風雲相討学園フラット完全版 感想

雑記
 次はどのフリゲをやろうか。いっそのことギャルゲに専念してみようかしらん。


風雲相討学園フラット 完全版
笹原!? 通常版が発表されて、フリゲ界でその出来の良さで評判が広まり認められました。そして時が経ち、フラットは帰ってきた!!完全版となって!
 
 でもまあ完全版と言っても追加シナリオ「番長編」が加わっただけなんですけどね。
 番長編では変人揃いのJ組の謎が全て明かされることになります。その謎を解く超重要キャラが、番長なのです。番長の心情と過去が明かされることによってストーリーは進んでいきます。
 しかし番長編の魅力は番長だけではありません。番長編を始める前に6人の女の子からこのシナリオのヒロインを一人だけ選ぶことになります。ヒロインを選ぶと、番長編の時系列が通常版でそのヒロインと結ばれた時のものになり、序盤では主人公とヒロインのラブラブイチャイチャっぷりをこれでもか!と見せ付けられることになります。
 ある時は普通にイチャイチャしながら登校したり、ちょっとケンカしたり、エロいことしそうになったりと!「ウガアアアア!!」と言いながら頭掻き毟りそうなほどにラブラブです。ちなみに笹原を選ぶと、通常版では見られなかった眼鏡なしの彼女を見られます。個人的にはこっちのほうが断然イイ!
 
百合子 選んだヒロインにより大きくシナリオが異なるのは序盤と終盤だけで、中盤の番長シナリオはほとんど共通です。所々専用のセリフが出てきますが。
 あらすじは、番長は実は大戦末期に生み出されたサイボーグ兵器だが使用されずにコールドスリープにより眠り続け、生体組織工学研究者の背久原(学園長)によって起動させられた。学園長は番長のためにJ組を作り美少女を集めて、懐柔させて強大な力を持つことが目的だった。しかしコントローラーを開発したことで番長を操り風雲王国を作ろうとする。
 しかし宮本と天才中学生の束子によってコントローラーは破壊されるが、番長は自分の意思で兵器である自分と宮本をこの世から消そうとする。そして境は番長を止めるため、番長の記憶を自分の頭に転写して説得の鍵を探す。
 番長シナリオの魅力は番長の過去と最後のたたみかけにあると言っても過言ではありません。
 彼の生きた時代がいかに死と隣り合わせの世界だったか、そしてそこで生きた人々の本心と大切な人への想い、一切ギャグ無しの超シリアスなストーリーです。嘉村次郎は特攻隊となって死ぬ覚悟も出来ていたのに、先に自分が最も愛していた妹が死んだ。それなのに自分だけが平和ボケした現代に生きているという矛盾。彼はこの時代に来て以来、ずっと死に場所を探していたのです。
 
嘉村次郎 戦時中は、死が近かったからこそ多くの人が自分の生をどう使うか選んだはずです。ある人は大切な人を守るために一人でも多くの敵兵を倒して戦争を早く終わらせようとし、ある人はそんな人々を助けるために工場で働いて戦争を早く終わらせようとする。みんな幸せを求めていたのに、不幸にも多くの人間を死に至らしめ残った人々にも大きな傷をつけたのが、戦争です。
 嘉村は天皇陛下万歳だけで死んでいけるような人ではなく、戦況の酷さもよく知っているリアリストです。だからこそ彼が戦い生きる意味には妹の存在が大きな比率で存在していたのでしょう。しかしそんな彼に打ち付けたのは、無残な姿となった妹という現実。
 嘉村の背負った罪悪感と絶望感は、平和ボケした現代人には到底理解できないものに違いありません。だからこそ嘉村はこれ以上こんなヒドいことが起こらないように、行き過ぎた兵器である自分と宮本、そして学園長を殺そうとしたのです。しかしそれでも、境不可止はあきらめずに「たたみかけモード」で番長を説得します。
 この最後のたたみかけは、もう本当に燃えたというか本気になったと言うか、ADVなのにまるでテンションMAX状態でRPGのラストボスに挑んでいるように感じました。番長の気持ちが痛いほどわかるからこそ、彼のしていることが正当であると思える。でも、やっぱりこんなことを止めないといけない!
 最後のたたみかけの鍵は、妹の百合子です。番長は過去の中に重要なものを見逃してきてしまったので、それを気づかせることが大事です。それによって番長の死ぬ意味をなんとか薄らがせることが出来ます。しかし、番長がこれから先の生に意味を見出せるかは、彼にかかっています。
 序盤と終盤でヒロインとイチャイチャしまくるけど、これはどう見ても番長シナリオ!笑いあり萌えあり涙ありのこのゲームが、ここまで漢(おとこ)なゲームになるとは…。
 なんかもう、二股とかで悩んでいた自分がウイルス並みにちっぽけな存在に思えてきた。
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Posted by YU