。

日本列島の背骨の一部、奥羽山脈は東西を分ける山脈だからか、風が強い!
気温自体はまだしも寒風吹きすさび、まさに冬のよう。
防風グローブはあるけど冬用ではないので、手先が寒かった。
今度はちゃんと冬用も持って来よう。

山頂からは前回かなりガスった乳頭も見えれば、田沢湖やその他もろもろも見える良い展望。
乳頭……本当に乳頭だ!?
火山らしいこんもりした山や、明らかに「ここ、溶岩が流れたな」と思える面白い地形が多く、秋田駒ケ岳も良い山だった。


下山後は登山口の「国見温泉」へ入浴。
山小屋のような温泉宿で、風呂もワイルド。
臭いが強く、上がり湯(するなと書いてある)しないで出たら、次の日の入浴まで温泉臭が……

次は和賀岳へ登るべく、いったん秋田へ。
「田沢湖芸術村」で昼食をとり、快晴の横手盆地をドライブ。

少し時間もあるし和賀岳登山口に行くと電波も入らなそうなので、農村公園でしばしのんびり。

なんだ、秋田。天気よかったら良いところじゃないの。

 

この日は未舗装林道を走って、和賀岳登山口で宿泊。
綺麗なトイレも避難小屋もあるので、この日だけは小屋泊まりとしました。

4日目 和賀岳

標高低くても遥かなる山、和賀岳 / YK1989さんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

標高低くても山深い山なのでクマがいないか心配だったけど、痕跡等も一切見られず。

この日も稜線に出ると強風!
稜線は笹原となっていて見通し良いけど、その分風が遮られず足も取られる。
フードを被りながら、波立つ笹の中を歩いて歩いて。
この稜線歩きが、和賀岳の醍醐味でございました。

山頂からはどこまでも見渡せる。
遠く、遠くの鳥海山や日本海、歩けば遠いけど光ならこんなに届くのかと、やっぱり感動してしまう。
横手と秋田も見渡せ、昔読んだ「雪の峠」を思い出す。

雪の峠・剣の舞 感想


下山後は台湾料理屋で昼食。
温泉はリンゴ畑に囲まれた「ゆっぷる」、温まった身体を外気で冷やすの超気持ち良し!

今日の観光は「横手市増田まんが美術館」
「何でここに漫画が?」と思っていたら、釣りキチ三平の矢口高雄さんの出身が関係しているんだね。
無料で入れて、古い漫画から新しい漫画まで読めるから、休日はめっちゃ人多そうやね。
雰囲気も良いから、こんなの近くにあったら入り浸ってしまうかも。
様々な漫画が展示されていたけど、結局、矢口高雄さんの漫画が気になってしまう。
子供時代のふるさとを描いた漫画も、ゆくゆくは民俗資料になるんじゃないかな。

 

この日は神室山の登山口で車中泊。
誰も人いないからテント張れそうだけど、クマがいそうだから狭い車内で寝る。

5日目 神室山

意外な標高差の神室山 / YK1989さんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

前日の和賀岳よりも楽、になると思ったらアップダウンもそこそこあるので同じくらいの道のり。

パノラマコースはその名の通り見晴らし良い場所多く、紅葉に染まった山肌が美しい。
でも前神室山くらいからまたもや風が強くなり、神室山頂ではフード被って風に背中向けながら休憩。
東北の山、風強くない?

東北の300名山登って、ようやく山形まで南下したぞ。
今度は山形・福島の登山旅行をしようかしら。


秋田から出て、宮城県へ。

この日の昼食は鬼首温泉地の大久。山の幸が多くこの店だけで山村の雰囲気を醸し出している。
私はかつて山暮らしをしていて、結局あの暮らしを続けていたらこういう店が最終形態だったのかとも、思う。

入浴は鬼首の湯。
施設は古めだけど露天が広く、他の入浴客もほとんどいなかったから、かなりのんびりと浸かっていられた。
風と空を感じる。

宿泊地は泉ヶ岳のキャンプ場。
料金は安いし綺麗だけど、受付がめっちゃ役所ぽかった。
せっかくのキャンプ場なのでちゃんとテント張る。
久々に足をちゃんと伸ばして寝られる。

6日目 泉ヶ岳

憩いの山らしい山の泉ヶ岳 / YK1989さんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

この日は雨予報。
昼から強く降るらしいので、標高差小さい山でも早朝出発。

ゲレンデから少し仙台湾見えたくらいで、山頂等はガス。
さくっと登ってさくっと降りました。


次の日は近くの船形山。
しかし時間がかなり余っているので、スーパー銭湯の「竜泉寺の湯」で入浴と昼食。
サウナは3セットキメて、石焼ビビンバを食べ、休憩所で読書。

この日は船形山登山口で車中泊。

tacicaの「永久列車」を聞きながら何となく思う。
時間ほど、ロマンチックなものはない。
過ぎ去りし感覚、記憶や記録。
「今が思い出になるのだろうか」と思ったあの頃よ、良い思い出になっている。
そして今もまた、死にゆく間際に「良い思い出だ」と思い返すのか。
これぞ物語よ。時間こそが、人を物語化するのだ。

 

7日目 船形山・平泉

雪山入門に良さそうな船形山 / YK1989さんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

最初から最後まで緩やかに登っていく。
山頂から見ると山肌は綺麗で、山スキーできそうだなあと思う。

けど、山頂は暴風レベル。
展望よさそうだからゆっくりしたいけど、小屋に隠れて休憩してそそくさと下山。

旅も終わりに近づいている。
しかし鮮烈な感動はまだ味わっていない。慣れてしまったのか。
自己を破壊し尽くすような、ひっくり返すようなものはないか。
「失ってしまったのです、その機会を」といった文章を書いた本は何だったか。(後で調べたら深夜特急だった)


岩手から秋田へ、宮城、そうして最後に岩手へ。

平泉を観光。
造園の教科書では必ず出てくる毛越寺を見たくてしょうがなかったので、行ってみる。
波のない池と、周辺の大木により浄土を表している庭園。
浄土、言い換えれば「理想郷」だろうか。この景色、この場所こそが最上の地であるという、昔の人の理想。

平泉は世界遺産に登録されているので資料館も多いけど、やっぱり時間が無くて行けず。
毛越寺の近くの温泉に入って、焼石岳登山口の中沼登山口へ。

 

8日目 焼石岳・江刺

清く澄み渡った水と空、焼石岳 / YK1989さんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

この旅、最後の山の焼石岳へ。
水気の多い、全体的に清らかな山だった。
この登山と、今回の旅のハイライトは、「中沼」になった。
やっぱり、水辺か。
風は通り、水は絶えず変わり、飽きることがない。
山暮らしの時の散歩コースにあった溜池も、実家近くの小さな海も、今住んでいる湾の風景も、私の魂の行く末は水辺だ。

これが最後の山で良かった。
もし300名山全てを登って、下山するとき、僕は何を思うだろう。どんな人生と思い出を振り返るのだろう。


下山後、全国一ノ宮の駒形神社で御朱印もらう。
拝殿前の、ワイヤーで骨組み作ってつる系の花を絡ませているのがおしゃれ。

真似したい。

昼食はその近くにあった蕎麦屋。
秋でも冷やし蕎麦と冷やしラーメンあるんだ……

 

次の日は花巻空港なので移動時間も少なめ。
時間あるので「えさし藤原の郷」へ。

平安的雰囲気を模した施設で、ロケも多いらしい。
あくまで空間の演出を重視しているからか、面積の割に展示が多いわけでもなさそう。
でも、全体の雰囲気を味わうにはこれほど良いところはない、ってくらい。

園内に流れるヒーリング音楽を聞きながら、快晴の天気の下で散歩。
岩手……岩手って、良いところだよな……。

 

最後の晩餐と入浴は、演劇も見られる「まーす北上」

近くの公園で車中泊。

9日目 宮沢賢治記念館・帰宅

最後の朝、私の秋の旅はこれにて終わる。

花巻空港は13:50出発と、時間あるので花巻の宮沢賢治の施設を堪能することに。

宮沢賢治記念館・宮沢賢治イーハトーブ館・宮沢賢治童話村・花巻市博物館へ。

実は宮沢賢治の本を読んだこと、一度もないんだけどね。
でもまあ、ああいう空想がその時代から行われていたのは、興味深いことです。
宮沢賢治には童話以外にも、農民芸術の振興などの要素もあったり。

花巻市博物館では藩政時代の花巻の立ち位置がメイン。
特別展ではちょうど土偶の展示があったけど、遮光器土偶は今見ても変態的な芸術だなあ……
縄文時代も芸術作品は高価なものとして取引されていたんだろうか?


岩手花巻空港13:50→(FDA)→15:30神戸空港

土曜日に帰宅なので、次の日の日曜日に荷物のお片付け。

総括

  • 10月18日~26日の、8泊9日
  • 登った200名山:5座
  • 登った300名山:2座
  • 交通費:バス、飛行機、レンタカーで約8万円
  • 3シーズンシュラフのみで、寝るときは寒くはない
  • 米:10合持参
  • 軽アイゼン:持参したが不使用
  • ガス:現地ホムセンで買った、125ccのイワタニカセットガスジュニア
  • なぜか頭の中で流れていた曲:米津の「エビ揉め」

役立ったものは替えの半ズボンとサンダル。
登山はとかく足回りが濡れたり蒸れたりすることが多く、スーツケースに入れる荷物が増えてもあったほうが快適度は段違いに高まる。

ガス125㏄はギリギリ。
米10合分の炊飯に使うと、無くなりそうで怖い。
「火なしコンロ」みたいに、ある程度沸騰したら火を止め、保温して芯まで熱を通したりもした。

 

東北を南北に分けたら、今回の旅で北部は登り尽くした感がある。
鳥海山はまだ登ってないけど、これからは山形・福島がメインになるかなあ。
でも朝日連峰、飯豊連峰、月山辺りは雪も深く、GWはちょっと厳しそう。
登るとしたらシルバーウィーク、9月ごろがベストシーズンか。

今回の旅で、岩手が好きになったかも。
また、のんびりと観光したいね……

旅行記,登山

Posted by YU