FF9の感想―原点回帰を名のもとにした、過去への尊重

2000年にスクウェアから発売されたPS1のRPG、ファイナルファンタジーⅨを改めてプレイしたのでその感想を書きます。
本作のテーマは『原点回帰』
7,8はSFっぽさが多かったためか、改めて『王道のファンタジー』を描こうとした作品ですね。
6,7,8では欠番だった『クリスタル』も登場しますし、『王女様と身分違いの主人公』などの物語の定番なんかもあります。
しかし大人になった自分が改めてプレイしてみたら、原点回帰というよりは、「過去へのリスペクト」「過ぎ去った・失われたものが今へと繋がっている」ことを描いた作品であるように感じました。
やりこみ記録
- 低レベル進行、高ステータス育成
- 全員レベル99
- 全アビリティ取得
- 全青魔法取得
- 盗賊のあかし、竜の紋章、カエル落としのダメージMAX
- 全カード入手
- チョコボ関連イベント達成(海岸含む)
- モグネット復活
- 〇×クイズ100%正答
- 全精霊モンスター遭遇
- オズマ撃破
- トレジャーハンターランクS
- 全アイテム入手(ごく一部除く)
低レベル進行
発売当初に普通にクリアしたことがあるので、今回は『低レベル進行』にして攻略スタイルを変えました。FF9はレベルアップ中にステータスアップ系の装備をしていたら、その分ステータスのボーナスが増えます。
ですから、終盤で入手できる強力な装備をしてからレベル上げしたほうが、最終的なステータスも高まります。
やりこみの一環として『高ステータス』を達成するため、低レベルで進行しました。
FF9の低レベル攻略は既にネット上に挙がっているため、それらを参考にさせてもらいました。
ジタンの『とんずら』はこのためにあるんじゃないかってくらい、活用しました。
どうしてもお金が足りなくなってきますが、合成を活用した錬金術で増やしたり。
バトルでは、通常プレイでは全く使わない戦略を取ったりするので結構面白かったです。
レベル1でも装備やアビリティを整えれば大ダメージを与えて敵を倒せるんだから、このバランスを開発したスクウェアと攻略法を編み出した先人は凄いですわ。
アレクサンドリア連戦は、結構きつかったけれど…
無事低レベルのまま最終盤まで進んだら、ダガーの『オーディン』やジタンの『マサムネ+刀魂放気』でヤーン狩りしてレベル上げ。
ステータス配分はあまり深く考えず、総合値が出来るだけ高くなるように装備させて育成しました。
まあ育成に拘らずとも、最強ボスのオズマは倒せるけどね。
低レベル攻略では雑魚戦は逃げるだけなので、その辺りの戦闘を楽しめないのが少しネックだろうか。
でも、ボス戦の面白さは上がって良かったかなと思います。
FF9は取り逃し要素が多いので、2周する場合は是非とも低レベル攻略に挑戦してみて欲しいですね。
全カード入手
FF9もFF8同様、ミニゲームにカードがありますが、カード変化などが無いので攻略には全く影響しません。
純粋なミニゲームです。
だからか、FF8よりも熱中することは少なかったかな…
FF9のカードには収集ポイントがありますが、上げる要素の一つに「矢印の組み合わせ」があります。
持てるカードの数は100枚だけなので、出来るだけポイントを上げたいなら矢印の組み合わせを被らないようにしないといけません。
そういう訳で、収集が面倒なレアカードを先に集め、雑魚モンスターカードは矢印が被らないように何度も入手し直して集めていきました。
FF9のカード集めはそこまで難しくなく、世界で一枚だけの『ネミングウェイ』と4本腕の男が持つ『各飛空艇カード』を集めさえすれば、取り逃すことは無し。
レアカードの大半はラストダンジョンやトレノのカードスタジアムで集めれば良し。
最終的には、(1種10ポイント+矢印5ポイント)×100枚=1,500ポイントくらいの収集ポイントとなりました。
カード全てを『A』に育成すれば1種につき2ポイント加算で、最終的に1,700ポイントに出来るようですが、それは時間がかかりすぎるので流石にやめましたよ…
チョコボ関連イベント達成
FF9の数あるミニゲームの中では、チョコボ関連が一番面白かったですよ!
お宝を制限時間内に掘り当てるのも面白ければ、世界を巡ってお宝を掘り当てるのも面白い!
広大で面白いフィールドを上手く活用したミニゲームですね。
しかも掘り出せるお宝も攻略に役立つものばかりだし。
FF9のミニゲームと言えば『チョコボ』ってくらい。
全アイテム入手(ごく一部除く)
出来る限り全てのアイテム・だいじなものを最終盤に残せるようにしました。
ただし、以下のアイテム3種とイベントに使用するものは除く。
- エクスカリバーⅡ
- キング・オブ・ナワトビ
- アスリート・クイーン
低レベル攻略とエクスカリバーⅡ入手は両立できるようですが、リセット回数が格段に上がります。
また、ナワトビとかけっこは忍耐力と体力が必要になりすぎるし、その割に面白くは…と思うので入手は無し。
時期限定購入可能なのに、終盤で合成に使うアイテムがあるので、それらが最も注意するものですね。
特に低レベル攻略だとお金が不足気味なので、何でも贅沢に購入できるわけでは無いし…
他の注意すべきなものは『ギザマルークのベル』『スターのサイン』『モーグリのきぐるみ』、カードゲーム大会時にダリの村で得られるアイテムなど。
感想
探索が面白くなるフィールコマンドと美術
テーマが「原点回帰」なだけあって、「様々な場所を調べてアイテムを入手する」面白さを演出してくれましたね。
何も無ければ通り過ごしてしまいそうなところでも、調べれば何か情報が得られたりもするから、『探索する面白さ』を改めて追及してくれたシステムでした。
まあ一つだけ苦言を言うなら、ドラクエの「とうぞくのはな」のようなカウント出来る何かがあったほうが取り逃しはしにくかったか。
また、世界各地の風景・美術にも拘りがあって、その美しさを堪能できました。
メインストーリーだけに注力するのではなく、何でもない人びとの生活の風景や世界観も丁寧に描いてくれたのは好感持てます。
霧と高低差の、魅力あるフィールド
FFのPS3部作の中では、9が一番フィールドに魅力ありました。
やっぱり一番感動したのは最序盤の、霧の上、青空広がる『ダリの村』か!
山と崖に囲まれたポツンと隔絶された地、飛空艇が飛び交う謎の風景。
好奇心を持って、この異世界を冒険している気持ちを持てました。
子供の頃、ゲームの中の世界にロマンを感じたあの時の気持ちを蘇らせてくれるような、そんな「原点回帰」もありましたよ。
分かりやすくて戦略性のあるバトル
FF7,8では装備が少なかった反面、9では腕・頭・体・アクセサリーの各種防具が復活しましたね。
しかもそれぞれの装備には効果やアビリティが異なっていて、ボス戦に応じて装備を変える楽しさもありました。
こういう時にはセレクトボタンの「ヘルプ」もかなり役立ちました。
このヘルプは偉大な発明だった…
FF8はFFの割にはかなりバトルシステムが変わったからか、その反動もあってか9ではオーソドックスなATBでした。
慣れ親しんでいるから飽きやすいかと思いきや、アビリティや装備を変えて対策を取れるから楽しかったです。
まあ結局、「いつでもヘイスト」と「いつでもリジェネ」に行き着くんだけど!
ストーリー感想
『冒険』と『物語』を改めて
上記のフィールドの美しさもあるようにFF9では『冒険』の演出が濃く、劇場や身分違いの恋などの『物語』を意識したシーンも多いです。
一風変わった新鮮なストーリーを模索していた当時のスクウェアが、『9』という1ケタの終わりを迎えるにあたって原点回帰してみたから、このようなストーリーとしたのだろう!
…というのが一般的なストーリー感想ですね。
まあ確かにそうなんですが、自分はもう少し踏み込んでいきたい。
過ぎ去りしものも今へと繋がり、生きている
ストーリーやメインテーマの歌詞を考えればFF9は原点回帰以上に、「過去へのリスペクト」や「未来へ繋がっていく記憶や過去」を描くことに注力しています。
1年の寿命であるにも関わらず懸命に生きるビビはもちろんのこと、ラストダンジョンが「記憶の場所」だったり、ラスボスのセリフやクジャの感情であったり。
「どうせすぐに死ぬ、失うのならば、意味は無いのか?」
ということに対して「否!」と強く否定することがメインストーリーに多くありましたね。
なぜ「原点回帰」をテーマにしてこのストーリーが生まれたか?
私なりに解釈しましょう。
基本的に、人々は古いものより新しいものを受け取ります。
例えばFF9発売当時だって、未プレイであるけれどFF1や2よりも9をプレイしようとする人のほうが多いでしょう。
じゃあもう昔のゲームは今となってはプレイはされず、存在価値は無いのか?
いいや、違います。
過ぎ去ったものであっても、それらの記憶は我々に受け継がれてそして新しいものが作られていく。
FF9は過去作があったから作れたもので、無ければ作れません。
だから、昔のもの、記憶の中のものも、意味があるのだと。
消えゆく運命でも
Melodies Of Life
君が生きている限り
いのちは続く
今この瞬間だって、すぐに過ぎ去り、失っていく。
だけど過去が無ければ今が無い、今が無ければ未来が無い。
ファイナルファンタジー9では、そんな過去への尊重だとか連綿と続いていくことを描いているように、私は感じました。