林野庁森林管理署インターンシップ体験談 中編
雑記
太陽周期的に、2012年から寒くなってくるっていうのは本当だったんだろうか…
3日目
3日目は販売係による業務説明でした。
販売係では木の伐採・造材・運搬と販売を行っていくようです。経営係との違いは、計画と実行の違い？でも実際に実行するのは民間業者ですが。
この日は最も林業らしい感じでした。経営係の人数人と一緒に山へ入り、「木々の状態はどうか？」とか「ここから最も効率の良い伐採、運搬はどうするか？」ということを考察したりしました。私はちゃらんぽらんな森林系学科出身だったので、林業的な感覚においてはガチ森林系学科の他の参加者にボロ負けでした。
他には業者が作業を行っている場所を見たり。高性能林業機械を自分の目で見れたのは、個人的に大きな成果です。
山の後は、運ばれてきた丸太を仕分け・販売を行う木材センターの見学に行きました。
長さは機械で自動に選別出来るようですが、元口・末口の直径などは手作業で測るようです。もう少し効率良く出来ないの？とこのとき疑問に思いましたね。
集まってくるのは針葉樹ばかりだと思っていましたが、案外広葉樹の太いものもありました。センターの人は樹皮だけでほぼ全ての樹種を特定できるらしい…自分はスギ・ヒノキくらいしかわからんかったよ。
このときは夏でしたが、夏に切ってくると割れやすく、値が落ちるそうな。それでも夏に切ってくるのは、伐採作業が詰まっているからだと。まあ林業やる場所は真冬になると雪が降ること多いから、伐採可能時期は短いんでしょうな。
3日目はこれで終了。毎日17時くらいにホテルに帰れるので、少し暇でした。夕暮れの町を散策したり、テレビをボーっと見たり、小説読んだり。まあこういう時間もそれなりに好きですけどね。
4日目
4日目は土木・保安林係が担当ですが、この日はただの業務説明ではなく、国有林内の崩壊した林道の測量を行いました。というわけでこの日は係の人だけでなく、いつも他の係をしている人も引き連れて測量業務を行いました。
現場はものすごく山深い場所です。地質的にももろい場所なので木材生産もあまり行われておらず、周囲に人気などもありません。移動に時間がかかるので、集合時間は朝7時。
関係者以外立ち入り禁止な林道だったので、道の荒れようはかなりのものでした。道路のど真ん中に大きな岩が転がっていたので、総出で岩を端に追いやって、何とか車を通行させたりしました。
そうしてやってくると、完璧に崩壊してしまった林道がありました。元はのり面と平坦地に分かれていた場所は、全て斜面となっていました。斜面の下側は落差の大きい崖…。
完全斜面の場所を、お偉い人が率先して一番目に出発し、簡易な歩道を作ってくれました。命綱とか付けないのか…。でもそういう心意気、私は好きです。
測量道具を持って測量開始地点まで歩行。大自然の中、組織的に行動していくのって何だか楽しいです。
途中、あちこちで治山工事跡や崩壊箇所を見かけました。1日目で見た場所と傾斜は同じくらいに見えるのに、崩壊数がかなり違う感じ。
で、実際に測量業務開始。測量機器の備え付け方や使い方を簡単に教わり、ポールを持っている人とコンタクトを取りながらやっていきました。結果はメモ帳に書いていきました。ここらへんのやりかたは、多分明治とか昭和からずっと変わっていないのかもね。
みんなで分担・交代しながら淡々と作業を進めていきました。慣れれば単純な作業ですので、ミスとかも無く順調にやっていけましたよ。雰囲気も悪くなく。
数時間後に測量作業終了。今回の結果は、崩壊した林道を修復するために役立つようです。今回は測量距離が短いので管理署の職員たちが自ら行いましたが、広い範囲で測量するときなどは基本的に業者に委託するようです。
しっかし…国有林は木材の生産に向かない場所もあったりしますが、そういう場所の管理はかなり厳しそうです。「体力使うことしたくない！危ないことしたくない！」っていうような人は、管理署職員には向いてないかもね。公務員と言っても、やっぱり林業的な覚悟と体力は必要でしょうね。
というわけで4日目はこれで終了。適度に疲れて楽しかったです。測量業務のある企業…どうかな。
次の日でインターンシップが終わるので、4日目がホテルで過ごす最後の夜でした。たった4泊でしたが、何だかこの町がちょっと好きになりました。
前編
後編