ローゼンメイデンの全体感想―ゴシックな人形たちが可愛くて魅力的な漫画

2002年からコミックバーズで連載を開始し、ヤングジャンプに移って2014年に完結した漫画、ローゼンメイデンの感想を書いておきます。
8巻+10巻構成です。
後、ウルトラジャンプでローゼンメイデン0が連載されていましたが、そちらは未読。

キャラが非常に魅力的

この作品はアニメ放映時などはネット上で非常に人気があった記憶があります。
どうしてかって、キャラが魅力的なんですよね。

人間の身長の半分にも満たないような小さな人形が、人間のように動いてペットのような可愛さもあり、
男女両方に(そこそこ?)人気のゴスロリな服がどのドールにも使われているけれどクドくなく、
子供らしい子供から、大人ぶっているように見える子供のような性格があり、何だかんだ人間が手玉に取れそうなところがまあ可愛いのなんの!

昔は翠星石>真紅>雛苺の順で推してましたが、
改めて最終巻まで読むと、水銀燈>翠星石>蒼星石の順に推しになりましたわ。

あれ…?ドMのみに人気だと思っていた水銀燈が、どうして良いと思うようになったんだろう…?
ひたすらジトーっと水銀燈と目を合わせ続けたい。
あのサラサラの髪と美しいお目々を見続けたい…(怖いわ…)

翠星石は今も昔も可愛いです。
なんだい、このツンデレに見せかけられてないデレデレは!
真紅、雛苺、金糸雀のチビ3人と比べると彼女はちょっと大きいタイプですから、半分人間のようにも見えるところが良いのです。

蒼星石は真紅と同じくストーリーを回すシリアスキャラ…なのですがたまにドキッとさせてくる言動が、良い…。

ストーリー進行に制限がほぼ無いから何でもあり

この漫画はアリスゲームという、ドールどうしの戦いをメインにして進行していきますが、普通のバトル漫画と比べるとそこら辺の面白さは一段落ちるかな、と感じます。
少女漫画のバトルとしては、普通以上だとは思うけれど。

ドールたちが持つ力にはマスターとの契約などが関係しますが、その量に関しては制限は特にありません。
ですからストーリーをどうするかで、勝つか負けるかが決まるので、どちらがどうなるかは読者に予想できず、そこの面白さも少なかったかなと思います。
後出しでどうにかなることも多く、どんな状況でもどんな状況に出来るからこそ、アリスゲームへの没入感は少なくなってしまった感じを受けました。

しかしその分、人間たちのストーリーはやはり制限があるからこそ面白いところが多かったです。
ジュンの不登校、バイト先に、メグの愛憎と。

少女と人形、刹那と永遠の美

最終巻でアリスゲームの全ての謎と、メグの心の奥深くが明らかになり、ドールと人間たちの物語が一点に合わさっていきます。
それは純粋にストーリーとして上手いところで、感激いたしました。

娘を無くした父が人間を模したドールを作り、完全な1人にさせようとした。
アリスゲームの中で生まれた感情はドールを人間に近づけ、しかし1人になってしまっては人間らしい感情も失ってしまう矛盾。
完全な少女、完全な存在、完全な人間なんて、矛盾している。

少女は刹那的な存在で、だから美しいのでしょう。失われるものだから。
ドールとは、変わらない永遠を意味する存在。
その対称性が、滑稽やら同情やら。

メグは父を激しく憎んでいながら、逆に愛していて。
普通のドールには無い複雑な感情が人間たらしめて、ドールたちも父に対して愛と憎しみを抱いて。

人間、ドール、少女、永遠、刹那、愛、憎しみ
そういった様々な要素を合わせて昇華させていけたのには感服しました。
良い漫画だった…

(今からでもファンアートとか漫画とか漁れないかな?)

漫画

Posted by YU